旅路

生きてることに気づいたのはついこのあいだ

それまでといえば、見るものすべてがともだちで

帰り道の公園のジャングルジムがすきだった

軒下に見つけたひみつ基地

シールとドロップを持ち寄って

暗やみでもこころは見えた

空を叩いてみる 鈴を鳴らしてみる 鳥をさすってみる

いつか自分もあの雲に届くほど

大きく大きくなれる気がしていて

踏んでも踏んでも沈まぬ大地を踏みつづけ

歩いても歩いても続く一本道を尚も進む

今日着た服はもう着ない

タンスの奥へしまいましょう

来る日も来る日も何かを掴み

あれでないこれでないと投げ捨てては

気づけば何も持たずして

花の美しさだけを覚える

なぜ生きるのか いかに生きるのか

長い旅路はまだつづく