世の中は案外、優しさでいっぱいだった　～帰省した際の出来事①2023夏～

二人の子どもとわたしの三人で埼玉の実家に帰省したのは何年ぶりでしょうか。行動制限中に子どもも成長し、自分のことは自分でできるようになったこともあって、今年はお盆休みを避ける形で帰省してきました。その際に起きた、じーんとしたエピソードをご紹介し、最後に感想と考察をまとめていきます。

エピソード①新幹線にて

さて、子どもと三人で出かけるのは久々のわたし。ドキドキしながらいざ、新幹線へ。早い時間帯ならば、自由席でも余裕で座れるはず！　との考えで乗車した我々だったのですが、意外にも九州方面からのお客さんが多く、３列シートはおろか、二人掛けすら並んで座れない状態（空席に荷物を置いている人もちらほら）。ようやく、近くで別れて座れそうな三席を見つけたわたしは、子ども二人を並んで座らせ、空いているもう一席に腰を下ろしました。

私：「とりあえず、そこに座っといて。空いたら並んで座ろう」

子どもに声をかけ、落ち着こうとしたときです。私の隣に座っていた男性が、「私は次で降りるから、子どもを座らせるといいよ」と、席を譲ってくれたのです。

そこから周囲の人たちが様子を察してくれて、結局、３列シートのまんなかに荷物を置いていた人と、荷物を挟んで通路側に座った人がわたしたちのために席を移動し、並んで座れるよう配慮してくれたのです。結局、最初に声をかけてくれた方の席には座らなかったのですが、気遣ってくれた方々の優しさにいたく感動した私なのでした。

エピソード②友人と会って

高校の友人と三年半ぶりに会ってランチをした際のこと。私は地元のお土産を持参し、友人二人に配りました。すると一人の友人が「私からも」と言って、なんとその場にいない子どもの分のお土産もくれたのです。友人が我が子に会ったのは赤ちゃんの頃だというのに、なんという心遣い！　とてものんびりした天然ちゃんなのですが、見習おうと思いましたね。

エピソード③　陽気な父

その友人らと楽しくランチをして家に帰ると、子どもの様子が……。母親に聞くと、あまり昼ご飯を食べなかった、とのこと。普段から小食の娘なのであまり気にしていなかったのですが、母はご立腹（とても高圧的な人なのです）。その様子に子どもも萎縮しているところで晩ご飯の時間がやってきました。やはり調子の悪そうな子ども。しかし、元気なときに注文したらしい晩ご飯が出てきて「食べなさい！」と母。子どもは頑張って何口か食べたのですが、最終的には吐き出してしまいました。

（ああ、やっぱり調子が悪かったんだな……。）

私はそう思いながら子どもを着替えさせようとしていると、父が素早く動いて黙々と後処理をしてくれたのです。

「昔、会社で保健委員やってて、こういう時の処理の仕方、知ってるから」

父は、誰でも調子の悪いときはあるよね、と言う私の言葉にも、「そうだよね」と優しく返してくれました。

そんな父は、翌日以降もご機嫌で、妹親子（こちらは未就学児の女子二人連れ）が帰省して「公園で遊びたい！」と希望した際にも一緒についていってくれたし、必ず駅まで送迎してくれたし、最後には高級なウィスキーまで「あげるよ。持って帰って！」と大盤振る舞い。父の優しさには、ただただ感謝、です。

○考察

移動を含めて六日間の帰省で感じたことは、相手の気持ちを想像できる人は優しい振る舞いができるのだろう、と言うことです。自分だけが心地よければいいというのではなく、想定外のことが起きても動揺せず、自分のちょっとした気遣いで相手が喜ぶなら、やる。その姿勢が、実際に厚意を受けた人の心に感動を与えるということを①～③の出来事を通じて学びました。

加えて、彼らに共通していると感じたのは「見返りを求めていない」と言うことです。

母は、見返りが欲しいので「してやったんだから感謝されて当然（なんなら何かお返しをちょうだい）」という態度になる。けれども上記の人たちはおそらく、そういう気持ちを前面に出さずとも自然と行動できる。だから、こちらも気持ちよく受け取れるのでしょう。

また、これも想像ではありますが、相手の気持ちになって考えられる人というのは、相手の話をよく聴ける人ではないか、と言う気がします。相手が言葉に詰まっても沈黙を恐れずに待ち、思いを巡らせることができる。これは、自分と向き合う一人きりの時間（読書も含む）を持てる人にも当てはまるかもしれません。そのような人はやはり相手のことを理解できるし、寛容な心を持っているように思います。

◇◇◇

本記事では第一弾として「人々の優しさ」をお届けしました。帰省に際して体験したこと、感じたことはまとまり次第、記事にして投稿 or 小説「あっとほーむ」に反映していきたいと思っています！

※私たちは当初の予定通りの新幹線で帰宅できましたが、九州や沖縄地方などで台風の影響を受けている方が無事に帰宅できますよう、また被害が最小限で済みますよう、お祈り申し上げます。

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