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「愛するということ」を読んで【読書まとめ&いろうたの考え】

「愛するということ」(エーリッヒ・フロム著)をようやく手に取ることができ、一気読みしました。本を読んだことがないあなたでも、この一文は知っているかもしれません。

ある婦人が花を愛していると口ではいっていても、その花に水をやるのを忘れているのを見たとするならば、われわれは彼女が花を愛しているということを信じないであろう。

第二章 愛の理論 P35より


フロムは1900年にドイツで生まれた人ですが、内容は今読んでも全く古くない。むしろ、このような時代にこそ読まれるべきだと思います。

本書では様々な愛について書かれています。

・母性愛
・兄弟愛
・エロチックな愛
・自己愛
・神の愛

そのいずれにも共通していると感じたものをまとめると、愛とは、

・生産的であること
・与えること(喜び、興味、知識、ユーモア、悲しみ……)
・信頼すること
・活動すること(能動的であること)
・配慮すること
・責任を持つこと
・尊敬すること
・知識を持つこと
・己を委ねること
・決断すること
・約束すること
・挑戦すること ……

いわれてみれば、確かにそうだなと思うものばかりかもしれません。しかし、目の前の一人(子や兄弟の場合は複数人の場合もあり)を尊敬し、信頼し、愛情を与えようと決断するって、意外と難しいものです。

それは、人が感情や欲情に流されがちなこと、日々の仕事に追われて消耗し、他者に施しを与えるエネルギーを失っていることが原因です。

時代とともに、どんどん速さが求められています。瞬時に通信可能になるのが当たり前の現代。わたしたちの忍耐強さはどんどん失われています。

このことから、瞬間的に湧いてきた感情や欲情を抑える力を持っていない人が増えてきているというふうにも考えられるわけです。相手の嫌な部分が目につき、怒りや憎しみをぶつけあう。あるいはベッドでの時間だけが二人を繋いでいるような関係は、やがて破綻してしまいます。本当の意味で、相手を深く理解していないからです。

それを克服するためには忍耐力を養うこと(瞑想を行う、今やるべきこと以外のことは考えないようにする、など)。そして自分自身を見つめる時間を持つことが大切だ、とフロムは言います。

自分自身を愛することが相手を愛することにも繋がり、さらには今、ここを生きることにも繋がる――。

この考えに触れたとき、「ああ、やっぱりここに着地するんだ」と腑に落ちたのです。愛する人といるときは、相手のことだけを見、意識を向け、共通の話題で話す。今、ここに集中することが、真に愛するということなのです。

⏳・・・ ⏳・・・ ⏳

朝から晩まで働く現代人は、家に帰る頃には完全に電池切れ。頭を使ったり、生産的なことをする元気は残っていません。もちろん、内観する気力もない。日々の忙しさに飲まれている人は、疲れを癒やすために酒やたばこ、性の快楽などを求め、生産的なことができない生活を送るしかありません。

フロムは、資本主義の原理は愛のそれと相容れないとしています。現代社会でフロムの説く愛を実践できる人は例外的に少ないとも述べています。社会全体が愛あるものになるためには、社会構造そのものが改革されなければならない、と。

フロムの望んだ社会にはいまだ遠い現代社会。それでも、愛することへの関心や、今ここを生きることの大切さに気づき始める人は少しずつ増えてきているように感じています。

私も現代人なので、愛する家族との時間に100%意識を集中できているわけではありませんが、一緒の時間にはなるべくメディアオフを心がけ、会話には答えるよう努力しています。

また、私にとっての自己洞察は、小説を書くことで行っている部分もあります(書きながら考えをまとめるので、捨て文章だらけ(笑))。得た知識や気づきは、物語のエッセンスになっていることが多いです。

ただ、内容が哲学的なので、現実離れしているし、一般受けはしないわけなのですが((;。;))、こうした作業をしておくと、自分の考えがまとまっているので、誰かと話すときも落ち着いて話すことができます。物書きさん意外でも、考えをノートに書くのはオススメです。

以上、「愛するということ」についてのまとめと考察でした。


※ちなみに、この本の内容は、「愛のカタチ・サイドストーリー」の最新話(第9話)に取り入れています。主人公たちの見いだした答えがちょっと飛躍したように思われるかもしれませんが、「いろうたの出した愛の終着点」だとご理解いただければ幸いです。


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