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【読書まとめ&いろうたの考え】「人生、何を成したかよりどう生きるか」内村鑑三著/佐藤優解説

今回読んだのは、内村鑑三の「後世への最大遺物」を神学者である佐藤優氏が現代語訳し、更に解説を加えたものです。

以前から、わたしの好きな哲学者、岸見一郎氏の著作にたびたび出てきた「後世への最大遺物」を現代語訳で読める本! と言うことで、早速手に取ってみました。

○内村鑑三とは?


1861年(万延二年)に生まれた、日本を代表するキリスト教思想家です。明治24年一高教授時代に『教育勅語』に対する敬礼を拒否して免職となった経緯を持つ人物でもあります。彼は決して恵まれた環境で生まれ育ったわけではありませんでしたし、半ば強制的にキリスト教徒になった人物ですが、ゆえにキリスト教に基づいた考え方や生き方が彼自身の言葉で語られるとき、強いメッセージとなりました。

○人生でのこすべきものは4つ

1.お金を築く
2.事業を興す
3.文学を書くor教育者になる
4・困難を乗り越え、あなただけの人生を生きる

まず①のお金ですが、自分の私腹を肥やすために使うのでは意味がないけれど、社会のためならば、世の中のあらゆる問題解決の役に立つと内村は言っています。

しかし、そのお金を築けない人(資産家になれない人)は、②の事業を興すことを提案しています。人のお金で商売をし、世の中に貢献する方法です。しかし商売をするには才能と社会的地位が必要だ、とも言っています。

①も②もない人はどうすればよいか? そこで③の教育者になるか、文学を書くこと(ここでは『思想』殊、自分が感じたことをありのままに綴ることを推奨しています。ただ思うだけでは何も残らないが、紙に書き留めれば後の世の人にも自分の考えが伝わり、運がよければ世の中を変えるほどの影響力を残せる、と言うわけです。

ここで本文の一部をご紹介します。

200年前の英国に、痩せて背が低く、病弱な学者がいました。無名で、役立たずだと思われていて、いつも貧しく、裏通りの粗末な家に住んで、近所の人にも、何をして生活しているのだろうと噂されていました。しかし、彼には『人間は非常に価値のあるものである。個人は、国家よりも大切である』という大きな思想がありました。
17世紀中頃、ヨーロッパは国家主義の国ばかりで、イタリアもイギリスもフランスもドイツも、自国の国家という共同体を第一に考えるような風潮が社会全体を支配していました。そのため、この説はまったく受け容れられませんでした。どんなに権力がある人が『個人は国家より大切である』と主張しても、実現できないことはわかりきっていたので、この学者は、裏通りに引きこもって本を書いたのです。それがジョン・ロックの『人間知性論』です。

(P60-61)

内村はこのジョン・ロックを例に挙げ、文学(思想)を、世界に対して戦いを挑むための道具にしろ、と主張しました。

文学者が机の前に座るときというのは、ルターが宗教改革の引き金になった文書を撤回するように命令されてウォルムスの国会に召喚されたときや(中略)クロムウェルがダンバーの戦場で剣を抜いたときと同じです。(中略)この国や社会をよくするために、世界の敵や悪魔と戦争することなのです。(中略)これが文学です。

(P64-65)

この文章を読んだとき「ああ、わたしもこのような考えから文章を書きたい、いや、書かなければならない!」と強く思いました。以前から、娯楽のためではなく「今、ここを生きる人々を描く」ことをモットーに執筆活動をしていますが、よりメッセージ性の強いもの、そしてそれをより多くの人に伝えることも必要なのではないか、と思ったのです。


内村の遺すべき4つのことの話に戻ります。

①~③のどれも自分にはできそうもない。そういう人はどうすればいいか? と言うところまで内村はきちんと示しています。そこで④を上げています。これは先述の岸見一郎氏が取り上げている箇所でもあります。

本当に誰でも残すことの出来る「最大遺物」、それこそが「勇ましくて高名な人の一生」。つまりそれは「あなたの一生」であり、お金や事業や書物には変えられないすばらしいものだ、と言うことです。

誰かがやっているからやるのではなく、むしろ誰もしたがらないようなことをやる。この、「意地を張る」ことが後世にも残る大事な生き方だとも言います。内村は自身の経験から、逆境を乗り越えてこそ、えられるものが大きいと考えていたようです。

内村は、流行に乗り遅れまいと、周りに合わせて自分を作ったり偽ったりするのではなく、後世の人に「あの人たちは力もお金も学問もないが、自分の一生を掛けて、自分の思想のために戦った」と言われるような生き方をしたいものだ、と本書の終わりに述べています。

もっと詳しく読みたい方はこちら↓

○いろうたの考え

自分らしく生きる――。

最近よく言われていますが、それを貫き通すのは容易ではありません。一歩外に出ればそこはルールや同調圧力に支配された社会。その中では、ほんのちょっとのワガママですら「迷惑」と見なされ、疎まれます。

そんな中でも私に出来ることがあるとするならば、やはり「文章を書く」。「物語を通して世の中に訴える」、これに尽きるでしょう。

これまでにも、いろうた独自の切り口、語り口で物語を紡いできたつもりですが、それでも湧き上がってきた想いそのままではありません。本当はもっと熱い思いをうちに秘めています。しかし、断片だけでなく、どうせ書くならもっと核心的な部分も……という思いが湧いてきています。

どのような形で表現するかは分かりませんが、今後皆様にお披露目出来ればいいなと思っています(時間が経ったらしぼんで言ってしまいそうなので、なるべく早く取りかかりたいところ……!)。

それとは別に、物語「あっとほーむ」第三部の方はこれまで通り、週一くらいのペースで続けていきますので、今後もご愛読のほどよろしくお願い致します🥰

(#7の続きはもう少しお待ちください……! 番外編の内容も織り交ぜて、ただいま執筆中です🖋)

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