見出し画像

春、開講。 26名が学ぶ、手話奉仕員養成講座 (山口県周南市)

昨年度に続き、山口県周南市で令和5年度 春より「手話奉仕員養成講座」が始まりました。

私も、今年度の受講生です。
以前より手話を覚えたい意志はありながら、なかなか行動に移せていませんでした。昨年からテレビドラマでも続けて手話がテーマとなっており、手話を身近に感じたきっかけでもあります。ただ、感じただけでは何も変わらない・・・ひとつの大切な言語として、自ら学び、習得し、自分ごとにする必要があると思い、手話を学ぼうと決めました。

4月12日の開講式で、周南市手話奉仕員養成委員長  塚原  辰彦 (つかはら たつひこ) さんは、
「 聞こえる人か、聞こえない人なのか?私を見ただけでは迷われている方もおられると思います。受付で何人か受講生の方に話しかけられましたが、私は反応できなかったかと思います。私たち聴覚障害者というのは、見ただけでは分かりません。何が違うかというと、私は ‘目でみる言葉’ が必要。それが手話です。養成講座の目的は、自己紹介や日常生活の簡単な会話ができることを目標としています。みなさんと一緒に楽しく講座を進めていきたいです。一年間、最後まで頑張ってください」と、受講生に語りかけました。

同日、受講生26名は ‘伝えあうこと’ を目的とした1回目の講座を受講。物の大きさや使い方を考えながら、身振りや指さし、表情で、人から人へ伝言ゲームで伝えます。伝えづらさ、読みとりづらさを体感することも、今後 気をつけていく点として必要な経験と感じます。手話を習うのは講座3回目から。手話は、目で見る「ことば」。顔やからだの動きから、伝えたいことがしっかりと伝わるように、伝える気持ちを重視した内容でした。

70代の受講者は、「昔、旅行の添乗員をしていた時に、手話で案内している方がおられました。ずっと、自分も手話ができるように学びたいと思っており、今回70代で習い始めました」と聞かせてくれました。
また、50代 また高校生の受講者は、手話に興味がわきYouTube動画で手話を見ていたり、人から手話講座を聞いたりしたことがきっかけで、受講を決めたそうです。

山口県は、令和元年 (2019年) に「山口県手話言語条例」。周南市では令和2年 (2020年) に「手話はいのち!周南市手話言語条例」が制定されています。

「手話はいのち!周南市手話言語条例」より
障害者基本法等の理念を基に、ろう者の生活に不可欠な言語である手話の普及及び習得の機会の確保を図り、ろう者を含む誰もが尊重し合い、心豊かに安心して暮らすことができる周南市を目指し、この条例を制定します。

http://tubakinokai.web.fc2.com/syuunansi.htm

手話奉仕員養成講座は、ろう者と日常会話ができるようになるための手話を学ぶ入門・基礎編。
周南市では、一年間を通して70時間の講義や実技が行われます。厚生労働省の手話奉仕員養成カリキュラムに基いたテキストが用いられます。
手話奉仕員養成講座を修了すると、県で行われる「手話通訳者養成講座」の受講資格が得られる。
その後「手話通訳者登録試験」を受験する道もあり、合格した際は、山口県手話通訳者として県内活動をすることもできます。

私自身が本講座をみつけたのは、本年3月「広報しゅうなん」(月1回 周南市より発行、市の施策や情報を伝えている) 内の情報ひろばページ。受講生募集を知り、申し込みました。
4月は、開講日より3回の講座を終えました。
誰もが個々に、性格、背景 (環境)、やりたいこと、やりたくないこと、得意、不得意など、さまざまな中で共存して暮らしています。意志や想いが届けられるように、受けとれるように、手話を、どんな場面でも駆けつけれる自分づくりを、取り組んでいく思いです。

「広報しゅうなん」では、毎月1用語、写真と説明付きで手話が紹介されています。毎月1用語ずつ覚えることも、今すぐ始められる方法かもしれません。

「広報しゅうなん」は、周南市ホームページより音訳 (音声化) で聞くこともできます。


※本記事の内容は、執筆時点(2023年4月)のものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?