世界大会への挑戦 ケーキデザイナー編 #12 / FIPGC Cake Designers World Championship 2023
苺のジュレ
本作のバターケーキにとって、「苺」は主役と言っても過言ではありません。
この華やかな独特の甘みと酸味を、大多数の人が好ましく思っているはず(私感)ですし、嫌いな人こそ稀でしょう。
バターケーキでは、2種のスポンジ生地の上にそれぞれ乗るようなカタチで「苺のジュレ」入れてます↓
以前は上半分の一層のみに分厚いジュレを入れてましたが、
全体を一緒に食べた時に、甘い苺の塊がいきなり口の中で溢れて心地よくなかったですし、
逆にアフターで苺の味わいがすぐに消えてしまうので、全体的に味のバランスもよろしくありませんでした。
そこでジュレの厚さを半分にしつつ上下それぞれに当て込むことで、
苺味の強さはほとんど変えず、かつ塊を食べるような不快感のない繊細な口当たりを表現。
どこからどのように食べても味全体がまとまるような現在のような構成に組み立てたわけです。
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3つのポイント
苺のジュレは以下の点を踏まえて作ってます。
フレッシュな果実感
華やかな香り
バタークリームや他のパーツとのバランスを保った質感
まず、「フレッシュな果実感」ですがこれは苺をそのまま食べたような口当たりのことです。
ピューレだけでなく苺そのまま用いることで、果肉の歯応えや種の粒々感が味わいに広がりをもたらしてくれます。
2つ目の「華やかな香り」は「お酒」と「ライム表皮」。
苺だけでは残念(?)ながら圧倒的な香りを生み出すのは難しいと思いますので、
お酒による揮発性の力をお借りしてます。
(※使用するお酒は素材に合わせた「苺のリキュール」)
そこにライムの表皮をプラス、爽やかな風味を底上げします。
3つ目の「バランス」についてですが、
実は今回用いた「苺のジュレ」は「瑞々しいゼリー」といったものではなく、どちらかというと「とろりとしたジャム」に近いです。
これには理由があってジュレが水分多めの質感だと、濃厚な口当たりのバタークリームや弾力のあるスポンジ生地との相性がちぐはぐで、まとまりのない味わいに感じたんです。
そこで今回作った苺のジュレには、直接苺のジャムを混ぜ込み、少しねっとりとした状態に仕立てました。
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