SS【夢トンネル】
ある人が言った。
夢に向かって走る道はトンネルみたいなものだなって。
その人がなぜトンネルと表現したかというとね、トンネルは暗い。
ゴールだって決まっている。
人によって長さも明るさも違うトンネルをそれぞれの車(肉体)で走り抜ける。
燃料が切れて車を降りようとする人。
壁に衝突して動けなくなる人。
ライトが暗くて前がよく見えないから、ゆっくり走る人。
でもね、トンネルの中を走っているのは君だけ。
周囲にたくさんの人が走っていたとしても、そのトンネルの中には君一人しかいない。
君の車で走る、君専用のトンネルだから。
孤独で肌寒くて薄暗いトンネルの中を、限られた時間の中、光を求めて走り続ける。
だからその人は言ったんだ。
夢に向かって走る道はトンネルみたいなものだなって。
ぼくは思うよ。
君がその道を選んだのなら、自分を信じて進むしかないんだ。
君がその気になれば、もっと先まで照らせるし、もっと進むこともできる。
まだ時間はある。
さあ、車のエンジンをかけようか。
夢に向かって走るトンネルの入り口は、君自身が探し出すのだから。
終
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