マガジンのカバー画像

140字小説

451
削って削って、磨いて磨いて仕上げた140字小説です。
運営しているクリエイター

#創作

140字小説【夫の好きな種】

私たちの家には小さな裏庭がある。私は食いしん坊な夫の食費を少しでも抑えるため、家庭菜園を…

こし・いたお
3週間前
4

140字小説【種を蒔いた妻】

妻と神社でお祈りをした。「芽が出ますように…」作家としての活躍を祈願した僕は、帰るといつ…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【おいしくなーれ】

息苦しさで目覚めた。私は安さに釣られ怪しい美肌エステサロンにやってきた。裸で黒いシーツの…

こし・いたお
1か月前
4

140字小説【過去から届いたメッセージ】

自暴自棄になった私は腕のいい殺し屋に仕事を依頼した。苦しませずにターゲットを消すという噂…

こし・いたお
1か月前
3

140字小説【ウチにも居た】

僕はハエトリソウを衝動買いした。貝殻のような葉を素早く閉じて獲物を捕獲する。妻に見せると…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【高価な虫よけスプレー】

私はキャンプが大好き。でも虫が嫌いな私は虫よけスプレーが欠かせない。週末、私は親友とキャ…

こし・いたお
1か月前
1

140字小説【もう始まっていた喧嘩祭り】

僕はお祭り会場行きのバスを待っていた。あと数分でバスが来るのに男二人が掴み合いの喧嘩を始めた。僕が一人を、もう一人をガタイのいい青年がおさえてくれた。「離せ!」と興奮する男を宥めているとバスがきた。バスは一杯で乗れるのは一人。青年は僕にウインクすると素早く乗り込み扉は閉まった…

140字小説【頭の固い男】

「探したよ!どこ行ってたの?」「待ち合わせ場所が逃げてしまって…」「意味不明なこと言わな…

こし・いたお
1か月前
4

140字小説【ずっと気になっていた…】

何を伝えたいか分からない文章は読み手にストレスを与える。だから僕は必ず最初に結論を書く。…

こし・いたお
1か月前
1

140字小説【探さないで下さい】

「探さないで下さい」僕はそう書き置きして家を出た。昨夜、5歳の娘に見られてしまったからだ…

こし・いたお
1か月前
2

140字小説【運び屋】

俺は事故に遭ったらしい。奇跡的に命をとりとめた俺は、見覚えのない女と生活を始めた。俺はそ…

こし・いたお
1か月前
1

140字小説【訳あり】

一人暮らしを始めた私。友人には敷金礼金がないのは訳ありだからと止められた。でも気にせず入…

こし・いたお
1か月前
1

140字小説【浅はかな男たち】

早朝からひったくりを目撃した僕。徒歩での通勤途中、前を歩く女の持つ袋を、後からきた男が奪…

こし・いたお
1か月前
3

140字小説【平和の代償】

戦争の続く殺伐とした世界に嫌気の差した僕は神に嘆願した。平和な村で永遠に年をとらずに暮らしたいと。お陰で争いとは無縁の環境に身を置くことができた。いつも同じ道を歩き、村を訪れる旅人に話しかけられると同じ台詞を返した。村から出ることも叶わない。神はゲームクリエイターと呼ばれていた。