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140字小説【探さないで下さい】

「探さないで下さい」僕はそう書き置きして家を出た。昨夜、5歳の娘に見られてしまったからだ。「ねーねーママ、パパがね、こうして紙を中指と薬指の間に挟んでから、クルッと曲げて数えてたよ」娘の報告を聞いた妻は目を輝かせた。帰宅したぼくの目に映ったのは、へそくりを見つけて喜ぶ妻の顔……。

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