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【短歌】ただしいからね


連作 『 ただしいからね 』

生きていて良かったみたいな日々だけどそうじゃなくても正しいからね

水やりに加減があると知らなくて知らないことが多くてうれしい

透き通るなみだの屈折迷いなく新種の誕生石を発掘

冥福の意味を知らない ドーナツの穴はブラックホール 信じる

最初からうまくできても嘘ついてうまくできないふりしてもいい

鳥が鳴くちいさく死にゆく人間を眺めてうわさ話をしてる

花図鑑載ってたまるかまず花に分類できることが悔しい

満月はもうこないって!ほどほどを許してくれるムーンサイクル

溶けてだした太陽目指し着くころはわたし誰かの芸術になる

てのひらの生命線の五センチ差 あいをするって簡単じゃない

なんで「る」の小文字はないのなんでってあなたが地上で決めたことだよ

完遂も美しいからわたあめは飾らなくても誇らしい白

できるだけきれいなかたちを遺すため牛乳を飲むルーティンのあさ

くり抜いたクッキー生地が笑ってるあまりものにも顔をつけてね


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