見出し画像

〜 ネックストラップ 〜







物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 ネックストラップ 〜

一緒にいる事は、すごく幸せだし嬉しい
ただ隣にいるだけでいいって思う私もいるのは認めよう
だが!今日は、久しぶりのお泊り旅行
いつもと違う場所で、いつもと違う雰囲気でまったりする日
それなのに、ホテルに着くなり携帯ゲームにかじりつく彼
『今からゲーム?』
『ログインボーナスだけもらいたくて、ごめん!』
『むぅ』
少し頬を膨らませ、彼の腰掛けるソファーから席を立つ
いや、まてよ?私の心が狭いのか?ログインボーナスは毎日連続しないともらえないらしいから、それだけもらうためにゲームを開いただけなのかもしれない
そう思って席を立ってから30分
ホテル内にある温泉へ行く準備も出来たし、明日の準備も万全、何ならお土産の整理も終えた私は、そわそわしながら横髪に『想い人』を付け、もう一度彼の横に腰を掛ける
·
『ログインボーナスだけって言ったのに』
『つい。ごめん!もうやめるから!』
私の頭の上に何か見えたのか、彼は急いでゲームを終了させ、携帯をテーブルへと置く
『ほら、もうやめた!ログインボーナス明日で全攻略出来るから、どうしても開けちゃった!ごめんな?もー。そんな怒んなよ』
『別に、怒ってないもん』
『そうだ、夕飯終わったらホテルのラウンジでも行かない?夜景がキレイらしいよ』
うっすら見え隠れする、私の頭から生える角を何とかなくそうと、あれやこれやと仕掛けてくる
と言っても本当にツノが生えてくるわけではないので、私のご機嫌伺いだ
『夜景かぁ』
せっかく旅行へ来たんだし、ケンカはしなくない
だけど、少し意地悪な私は考えるフリを続けることにした
·
『夜景見たくないの?キレイってHPにも載ってたよ』
『そうなんだ。いいなぁって思うけど、部屋でまったりもいいかなぁと』
『それじゃあ、いつもと一緒だろ。せっかく旅行に来たんだし、普段と違うことしようぜ』
『あ、それ言う?』
『まーだ言う?』
意地悪しすぎた私は引っ込みが付かなくなり、雰囲気は段々と険悪さを増してくる
攻撃的な話をが続きそうになるので、しばらく言葉を出すのを控える事にした私はTVを付け気分を変えにいく
画面の中から明るい笑い声だけが部屋に響き渡り、少し寂しさが漂う
ベッドの上で見るTVが遠い
ふと、先日TVで言っていた事を思い出した私は彼に問題を出す
『ねぇ?熱中症って10回言って?』
『え?なに?クイズ?』
『うん。こないだTVでやってたの、ほら早く!』
『えー?ったく、熱中症、熱中症、熱中症、熱中・・・』
10回言い終えたところで、すかさず問いかける
『そんなにしたいの?』
『は?なにが?』
『えぇ?自分で言っておいてー。分かんないか。じゃあ、もう少しゆっくり熱中症10回って言ってみて?』
『また?何だよー。熱中症、熱中症、ねっ』
『もっとゆっくり!』
渋々と、彼は私の言うとおりに熱中症をゆっくり言い始め10回終えようとした瞬間、すかさず今度は彼が私に問いかける
『そんなにしたい?』
『へ?』
きょとんとした私を、そのまま彼は押し倒し、優しい清潔感がある柔軟剤の香りを、私を充分に堪能させる
『俺が、その問題知らないとでも思った?』
『初めから知ってたの?!』
『もちろん』
『何それ!私ばかじゃん』
『はは。ごめん、俺が悪かった。許して?』
『もーいいよ。私も意地悪してごめん』
『いいよ。・・・ね、ちゅーしよ?』
熱いホットケーキに置かれたバターのように、固くなっていた気持ちがゆっくり溶かされていく
今度はゆっくり、お互いを確認し合う
くすっと笑い合えば、口元が思わずほころぶ
『夕飯食べに行こうか』
『夜景も見たいな?』
『結局見たいのかよ』
『まーだ言う?』
『はは。連れてってやるよ。お、ひ、め、さ、ま!』
『ばーか』
もう一度、ギュッと抱きしめて、お互いを感じた私達は、ゆっくり起き上がり夕飯のあるレストランへと足を運ぶ
もちろん携帯は置いてね
·

『はじめまして、いろいとです』へ戻る


読んで下さり、ありがとうございますm(_ _)m


コメントやスキもらえると嬉しいです♪励みになります♪頑張ります!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?