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〜 ツインリボン 〜




物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪


〜 ツインリボン 〜


『やだやだ!きょうはコレはいいの!』
『これ?たまには違うの付けてったら?こっちも可愛いよ?』
『いいの!!これが、いちばんかわいいの!!』
朝のルーティンが今日も賑やかに始まった
5歳になる娘は、最近オシャレにハマっている
幼稚園のお友達と毎日のように、リボンやハンカチ、靴下など『可愛い』を共有しているみたいだった
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窓から差し込む清々しい光が今日も良い天気だということを教えてくれる
『ほれほれ、ご用意が終わったら出発だよ♪』
小さな手をひいて玄関を勢いよく出た
眩しく輝くお日様が私達に『いってらっしゃい』とにっこり微笑んでくれた
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『おはよ』
『おはようございます!』
『おーはーよーござーます!』
園に入れば、子どもたちの元気な挨拶が飛び交っている
一日始まったなといつものルーティンを感じながら、我が子を見送った
『あっ!きょうもかわいいリボンだ♪わたしのもコレだよ♪』
『かわいいねぇ♪』
帰り際に聞こえたのは、仲良しのお友達とのファッションチェックの会話だった
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ピヨピヨ、チチチー、ピーヒョロリー
何とも言えない鳥の鳴き声の目覚まし音で、私はお昼寝から目が覚めた
軽く身なりを整えて娘を迎えに行ったのだった
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『ねぇ?ママ?とうきょうってとおいの?』
『東京?んーそうだなぁ、ここは神戸だからちょっと遠いね?どうしたの?・・・ねぇ?そろそろ寝よ?』
幼稚園の帰りに元気いっぱい公園で遊び、夕飯の支度をしている最中にうっかりお昼寝をさせてしまったが為に、いつもより遅い時間の就寝になっていた
と言っても、布団の中で話をしているのだが
『・・・あぁ、お引越しするって言ってたね。寂しくなるね』
『うん・・・またあえるかな?』
『うん。大丈夫会えるよ。ほら心配しないで今日は寝よう?』
『うーーん。・・・おやすみ』
もう眠かったのか、安心したからなのか、目を閉じたと思ったらスーっと寝息を立て寝てしまった
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いよいよお別れの日
いつものお気に入りのリボンは付けずに新しく買ったリボンを付けて行くと言う娘に、私は少しビックリしていた
少し前までは、お互いにお気に入りのリボンを付けてオシャレをして一緒に遊んでバイバイするって言ってたはずなのに・・・
『これでいいの?』
『うん!だいじょうぶ!!』
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お友達と一緒に遊べるのも今日が最後
明日には東京へ行ってしまう
思いっきり遊んで、また次に会える日までの思い出になるよう、親達は、朝から夜ご飯の時間まで堪能させてあげた
いよいよ本当のお別れの時間になった時
ポケットから何やら出してきた娘
『はい。これあげる』
お友達に渡したのは、自分のお気に入りの『ツインリボン』だった
『わたしもだよ!!』
そう言ってお友達もポケットから出したのは、お気に入りの『ツインリボン』
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親の私達は顔を見合わせ、ほっこりした気持ちになった
そして二人に優しく話しかけた
『二人共同じプレゼントだったね♪・・・じゃさ、今度会う時の約束って事で・・・片方ずつ取り替えっこしない?今度二人で会う時はコレを付けると二つが揃うじゃん?だから会う時にお互いに付けてこようよ♡』
『そうする!』
『かたっぽずつする!!』
『また会う時に付けようね♪』
『うん♪・・・じゃあまたね!』
『ばいばい!またねーーーーー!!!』
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元気よく別れたあの日から、そろそろ7年が経とうとしている
『やっほ!!久々♪げんき?』
『うん!!・・・今日もちゃんと持ってきてる?』
『もちろんだよ!』
『『せーのっ!!』』
二人のカバンには、あの時に交換した『ツインリボン』が今日も嬉しそうに輝いていた
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