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〜 星空の小夜曲(セレナーデ) 〜





物語のあるリボン作家『いろいと』です
私の作るリボンには1つずつ物語があります
手に取って下さった方が、楽しく笑顔で続きの物語を作っていけるよう心を込めて作っています
ストーリーは、一つではなくどんどん増えていくもの、これからのストーリーを作るのは、あなた
あなただけのストーリーを楽しんで行って下さい♡
こちらでは、リボンの物語を紹介しています楽しんでもらえたら嬉しいです♪



ふと目に付くのは、あの子の笑顔
後ろからでも分かる君の笑顔に僕は惹きつけられる
カラカラ笑い、朗らかな温かい君の姿は、まるで太陽のようだ
いつも笑顔で僕の心を楽しく包んでくれるから
君は振り返り様、僕の姿を見つけ手を振り声を掛けてきた
『おはよ!』
『あ、おはよ』
『どうしたの?元気ないね?あ!さては、朝ごはん抜いてきた?』
『パン食べてきたよ。僕は君みたいに朝から牛丼は食べられないけどね』
『覚えててくれたんだ。はは。だってね?朝食べないと力出ないんだもん!今日はカレー食べてきたよ』
そう言ってキラキラした眩しい笑顔を、僕に向けながら下駄箱へと駆けていった

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机に肘をつき頬杖しながら、ボーッと窓の外を見る
午前中の授業は、まだいい
お昼を食べてからの授業は、お昼寝の妖精が眠り粉をかけているんじゃないか?と思うくらい眠い
出てくるあくびを、惜しげもなく豪快にする
うっかり、あくびをしながら伸びをしてしまい、先生に注意されるも僕は気にしない
なぜなら、僕の席の前にいる、机に突っ伏して眠る君にターゲットが向けられたから
君は、またカラカラ笑い『ごめんなさぁい♪』と、明るく謝り周りを和ませる
いつか『君の笑顔は素敵だよ』って伝えたいくらいだ

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放課後、日直だった僕は学級日誌を仕上げ、ついでに少し宿題を広げることにした
パラリとめくるノートの音が教室に響く
運動場から部活動の活気ある声と、隣の校舎で演奏している吹奏楽の音楽
絵に書いたような放課後すぎて、僕の耳を心地よくさせていた
機嫌良くペンを走らせていると、突然、廊下をバタバタ走る足音が近づいてきて、ガラっと勢いよく教室のドアが開かれた
『何してるの?』
声を掛けながら、体操服姿の君が窓際の僕の席へやってくる
『学級日誌と宿題』
『家でやればいいのに』
『今日は、今したい気分なんだよ。部活?』
『うん』
ガタンと音を立て、椅子の背もたれに両腕を付きながら僕を見る君
『ちょっと話したい』
俯きながら話す君は、走ってきたからか少し頬が紅く見えた
『僕も』
しかし改めて『話がしたい』と言うと上手く言葉が出ないものだ
普段ふざけている分、余計に

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廊下を大きな声で笑いながら歩く生徒達が通り過ぎたので、僕はつい言ってしまう
『君は、いつも笑ってて楽しそうだね』
不意に口にする僕は、何を言ってしまったんだと変な汗をかく
『え?』
目を丸くする君の瞳は、潤んだようにキラリと光り、僕の心をさらう
『いつも周りを明るく出来る君は、すごい』
『あ、ありがとう』
『君の笑ってる顔は可愛いよ。満面の笑みが僕にはすご・・・』
『すご?』
言ってしまって焦る僕は、清水の舞台から飛び降りる気持ちで最後まで話す
『満面の笑顔がすごく可愛くて、心に刺さるなぁ〜って』
『はは。ありがとう』
顔を紅くさせながら、満面の笑みをした君の顔は、再び僕の心に刺さる
『それって私は、どう受け取っていいの?』
『うーん。素直にありがとうでいいんじゃないか?』
『それだけ?』
『・・・君は、気になる人はいるの?』
『そうだなぁ・・・私の笑顔が可愛くて、心に刺さったって言ってくれてる人かな?』
頬を紅くする君にリードされながら、僕は満面の笑みを作り言葉にする
『付き合ってくれる?』
『うん。もちろん。だって教室にいるの見つけて飛んで来たんだよ?』
僕は目を丸くさせて君を見つめた
『ありがとう』
『飛んで来て良かった』
目が合う僕たちは、くすりと笑う
部活動の声と吹奏楽の演奏と、放課後の教室に、男女二人どれも絵に書いたまんまの世界観で、僕は余計に笑ってしまった

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