中山実津雄

創業安政5年。(株)いろはや 5代目店主。長崎県内にセレクトショップ3店舗。アパレルの…

中山実津雄

創業安政5年。(株)いろはや 5代目店主。長崎県内にセレクトショップ3店舗。アパレルの知見を活かしたギフトのセレクトショップ2店舗を経営。創業から変わらぬ想い。それはいつも「企業は人」。「明日仕事に早く行きたい」そう思える企業文化をベースに人を中心にした経営を目指しています。

最近の記事

「変わる」ということ#2

紳士服から婦人服への転換 時代の流れにより紳士服が売れなくなり、お店も次第に閑散としてきました。ちょうど私が小学校低学年の頃だったろうと思います。この小売業と言う仕事は仕入れて売る。つまり在庫が滞納するとお金が滞納する。 お金が回らないと言う状況が続きます その結果、運転資金が不足して借金が増える事態に陥りました。 さらに、運転資金は高い利息がつく上に、返済期限も厳しく、緊張の日々が続きました。当時の金銭の賃貸借契約書が見つかりました。1,000万円を借りて、年利

    • 「変わる」ということ#1

      先日、しまばらデザインアートラボで、古着ショップ“SPINS”の古着のイベントが開催されました。このイベントは、地域の若者が出店し、古着ショップを通じて学生に働くことの意義を伝えるものです。 そこで見つけたパッケージには、「買われるってムテキ」という素敵な言葉がありました。 (株)いろはやは、過去何度も時代に合わせて変容し、ここまで暖簾を守ってきました。戦後の足袋屋から始まり、着物の上に羽織るマントや洋傘を販売していたころもあります。 また、メリヤス肌着などの実用衣料を

      • いろはやが目指す未来の組織。

        働きやすさ×やりがい=働きがい 「いろはや」の理念の中に 「常に相手の成長を願い、『明日仕事に早く行きたい』そう思ってもらえるような企業文化を作る」 というフレーズがあります。 私たちは「常にみんなが成長できる場所でありたい」と考えています。私たちの目標は、みんなが仕事にワクワクして、明日も楽しく働きたいと思えるような企業文化を築くこと。一緒に働く仲間たちが自分自身の成長を感じ、やりがいを見つけられるような環境を提供することが、私たちの大切な価値観です。 近年働きやす

        • 新しく就職するあなたへ。

          最近は、高校や大学から「キャリア育成や働く意味」をテーマに講演をお願いされることがよくあります。20代の皆さんは、「お給料がいくらなのか」とか「休みがどれぐらいなのか」ということに関心が向いてしまうことが多いですよね。もちろん、それはとても大切なことですし、否定するものではありません。 ただし、私が感じることは、条件で採用された人々は必ずさらに良い条件を求めて退社してしまうことです。 給料が高い会社を選んだ人は、少しでも高給の方に流れていきますし、休みの多い会社を選んだ

        「変わる」ということ#2

          人がやめない組織作り#2

          人がやめていく。 かつていろはやは人が入っては人が辞めていく・・。そんな時期がありました。 僕の後輩でソニー生命ですごく出世した子にたまたま銭湯で一緒になったときに聴きました。 「どうしたら人が辞めないようになるのかな?」 そうすると彼は開口一番こう言いました。 「みつおさんそれは簡単なことですよ。やめないような人を採用することですよ。」 キツネにつつまれたような思い。 どういうことだろう?自問自答の日々が続きます。 僕は彼の言葉を何度も反芻しました。 やめない人を

          人がやめない組織作り#2

          人がやめない組織作り#1

          先日長崎県で人気のある飲食店を経営しておられる方の講演を聞く機会がありました。長崎県内で数々の飲食業態を経営しておられる会社オーナーの方のお話です。 人がいない!スタッフが辞めていく!どうする?社長!飲食店経営のその経営者は仕事に対する信念がありました。 「お客様に満足してほしい。ご来店いただいたお客様に素敵な時間を過ごしてほしい。」 そういう思いから一生懸命スタッフのことを指導していました。時には厳しい時も。 すると、その厳しさに耐えられず辞めていくスタッフが続出。現場

          人がやめない組織作り#1

          ファッションは未来を予測するビジネス。スマホからは見えない「エコとアートへの帰結」

          先月東京で行われたNEWENERGYという合同展にいってきました。 忙しい現代社会。ちょっとした隙間の時間もSNSが浸食してくる。今はとにかく時間がない。しかしスマホからえられる情報で本当のインプットが得られるでしょうか。 インプット。世の中の潮流を感じるのは小さなスマホからは得られません。スマホの小さい画面では感情が動かない。コロナ禍でズームなど新しいテクノロジーが登場しましたが、感情を揺らすためには物理的に時間をかけて出かけていくことがとても肝心だと感じます。 令和

          ファッションは未来を予測するビジネス。スマホからは見えない「エコとアートへの帰結」

          「学びを最適化せよ。」自己否定から始まるアンラーニング

          今回とある団体の会合で広島のほうに研修に行ってきました。2つの大きな学びがありました。 まずは取引先である佐賀県唐津市の平田さんのお話。 「今ここから始める人生の転換点」 平田さんはカーネーション農家。コロナ禍でお祝い需要が激減します。売上も80%ダウン。もうどうしようもない状況の中でもこれでもかこれでもかと挑戦を繰り広げて来られました。 いやがおうにも自分と向き合う時間。 「何のためにやっているのか」 「なんのためにこれから続けていくのか」突きつけられる疑問。 やり場

          「学びを最適化せよ。」自己否定から始まるアンラーニング

          学びを最適化せよ ローカルで進化し続けるために。

          先日NewsPicks主催の”New Are New city"と言う勉強会に行ってきました。スタートアップシティとして日本で躍進を続ける福岡市と今後の様々なAIの技術進化。ローカルxテクノロジーでどのような未来が描けるか?という勉強会でした。  登壇される方や参加される方が20代~30代ばかりでおじさん経営者はかなりの戸惑い。しかしいろいろな意見交換をさせていただきました。自分も経営者として若手だと思っていましたがいつのまにかいい中堅クラスの年齢になってしまったんだと否応

          学びを最適化せよ ローカルで進化し続けるために。

          「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」創業166年(株)いろはや先代社長のいいつたえ②

          これまでいろはや4代に渡る事業の挑戦と軌跡を見てきました。 前回から引き続き、(株)いろはやには先代社長が代々伝えてきた言い伝えを検証していきたいと思います。 「商売は大きくするな。大きくすると風船のように破裂して潰れてしまうぞ。」 これは3代目店主中山宇八がよく言っていた言葉でだそうです。 会社は社長以下スタッフが一丸となって弛まぬ努力をしていたら比較的強く耐性があるものです。つまり外的要因にはある程度耐えられる。「会社という組織は、外側から潰れるのではなく、内側か

          「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」創業166年(株)いろはや先代社長のいいつたえ②

          「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」創業166年(株)いろはや先代社長のいいつたえ①

          これまでいろはや4代に渡る事業の挑戦と軌跡を見てきました。 (株)いろはやには先代社長が代々伝えてきた言い伝えがたくさんあります。 それをご紹介していきたいと思います。 「水は常に流れるようにせよ」 これは3代目の中山宇八さんがよく言われていた言葉です。 島原は街のあちこちで湧水がわいています。 現在、いろはや(現在のいろはや本店)の近くに溝があります。島原の湧水が流れていて真夏でも冷たい水が流れています。 昔、いろはやの近くに料亭がありました。そこの料亭から流れ

          「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」創業166年(株)いろはや先代社長のいいつたえ①

          (株)いろはやの軌跡~成長期~

          その後定八郎さんの戦死の知らせをうけ、次男である中山富司男さんがいろはやの4代目後継者となりました。 当時長崎大学経済学部で寮長をしていた富司男さん。毎日寮長での業務と勉強に明け暮れて充実した日々をすごしていたそうです。 就職先は三菱商事に決まっていたのですが、定八郎さんの戦死を受けて3代目宇八さんは後継者として富司男さんを呼び戻します。当時は家父長制度で主(あるじ)のいう事は絶対。そういう時代だったんだろうと思います。4代目富司男さんは就職先にお詫びを入れて島原に帰郷し

          (株)いろはやの軌跡~成長期~

          (株)いろはやの軌跡~創業期~

          (株)いろはやは大正時代から昭和へと3代目中山宇八さんが経営を担っていました。幕末の動乱から時代も落ち着き日本の近代化への道にあわせて店も順調に発展していきました。 本店が位置する島原市堀町は島原城の城下町にあり島原半島中からたくさんの方がお買い物にきてくださりとても賑わい、いろはやも実用衣料を中心によく繁盛したそうです。 しかしながら時代の雲行きが早く怪しくなり、第2次世界大戦へと進みます。物資が不足して売るための商品がない。食料も配給制になり仕入が困難。商売自体ができ

          (株)いろはやの軌跡~創業期~

          はじめまして。5代目店主の中山実津雄です (株)いろはや~黎明期~

          はじめまして。中山実津雄です。株式会社いろはやの5代目の社長として、現在小売業中心に長崎県で事業を営んでおります。創業166年変わらないもの。それは「人」が会社の真ん中にあるという事。いつの時代も人が中心。人がブランド。この想いでこれまで。そしてこれからもやっていきたいと思います。 「明日仕事にはやくいきたい」そんな企業文化を大切にしたい。 いいスタッフがいるお店はたくさんあります。内装が立派な良いお店もたくさんあります。しかしいいチームのお店はそう多くありません。私たち

          はじめまして。5代目店主の中山実津雄です (株)いろはや~黎明期~