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随想(エッセイ)

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その時、浮かんだことを書いたもの
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#日記

外国語についてー最近、すこし考えが変わったこと

私の英語との付き合いは、長い。生まれて割とすぐに、日本からテキサスに引っ越して、数年住んでいた。赤ちゃんの頃のことは、記憶にないけれど、家族は日本人でも、外にいれば、ずっと英語が聞こえていたはずだ。覚えてはいないけれど、近所の子と遊んだりしていたというので、多少は、話していたようだ。 帰国後、ずっと大人になるまで日本で過ごしたけれど、常に、本や、習い事、中学校からは授業を通して、英語に触れていた。私は、言語が好きで、英語や、古語、漢文といった、普段使わない文字列を見ると、嬉

今年のアメリカ:新『南北せんそー』の話など

日本のSNSなど見ていると、ドルが崩壊するのを楽しみ待ってるポストなどがよくあって、なんだかなと、ずっと思ってる私ですが、先日、新『南北せんそー』になるのでは、と英語のSNSで、話題になっていました。1日だけの話で、みんな、別の話題に移ってしまいましたけれど。 20世紀にソ連という国があって、分割、分裂して、ロシアなどができたように、アメリカがなるのではという話、ここ10年以上ずっとありますよね。アメリカ、合衆国なので、詳しい手続きなどは分かりませんが、州は、連邦からの分離

色彩の効用: 癒しの色鉛筆

今年、友人のお子さんに影響されて、色鉛筆を使うようになった。人物画のスケッチも、色鉛筆ですることが多い。 24本セットが入っていた缶の中敷を取り除いて、30本くらいかな、持ち歩いている。色鉛筆といっても、会社によって、お値段も、硬さから、触感が、全然違う。定価一本5ドルのメーカーもあって、実は、お安くないけれど、長持ちするのは良い。 気がついたのだけれど、鉛筆で描いているより、色を使うせいか、癒し感がある。ストレスを感じた時などに、色鉛筆を取りし出して、なんでも良いから、

十人十色の深み

実は、私たちは、思うより、一人一人、かなり違った感覚を、持っているのではないかと、考えるようになった。ここでの『感覚』とは、感じ方とか受け止め方という、文化的や心理的な印象に関することではなく、5感と言われる感覚器が受け取って、それを処理する、一般的に、より身体的と考えられている機能のことである。感覚器官が受け取る情報は、個人によって、かなり違うのではないか。 たとえば、同じ青色を見たとしても、多少違って見えるだろうと言うのは、前提としてあるのだろう。けれど、実際、どれくら

『デビット・ホックニーについて』と、オンラインストア開設の報告

今日、先ごろ日本で開催の、デビット・ホックニー展のレビューを読んだ。色々、興味深いことが書かれていた。ホックニーといえば、必ず思い出すのが、ニューヨークで出会った先生二人。この二人、絵描きなのだが、とにかく、ものすごくホックニーが嫌い。授業中、生徒に名前も「聞きたくない」と怒ったり、延々と、何がダメかについて、話したり。何にしろ、同時代のアーティストが、ここまで情熱的に嫌うというのは、ホックニー本人と、彼の作品が、感情を掻き立てるということで、凄いことだ。退屈な作品を作ってな

『奴隷根性の唄』という詩

時に、思い返す、金子光晴の、『答辞に代えて、奴隷根性の唄』。 読んだことない方には、全文を、検索して読んで欲しいのだけれど、これは、最後の部分。 ここだけ、読めば、金子光晴は、どこか異国ににいる、鎖に繋がれた奴隷について、書いていると思う人がいるかもしれない。 私は、第2次世界大戦直後に発表されたこの詩は、わたしたち、にっぽん人の『奴隷根性』について、問おていると思っている。 鎖は、すでに切られているのに、自由に生きることを、ためらい、自らしない、できない。とくに、周

フルーツ蝿のトラウマ

妊娠中の母親の心理状態は、子供に影響を与えると、知られている。それに加えて、私は、長らく、親が妊娠以前に経験したことも、子供に影響があるのでは、と感じていた。 最近、こんな記事を読んだ。 フルーツ蝿を使ったアメリカの実験。 ざっと、説明すると、フルーツ蝿のメスは、ある種類の蜂(parasitoid wasps)に出会うと、蜂が幼虫を殺してしまうため、エタノール系の食べ物に卵を生むようになる。つまり、天敵との出会いというトラウマが、蝿の産卵時の行動を変えるのである。そして

『AI』って、何? 

少し前、グーグル社でAIの開発をしていた、『AIのゴッドファーダー』と言われているヒントン氏が、AIの危機を訴えるために、退社したというニュースがあった。 開発に関わったことを、後悔しているような報道もあり、原爆の開発に関わった、オッペンハイマー博士が、後程、後悔していると発言した話を、思い出した。 また、ツィッター社のイーロン・マスクなどが、ジェネラルAIの開発を、6ヶ月止めようと言う意見書を公開したというニュースもあった。 『AIが人類を滅ぼす可能性』があったり、あ

アメリカ生活: "Shrine" のこと

うちの近くでは、"Shrine"が、現れては消える。日本の神社も英語でShrineというが、ニューヨークの私の住む界隈で、Shrineは、ビルディング前の歩道に作られる弔い場所のことだ。 故人が出ると、住んでいたビルや、ゆかりの場所に、ガラスの入ったキャンドルが集められて、一日中、火がたかれることがある。花や生前の写真が一枚だったり、沢山だったり飾られ、メッセージが書き込まれる。 今も、家からすぐのところに、一つ大きなものができている。先月だったか、隣のビルにもできていた

他人という、世界、宇宙

『一人、一宇宙』、ツィッターで、誰かが言ってたのだけれど、好きな言葉だ。 今のところ、そのように考えて生きて、問題ないと思う。すぐ忘れるけど。 じゃぁ、私にとって『一人、一宇宙』という言葉とは: それぞれの人は、『自分』という宇宙である。つまり、それはそれは、大きく、深く、独自の歴史や特徴がある。それぞれに、物理的、精神的な原則も違っている。たとえば、地球では、引力は地面の向きに働いてるけど、それは、他の所に行けば、そうでもないかもしれない、という風に。 私自身も、ま

前に書いてたことを読むと、恥ずかしくなる話

2018年から、『メトロポリタン美術館に考えた』というブログに、主にメトロポリタン美術館、たまに他の美術館やギャラリーで見たアート作品について書いていた。2020年、ロックダウンの後、再オープンしたことなども投稿していたけれど、その後、2021年には、入館できなくなり、投稿しないまま、今年になった。 今までは、自分でホストしてたけれど、それはやめることにして、新しく作ったFC2に、移す作業を行なっている。 パンデミックの間、物の考え方が、ものすごく変わったのは、自分でも気

くずれゆく経済の気配と、私の髪の毛

銀行が潰れたりして、不穏な雰囲気漂うアメリカ。日本でも報道されてるとは思うけど、インフレがすごい。ニューヨーク市も、かなりきてる。 ただ、インフレと言っても、どういうわけか、アメリカの物価について、日本での情報は、大袈裟すぎるものがある。例えば、ツィッターで、卵がアメリカで二千円と見たけど、ニューヨークで、そこまでは、見たことない。高くても、12個10ドル(有機)というところ。私が買ってるのは、有機で、6、7ドルまで。 日本の情報は、当てにならないのも、あるけれど、ニュー

アーティストになる

5年ほど前、中国系アメリカ人で、『ミスターウォン』と、私たちが呼んでいたアーティストの、水彩画のクラスをとった。当時、ミスターウォンは、90歳近くで、パンデミックの前の年に、なくなった。 私は、水曜日の夜の、モデルを水彩で描くクラスにいたのだが、ミスターウォンは、月1回20分のデモ(みんなの前で、モデルを描くのを見せる)をする以外、だいたい、座って、自分のスケッチブックにモデルを、筆ペンで描いているか、お気に入りの生徒と話してるだけ。私は、「先生、サボってる〜」と、一人で怒

優しいAI

今日、SNSにあがっていたビデオで、日本の有名文化人らしき人たちが、非人間的というか、とても、残酷な発言をしていて、いつものことであっても、改めてびっくりした。もちろん、煽ったり、注目を集めるために、驚かす発言かもしれないのが、見ていて気分が、悪くなってしまった。 それで、ちょっと思った。 もし、AIが人間的な感情を覚えるようになって、人やお互いに対して思いやりを持つようになったら、人間が、他の人の気持ちがわからなく、残酷だと、立場逆転で、人間の方が、冷血なんてことになる