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男女の役割?差別と区別。できる人ができることを〜男女共同参画フォーラム

昨日、北九州市小倉南区の曽根市民センターにて
『小倉南区男女共同参画フォーム in 曽根』にお招きいただき、お話をさせていただきました。


とっても素晴らしい会場で、感銘を受けました!!

『あまり人数が集まっていません』と謙遜気味の主催の皆さんでしたが、途中経過を聞くにつれ、みるみる参加者が増えていきました(笑)

この『男女共同参画地域フォーラム』は、北九州市各区の女性団体連絡会議の皆さまが主催されており、小倉南区では、毎年3ブロックずつに分かれて、主催地域の輪番で開催されております。

ぼくも他の区を含めて、何度かお呼びいただいきました。

今回は、曽根校区という事で、主催のキーパーソンとなった実力派の市民センター館長さんが、多くの方に声をかけてくださって、どんどん来場者が集まったようです。
聞くところによると、「イケメンで話の面白い講師が来る」というデマを撒いたそうです(笑)
もちろん、主催校区の自治会やまち協の皆さんのご活躍もあったと思います。

準備していたイスでは足りず、後方にどんどんつぎ足しておられました。

主催の松尾会長のご挨拶からスタート!

その後、小倉南区長や、市全体の自治連合会長を務めてらっしゃる校区会長のご挨拶をいただきました。

こんなとても素晴らしい、盛大で華やかなフォーラムにお招きいただき、とても光栄です。

ということで、講演会のスタートです!
久しぶりに、ぼくの喋りだけの『講演形式』です。

『男女共同参画』という大きなテーマをいただいておりまして、その入り口として、『災害に強いまちづくり』のご依頼をいただいております。

ご来賓の区長や自治会長さんがおっしゃられておりました。
意思決定過程における男女比の参画率。
地域活動における男性、女性の活躍。
そうしたテーマが重要であり、災害というテーマに鑑みると、日頃の課題が一気に表面化するものです。
災害が起きてから、男女の参画なんて言っていては、対応できません。
日頃のテーマでもあります。


ということで、早速、災害や気象の話からスタートしました。
毎年、豪雨災害が各地で報道されており、雨量などの記録更新や、甚大は被害は後を絶ちません。
見つめて、省みて、それを考察して、とする暇もないほど、次々と災害が発生します。
今年も山形での大雨特別警報の発表。警察官の方が流されるという痛ましい災害を見つめています。
不運が重なった悪い気象状態。こんな解説もさせていただきました。

さて、北九州ではどうだったでしょうか?
今年の雨は、特に逸れてくれています。
場所によっては、「とても降った」という人もいるだろうし、「全然降ってない」という人もいると思います。

「大雨は馬の背を分ける」と言われています。
場所によって全然違います。
そこで、この日付、この豪雨を覚えているでしょうか?

これには、ぼくもレーダーを見て、腰を抜かしそうでした。
目と鼻の先、下関で記録的短時間大雨情報、1時間100mmを記録しています。とんでもない雨量です。
全て報道されているわけではないと思いますが、ニュースでもその被害をいくつか拝見しました。

「冷たい」と習っていた日本海の水温は、どんどん高くなっており、目の前の海から湧いてきた雲で大雨が降りました。
こんな神出鬼没な雲は、ぼくは初めて見ました。


それとこの殺人級の暑さ。

毎日、熱中症警戒アラートが発令されております。
もう慣れ過ぎてしまって、警戒を怠りそうです。
高齢な方が多く参加してくださっていたので、時間をとってお話させていだきました。

水分補給はもちろんのこと、塩分の補給が重要なこと。
暑さの状況が変わっていってしまっているということ。

お話を展開するのも、前日にこの記事を書いていましたので、整理がついておりました。


地域特性の話題に移ります。
この曽根校区は、小倉南区の東側に位置しており、海側には曽根干潟があり、海に面しています。
怖い災害特性としては、『高潮』があげられます。
高潮のメカニズムやコースによって、特に備えなければならない状況についてお話させていただきました。

災害が迫るとき、命を守るのは、『共助』による声掛けがとても大きいと言われています。
例えば、避難行動するにあたっても、自分ひとりでは腰が重いところ、みんなで声を掛け合えば、行動に移すことができます。

そんな、「災いを防ぐ」防災にあって、
男性か?女性か?ということになると、どちらも活躍していただけるテーマです。

特に、地域のなかで、女性のコミュニティのチカラは大きく、声をかけ合って、お互いを思い合って、繋がりをつくっていく要素が多分にあると思います。

災害を見つめる『色』のお話を挟んだ後に、
色の話題からジェンダーのお話へと繋がっていきます。

ランドセルの色選びの話題から、現代のジェンダーにおける『自分らしさ』の話題です。

ひと昔前では、男の子は黒のランドセル。女の子は赤というように、もう規範として決められていたような感じがします。

現代では、好きな色を選んで良いよというような風潮ですよね。
女の子でも濃い目の色が人気になってきています。

ピカピカの1年生の男女兼用の帽子のことや
中学生の統一服の話題など、
無理に、性を押し付けない流れになっているという話題です。

男らしく、女らしく。
そういうことは言わないで、
誰しもが『自分らしく』ということが大切です。

お互いを尊重して、その人のことを受入れてあげる。
包み込んで認めてあげる。そんな包容力のある社会へとなっていきたいですね。

とは言え、身体上などで明確になるように、性の差というのはあります。
何でも平等、何でも公平というのは、逆に差別を生むことだってあります。

差別と区別というのは別のことだと思います。

また、染み着いた文化を無理に曲げようとするのもツライものがあります。
人の心とはそういうものです。

「男になれ!がんばれ!!」と鼓舞されて、イヤな人も世の中にいると思いますが、それでモチベーションが上がる人もいます。
その人、その人に応じたコミュニケーションのありようがあって良いものと思います。

いずれにしても、お互いを知ること、認め合えること、が重要なんでしょうね。


後のアンケ―トを見ても、このお話を取り上げてくださっている方が多かったです。
『多様性』の時代にあって、一歩違えば、どうでも良い、無関心という傾向にあることを危惧します。

ひと昔前は、多数派のマジョリティから見て、異質なマイノリティについて、知ろう、理解しようというアプローチがあったと思います。
今では、マジョリティもマイノリティもありません。集団の形成をせず、それぞれがオンリーワンの花だということです。
みんな色とりどりの花なのに、多彩であるがゆえ、どうでも良い、無関心となってしまいます。

また、ありのままに生きて良い世の中にあって、モラルを大切にしてきた日本社会からは、落胆するようなことがあります。何でもアリではないですよね。
他人に不都合が生じても、自分のしたいようにして良いわけではありません。自分の感性を認めてあげれるように、他人の感性も認めてあげたいです。
誰しもが暮らしやすく、気持ち良く、暮らしていける世の中でありたいですよね。


災害時や防災の活動において、男女の役割は?という話題になりがちです。
男性は力仕事、女性は炊事など、
性の差で役割を押し付けられてしまうことがあります。

いやいや、そうではないです。
できる人ができることをすれば良いんです。

もっと言えば、地域でいつもご活躍の食進さんの皆さんは、いわゆる「おばちゃん」の皆さん。災害時も炊き出しなんてしていただけたら、その能力を存分に発揮していただけるのだろうと思います。
皆さんの活躍の場です。

でも、「女性に押し付けない」というだけで、その役割を取り上げてしまったら、活躍できません。不得意な作業に回されてもイヤでしょう。

できる人が、できることを。

逆に、苦手なことや不得意なことは、誰かに頼ると良いのだろうと思います。
できないことは補い合って、楽しいことは分かち合って、進んでいけたらと思います。

災害は、日常の課題が表面化します。
こうしたそれぞれの長所を活かせる地域であることや、それぞれの気持ちを理解しているには、日頃からの繋がりが重要になっていきます。


災害にだけ強いまちづくりなんてできません。
災害"にも"強いまちづくりを実現していきたいですね。

老若男女、色んな方が繋がりあい、関わりあう地域づくり。
そんなまちが、災害にも強いまちであると思います。

1時間強のぼくから一方的な講演形式でしたが、皆さんの視線はこちらに向いていて、しっかり耳を傾けていただいていたように思います。
どうもありがとうございました。



貴重な時間のなか、この記事をご覧くださってありがとうございます。



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