飯を食うって話

とあるミュージシャンが
「音楽で飯食っていけんのか」って言われたという言葉に反応していて。
この質問に模範解答なんてないよなぁと思って見ていたけど、なにか引っ掛かってしまった。

自殺者、過労死、ブラック企業。
そんな言葉がたくさん聞こえてきてはいるものの、その多くは大企業で。
ほんとうにヤバいのは、地方に多い中小でもない零細あたりなんじないかな、と思っている。

「地方で音楽やるのは難しい」
これはまた違うミュージシャンが言っていた言葉なんだけど。

極端な話、
実家暮らしで「音楽が第一!」とかなんとか理由つけて、フリーターやって、お昼はラーメン食べましたー!っていうTwitterあげるようなバンドマンが、いつかは音楽だけで飯食っていきたいって言っていたとして。同世代の残業何十時間もして、心身のバランスなんとか保っている人が共感できるのって、よーっぽどすごく良い歌じゃないと無理だと思うんだよね。
「ゆっくり飯食える時間あっていいなぁ」って逆にバンドマンのほうが何倍も幸せに見えるし、社会人の飲み会なんて苦痛を伴うのに、バンドマンはシンプルに楽しそう。

バンドマンとサラリーマンのリア充っぷりが、昔と見事に逆転している今だから、
好きなことだけをやって食っていく
っていうことをほんとうに実現できるのは、才能の塊をうまく生かせた一握りの人だけなんじゃないかな。そこに飛び込むってすごい覚悟。

「モノを売るためには共感してもらうこと」
「モノを売るためには人を好きになってもらえ」
ってよく営業で聞く言葉。

実際のところ、「共感」と「好き」が集まったお客さんは、まさにミュージシャンをうつす鏡なんだと実感します。質も量もね。
同じようなことをしている仲間と、バーチャル色恋な女性または男性だけのお客さんがフロアの大多数を占めるのであれば、いろいろまわりを見たほうがいい、まじで。

共感って、いろんなものに対する価値観が剥離していたら生まれないものなんじゃないかな。
だからといって媚びる必要もないんだけどね。

音楽だけで飯食っていってほしいけどね。
売れなきゃ食えないし。
音楽に耳を傾けられる社会になってほしいものだなって思ってるし。

あー、お腹すいたな。