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アイルランドでうんざりすること

世界中のどこにも楽園はありません。その国なりの問題点を抱えています。

そんなわけで今月はVACILANDOメンバーがそれぞれの国の、うんざりしたことをシリーズ化で投稿しています。

海外在住者マガジンVACILANDOはこちら。

筆がすごく進み、あっという間に書けてしまいました🤣


①天気

やっぱりこれはうんざりします。雨が多い。曇りが多い。さらに風が強い。

傘をさしていても、風が強く雨が横から吹きつけるため、傘の意味がありません。そのため傘をだんだん使わなくなり、ウォータープルーフのジャケットを着て出かけることが多くなります。

しかも一日中雨ではなく、急に降り出すことも多いので、なかなか外出時の服装に困ります。

天気予報で多いのは、晴れ、雨、曇りの混合マーク。アイルランドの天気予報士は、とりあえずこのマークを提示すれば良いので、簡単な仕事だと言われております。笑

さらに悪い天気の結果、野菜果物はほぼ輸入に頼っており、葉物野菜など特においしくない。(根菜はおいしい。)

しかし私はアイルランドの涼しい夏が大好きなので、まあ文句ばかりというわけではないのですが。

②ローテク

日本に比べると、生活のあらゆるところでローテクっぷりが凄まじいです。

交通系電子マネー

私がアイルランドに来た2012年頃、日本では既に交通系ICは整備されていましたが、アイルランドではまだ導入したばかりで利用者があまりいませんでした。

Suica導入が2001年、アイルランドで同様の交通系電子マネーのLeap cardは2011年導入。単純比較して、交通インフラ整備が10年遅れていることになります。

それまでバスは現金しか受け付けず、さらにお釣りがその場で出ないシステム。

1.5ユーロの運賃で、2ユーロ硬貨しか持っていない場合、2ユーロを支払い、50セントのリファンドペーパー(お釣りレシート)が発行されます。これを市街地にあるバスオフィスに持っていくとお釣りが現金化されるシステム。

50セントのためにわざわざバスオフィス行かないわ。

たくさんお釣りレシートを集めて、現金化しに行く人もいますが、なかなかそんなに人は暇じゃないです。いやー、すごいシステムでした。

オンライン予約システム

コロナのおかげで、アイルランドの悪名高き移民局もついにオンライン予約システムを導入して、普通の時間予約ができるようになりました。

しかし数年前までは、移民局で外国人登録を行い、外国人居住カードを発行してもらうのに、早朝から数時間行列で待つ必要がありました。早朝から行列に並び、番号の書かれた整理券をもらい、番号順に呼ばれるのを待つ。。

せめて呼ばれる時間がわかれば、待ち時間を有効に使えるのに、ただの番号。
せめてオンラインで今何番まで呼ばれてるとかわかれば離席できるんだけど。効率って言葉知ってるのかな。移民の時間なんて無価値なのでしょうか。

と、なぜかやたらネガティブになってしまう移民局での行列待ちの時間。

整理券を販売する並び屋も出てきて、最高にカオスでした。

小学校入学のためにも並ぶ

私が衝撃的だったのが、希望の小学校に通うために、「子供が生まれた年」に小学校への入学申請を行うこと。

アイルランドでは日本のような学区制はなく、自分の好きな小学校へ行くことができます。ただしもちろん人気の小学校の入学は高倍率となってしまいます。

この入学申請は、早い者勝ちで、現地にて書類を提出する形で行われる。つまり行列。小学校入学を行列にて勝ち取るのですよ!!

生まれたばかりの乳児を抱える父親が、朝3時から小学校に並んで、5年後の小学校入学の申請を行うって、異常の極み。

大の大人が、iPhoneやドラクエの発売日並みに並ぶんだよ。希望の小学校に入るために!

日本人は効率的な思考を持っていて、手際がいいと思う。アイルランド人は、あまり効率とか考えない。考えられない。

ついに数年前に法律が施行され、入学申請は小学校入学の1年前からしか行えなくなった。そしてオンライン申請の学校がほとんどになってきて、このカオスは沈静化してきている。

このカオスはアイルランドを象徴する非効率、衝動的なシステムだと思うので、洗練されたシステムに置き換わったことは、実用的側面からとても嬉しいのだが、なんだか少し寂しい気持ちも。。

③不動産関連

大工仕事

家を建てる時、改修する時の、完成予定スケジュールとは虚偽表示。

6月完成と言いながらクリスマスに完成していないとかザラ。

ほんとね、困るんですよ。
特に大型改修の時など、仮住まいを賃貸するわけで、その期間の賃貸契約を結ばなければいけないわけで。賃貸は後述するように、簡単なものではないので。

日々の工事進捗にしても、水曜日に来るよ!って言うから家に待機しているのに現れない。近くに寄ったからついでに工事するよと、アポ無しで訪ねてくる。今はまだ在宅勤務だから良いけど、オフィス勤務時代は苦痛以外の何者でもありませんでした。

建築業者は殿様商売すぎてコントロール不可、(期待する)コミュニケーション不可。
しかしアイルランド人の旦那は特にストレスを感じることもなく、適当に受け流している。やはり日本人である私の要求水準が高いんでしょうね。

アイルランドに住む方は、建築業者のスケジュールに6ヶ月ほど余裕を見て、自分のスケジュールを立てましょう!

賃貸事情

ヨーロッパあるあるですが、住宅を借りることが非常に難しいです。

アイルランドの住宅不足の原因は、景観保持のため古い市街地を取り壊さないから。
昔からある美しい赤煉瓦造りの家を取り壊さず、中だけリノベして住むのがアイルランドの住宅。

新築は郊外にあるので、一般的には歴史ある古い住宅の方が人気がある。
しかし中をリノベしたところで、許容人数が劇的に増えるわけはなく、近代の人口増加に対応しきれなくなってきているのです。

そんな状態なので、賃貸情報が出ると見学者がワーっと押し寄せます。

独り身の場合、特に学生や若い社会人などは一軒家を他の人とシェアするシェアハウスが多いので、先に住んでいる住人の面談を受けます。一緒に住んで楽しい人なのか、面接が行われるのです。ジョブハントよりも辛いハウスハント(個人的な意見)。

私もシェアハウスに憧れがあったので、移住当初は何軒か住みました。しかし日本人の生活スタンダードは高いので、家の掃除、パーティの頻度など、なかなかあう人っていません。更に住宅に住む決定権を持つのは借主である私ではなく、先住民。あー、思い出すだけでも吐き気が。

数年シェアハウス経験を積んだ後、懲りて一人暮らしに戻りました。
しかし一人暮らしの家探しも、今度は大家による面接があります。基本、日本人は静かで清潔なので好かれるんですけどね。ただアイルランドはシャワーだけでお風呂がついていないマンションも多いので、お風呂がついている賃貸物件を探すのに苦労しました。

そして私は今、持ち家ができて心から感謝しています。あのハウスハントの日々が、いかに暗く希望の持てないものであったか…

日頃ネガティブなだけの記事は書かまいと思ってるのですが、なかなかウンザリすることのブログもいいですね。そして一気に書けたし、なんだかスッキリしました笑。

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