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#453 本当に大切なことに「刺激」はいらないというお話

 「マーケティング」という言葉があります。日本マーケティング協会は、その言葉の定義を「顧客や社会と共に価値を創造し、その価値を広く浸透させることによって、ステークホルダーとの関係性を醸成し、より豊かで持続可能な社会を実現するための構想でありプロセス」としています。つまりそれは「顧客の欲求と満足を探り、創造し、伝え、提供することにより、その成果として利益を得ること」だと言えるでしょう。

 時代の流れと共に起業家が増え、またその人たちが提供する商品やサービスがSNSなどで大量に拡散される時代。私も個人事業主の端くれとして、マーケティングの難しさに日々直面しています。

 
 自分の商品を世に認知してもらう中で、「顧客のニーズ」を理解することは大切だと言われています。それは相手の欲求が、自分の商品を「買う」大きな理由になるからです。一方、相手のニーズに合わせすぎると、起業家としての理念がブレることもある。

 『若者の社会運動、注目されると「実力不足を感じる」教育、地域おこし…アクションする大学生の本音』という記事の中では、若者が起業や社会活動を起こすと、世間はその活動内容よりも、その「若さ」に注目することを指摘。そんな中、若者側はその「若さ」を強調するようなマーケティングをするのだけれど、結局、そこには自己矛盾が起こる彼らの葛藤が書かれています。

 こう見せたら取り上げられやすくなるだろうな」の中に「若者っぽさ」を取り入れて考えることもあります。本来は、プログラムの「本質」を訴えるべきだけど、甘えの行動をしている自覚があります。見せ方という点で、いま悩んでいることがあります。高校生の時、教育格差の解消を訴えた学生団体を立ち上げ、複数のメディアに取り上げられて「よいしょ」され続けました。「高校生なのにすごいね」と言われて気持ちよくなってしまったんです。その結果、メディアでみせる「外枠」の部分と、自分が団体立ち上げ当初に考えていたこととの整理がつかなくなってしまいました。最近になって、ようやく少しずつ大切にしたいものが戻ってきた感覚はありますが、もう一度心の整理をしないといけないと思っています。

 今私たちが生きる社会ではわかりやすい「記号」が強調される。社会の中で価値あるとされる「記号」を押し出すことで、逆に私たち自身が、その記号に縛られて生きてしまうのです。

 そんな時、フランス人の飛行士・小説家であるアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリの小説『星の王子さま』(原題:Le Petit Prince)の中で出てくる、「大切なものは、目に見えない (Le plus important est invisible)」と言う言葉を思い出します。

 『バズり要素なしで再生7億回 炎上に耐え、格差のない教育を 授業動画で生徒に寄り添う』という記事の中では、教育ユーチューバーで知られる葉一(はいち)氏が特集されています。

 「教育という普遍的なことをやるのに、流行やトレンドはあまり意識しない」と葉一さん。オープニングに派手なタイトルコールもなく、テロップや効果音もあえて使わないシンプルな構成。急激に注目され拡散する、いわゆる「バズり」の要素は皆無と言っていい。

という記事の言葉に私自身の事業のあり方に改めて目を向けさせられる。自分のコンテンツをどう発信していくべきか。まだまだ試行錯誤が必要です。


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