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#377 通知表の教育的効果とは?

 学びを効率的にまた効果的に行う際、インプット・アウトプット・フィードバック・見直しの4つのプロセスが大事だと言われています。

 フィードバックとは知識(インプット)を出力(アウトプット)した結果、どれだけ正しくインプットがなされているかを検証することで、見直しとはその検証を元に新たにどんなインプットをすれば良いかの戦略を立てることです。

 定期考査はしばしば「結果」にのみ焦点が当たりがちですが、本来テストは学習プロセスの1つとして機能するものです。テストはアウトプット活動であり、その活動から得た情報をもとに新たな学びを得るための手段に過ぎません。だからこそ、その結果(点数)よりも、どこをどのように改善するべきなのかというデータ収集の方が圧倒的に大事だと言えます。

 東京都新宿区立西新宿小学校で、長井満敏校長の「できる・できないということではなく、それぞれの個性に目を向けていきたい」という理念の元、通知表の廃止に踏み切ったという記事を見つけました。

 小学校の通知表は、学業評価の始まり。私たちは小学校1年〜高校3年の約12年間、常に3段階〜5段階という曖昧な評価で定義される。その評価が果たして私たちの学びの本質をどこまで表しているのかは疑問が残ります。

 逆に言えば通知表に目を向けても学びの質は上がりません。学びを支えるのは、その根源に学びの進度がその人の価値を決めるものではないという絶対的な理念の元、授業を中心とした学びの楽しさの発見、学びの楽しさを基盤とした課外学習です。

 通知表という概念が児童・生徒の価値と繋がることが問題であるのだから、通知表を廃止することが目的であってはならないとも思う。できるようになる過程が大切なのは、全ての学びに共通する概念。学びが数字に変わり、その数字に支配されないこともまた日々の大きな学びです。


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