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#365 小さな葛藤と、英語を好きになりたい自分

 英語教師として働いていた10年間。私の生活には常に英語がありました。自分の英語力に向き合い、英語の教え方と向き合い、生徒の英語力と向き合ってきた。

 私よりはるかに英語ができる同僚がたくさんいました。連日単語帳を開き、入試問題と向き合う。そのような日々の繰り返しの中で、ある時気が付いたのです。

「あ、英語嫌い」

 英語は私の存在意義を脅かし、自尊心を傷つけ、自分の価値を下げてくるこんな感覚を次第に持ち始めた。

 先日タイ料理屋に行った時、メニューの後ろに簡単なタイ語の説明が書かれていました。自然とその説明を読み、店主にタイ語に関する様々な質問をしている自分がそこにいる。

 なぜ英語が嫌いになったのだろう。でもふと思うのです。好きになったことあったのかと。学校教育のシステムの中に組み込まれて、たまたま英語の点数がよかっただけなのではないか。本当は歴史の方が好きだったな。考古学者になりたいと思っていたな。宇宙に興味があったな。恐竜かっこいいな。

 英語が好きって言いたい。そんなことを思っていたような、そんな気がする。


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