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#259 ツールを活かし、より深い学びへ

 団塊世代末期に生まれた親は、男子生徒は技術、女子生徒は家庭科を学ぶカリキュラムでした。女性がまだ社会進出を果たせていない時代。教育は社会の影響を受けることを表す、非常にわかりやすい例ではないでしょうか。

 今学校教育における「学び」で不足しているものの中に金融教育があります。教育業界は長らく、「資本主義」と距離を置いてきました。それは「お金を稼ぐ」という行為に何かしらのネガティブなイメージを業界として持っていたからなのかもしれません。しかし現実問題として、私たちが生きている上で「お金」との関係を断絶して生きていくことはほぼ不可能。現代社会において、金融教育は、性教育と同じように、私たちの人生の要素として欠かせない部分だと言えるでしょう。
 
 金融教育で大切なのは、その仕組みを肌で理解すること。文字でいくら理解しても、それだけでは不十分。実際、自分が「お金」を扱うことによって、その本質が見えてきます。私が「金融」に興味を持ったきっかけは家族と共に行った「人生ゲーム」でした。ルールはとてもシンプルですが、お金が増えたり減ったりする仕組みが面白いなと感じたことを覚えています。

 NTT ドコモは8月24日(木)、親子ではじめる金融教育アプリ「comotto ウォレット™」の提供を開始しました。

 このアプリでは、家庭内における、お金を「かせぐ・ためる・つかう」体験を通して、親子でお金の基本的な役割や使い方を学ぶことができるとのこと。

 他にも人気ゲーム『桃太郎電鉄』は、地方に関する様々な知識を得るとともに、物件という資産を競うことで、不動産への知識を学ぶことができます。

 前の職場の同僚(社会科)も日興証券業界が開発した「株式学習ゲーム」を用いて、生徒たちに金融学習の機会を提供していました。

 先日、ITC教育に関するコラムを書きましたが、金融教育のような分野とICTは非常に相性が良い。お金と経済という概念は資本主義の中で大切な要素であり、その知識・技能・思考は非常に大切。ある程度の経済力を持つことで自分の人生は豊かになるし、お金に魅了されすぎると人生はよくない方向に進んでいきます。彼らがお金と上手に付き合い、人生を豊かにするツールとしてお金を扱えるようになるための学びが必要なのだと思います。


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