見出し画像

#599 正しい知識・確かな理解〜SOGIを知る〜

 人間は生まれつき生物学的な「性」が授けられます。人類の歴史を振り返って見れば、私たちは「性」に社会的意味を付与し、その記号によって、多くの偏見や差別を生み出してきました。

 21世紀に入り、私たちは「多様性」という新たな価値を見つけ、生物学上の変えられない「性」以外にも、多岐にわたる「内面の性別」の存在を徐々に認識しはじめています。

『ノンバイナリー選手が米五輪代表入り 女子1500mのニッキ・ヒルツ、自己ベストで選考会V』という記事を見つけました。

 記事によれば、トランスジェンダーで、性別の認識を男女の枠組みにあてはめないノンバイナリーのニッキ・ヒルツ氏が五輪代表入りを決めたそう。

 「これは私だけのものではない。プライド月間の最終日に、自分のコミュニティーのためにこのレースを走りたかった。LGBT当事者のみんなが私を最後の100メートルまで連れてきてくれた」

と同氏は述べています。

 恥ずかしながら、トランスジェンダーとLGBTQの違いを明確に区別できなかった私は、改めてその言葉の定義を調べることに。

 PRIDE JAPANによれば、LGBTQという言葉が徐々に世間に浸透することで、様々な性的指向を持つ人が存在することが認知される一方、「性自認」と「性的指向」の区別が曖昧になる可能性があることにふれ、それらに対する正しい認識を導くためにSOGIという言葉があると紹介しています。

 SOGIは、Sexual Orientation(性的指向)とGender Identity(性自認)の英語の頭文字をとった頭字語(イニシャル言葉)です。読み方は「ソジ」が一般的です(「ソギ」とも言うようです)。性的指向・性自認は、性的マイノリティに限らずすべての人に関わる(ストレートもシスジェンダーも含む)概念であることから、「LGBTQの問題であってストレートには関係ない話」ではなく、誰にでも関係があることなんですよ、と言いやすくなります。「SOGIについて考えてみると、異性愛は多様な性的指向の一つにすぎず、シスジェンダーも多様な性自認のありようの一つであることがわかる」というように。SOGIは2011年頃から国際社会で使われるようになり、日本でも2015年頃から紹介されはじめました。(一部抜粋)

 つまり、性自認とは自分自身が「私の性は〜だ」と認識することであり、性的指向とは「恋愛・性愛の対象が向かう方向」という違いがあります。「生物学上女性として生まれた人が自分の性は女性だと認識しつつ、女性に性的魅力を感じる人」は定義上レズビアンとなる一方、「生物学上女性と生まれた人でも、自分の性は男性であると認識し、その上で男性に性的魅力を感じる人」もいるのです。

 学びの第一歩として、「言葉の定義」が大事であることをコラムで何度か書いていますが、SOとGIの違いはこれほどまでに違う事を、改めて認識した次第です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?