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「情報処理」無償公開記事

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情報処理学会 会誌「情報処理」のバックナンバーから,無料で読める記事の一部を順次紹介していきます.
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2023年8月の記事一覧

Research on Complex Activity Recognition in Industrial Domains

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ユビキタスコンピューティングシステム研究会] 吉村 直也 (大阪大学 情報科学研究科) 邦訳:産業ドメインにおける複雑行動認識に関する研究 【背景】生産効率を向上させるため,工場や物流センタへのセンサ・IoT機器の導入が加速している 【問題】収集できるセンサデータ自体は作業者の作業状態を表現するものとは異なる 【貢献】センサデータから作業者の作業状態を認識する作業行動認識技術に関する課題を解決した  現在多くの工場が大量にセンサや

ジェスチャ認識のための動的アクティブ音響センシング手法の確立

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ユビキタスコンピューティングシステム研究会] 雨坂 宇宙 (慶応義塾大学訪問研究員(日本学術振興会 特別研究員PD)) 【背景】アクティブ音響センシングを用いたジェスチャ認識システムの改善 【問題】装着誤差による不安定な信号変化と信号減衰が大きなセンシング対象 【貢献】信号補正手法の適用とパッシブ音響センシングの利用  ユーザの身体にデバイスを装着し,ユーザの行動記録や情報の提示,その他の情報端末を操作(情報入力)することが可能なデ

Analog Signal Security: Security Threats Caused by Physical Phenomena and Their Countermeasures

2022年度研究会推薦博士論文速報 [コンピュータセキュリティ研究会] 飯島  涼 (産業技術総合研究所 研究員) ■キーワード 音信号/IoTセキュリティ/センサセキュリティ 【背景】アナログ信号を用いたセンサ周辺のセキュリティ脅威が増加 【問題】従来のセキュリティ技術は主にデジタルデータに対して限定 【貢献】アナログ信号を用いたセキュリティ脅威に対する対策技術を考案  コンピュータの高性能化,小型化により,スマートスピーカ,スマート家電,ウェアラブルデバイスなど,

Research on Sophistication and Improving Efficiency of Practical Security Operations

2022年度研究会推薦博士論文速報 [コンピュータセキュリティ研究会] 藤井 翔太 ((株)日立製作所 研究開発グループ 研究員) 邦訳:実践的なセキュリティオペレーションの高度化と効率化に関する研究 【背景】サイバー攻撃への対応(セキュリティオペレーション)の需要増加 【問題】セキュリティオペレーションを実施する人員の不足 【貢献】オペレーションごとの課題整理と高度化・効率化手法の実現  サイバー攻撃が年々増加している.2018年から2021年にかけて1年間に観測さ

Cellular Operator Data Driven Solutions for Public Unlicensed Networks

2022年度研究会推薦博士論文速報 [モバイルコンピューティングと新社会システム研究会] Manas Kala (大阪大学 特任助教) 邦訳:公衆無認可ネットワーク向けの携帯電話事業者のデータ駆動型 ソリューション 【背景】モバイルデータ需要に対応するため,アンライセンスバンドでのセルラーネットワークが必要とされている 【問題】Wi-Fiやレーダなどの既存技術とセルラーネットワークが共存することでネットワーク性能に悪影響がある 【貢献】アンライセンスセルラーネットワーク

A Study on Listener-centered Communication Support in the 1vN Environment

2022年度研究会推薦博士論文速報 [コラボレーションとネットワークサービス研究会] 越後 宏紀 (ソフトバンク(株)) 邦訳:1vN環境での聴き手を主体としたコミュニケーション支援の研究 【背景】1vN(1人対多数)環境のコミュニケーションは複雑 【問題】聴き手が語り手にフィードバックしづらいという問題 【貢献】ICT機器を使用した聴き手が主体となる1vN環境の実現  僕は授業中に手を挙げて発言するのが苦手でした.それは緊張や不安,間違えたときの恥ずかしさといったネ

Actuated Walls as Media Connecting and Dividing Physical/Virtual Spaces

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 大西 悠貴 (シンガポールマネジメント大学 博士研究員/ 東北大学電気通信研究所 学術研究員) 邦訳:物理/バーチャル空間の接続と分離を媒介する可動壁に関する研究 ■キーワード Human-Computer Interaction/空間インタフェース/ロボットディスプレイ 【背景】空間を分け隔てる身近な壁の機能を考える 【問題】壁の静的な性質が用途や機能を限定している 【貢献】自律移

操作・姿勢推定に基づく静かなウェアラブル端末インタラクション

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 久保 勇貴 (日本電信電話(株)人間情報研究所 研究員) 【背景】体に身に着け利用する小型なコンピュータの普及 【問題】操作回数,動作量,操作端末数の増加 【貢献】操作・姿勢推定活用による操作回数,動作量の軽減  スマートウォッチやワイヤレスイヤホンといったウェアラブル端末と呼ばれる,自身の体に身に着け利用するコンピュータの利用が進んでいます.これらのウェアラブル端末は,体に身に着け利

複合現実環境における輻輳眼球運動に基づく3次元視線情報の分析

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 加藤 健太 (フューチャー(株)Strategic AI Group コンサルタント) 【背景】実空間と仮想空間が融合したMR空間技術が一般向けに普及 【問題】仮想物体の計算上の位置と利用者の知覚位置とにずれが発生 【貢献】MR空間における物体の知覚位置と3次元注視点との分布特徴の分析を実現  メタバースという言葉に代表されるように,仮想空間を利用するための装置や活用するためのサービス

ビジョンカメラを用いたマーカーレス3次元人体姿勢推定手法の開発に関する研究

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 大野 祐汰 (株)フレクト 【背景】深層学習によるマーカーレス3次元人体姿勢推定の発展 【問題】マーカーレスに起因する実環境上での推定精度の低下 【貢献】実環境での3次元人体姿勢推定手法の推定精度の改善と応用  マーカーレス3次元人体姿勢推定は,3次元空間上における人体の位置や姿勢を推定する技術であり,マーカーを用いた姿勢推定と比べ,煩雑なセッティングをすることなく, 3次元人体姿勢を

A Visualization System for Overviewing and Managing Parallel Group Discussions in an Online Classroom

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 佐藤 安理紗 ジエンジエラ 邦訳:オンライン授業内の複数同時進行グループワークの状況把握と介入を支援する可視化システム 【背景】オンライン授業において,教員と学生の間に「デジタルの壁」が存在し得る 【問題】オンライン授業では,教員が学生のグループを俯瞰するのが難しい 【貢献】グループの可視化が教員にどのように役立つかを調査した  オンライン授業は,ソーシャルディスタンスを保ちながら,

ウェアラブルデバイスのための人体スケールの無線給電・読み取り

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 高橋  亮 (東京大学 特任助教) 【背景】ウェアラブルデバイスの普及 【問題】ウェアラブルデバイスのバッテリ問題 【貢献】人体上のウェアラブルデバイスへの安全で高効率な無線給電・読み取り  人の体に身につけられるほどの小型で軽量なウェアラブルデバイスは,日常生活の中で自然とARやVRなどのデジタル空間と人をつながる役割を果たすことができます.半導体技術の進歩により,スマートウォッチな

互恵的関係性を構築するための対面状況での情緒的コミュニケーション支援メディアに関する研究

2022年度研究会推薦博士論文速報 [ヒューマンコンピュータインタラクション研究会] 岩本 拓也 ((株)サイバーエージェント AI Lab 研究員/大阪大学 招聘研究員) 【背景】対面コミュニケーションは,良好な人間関係を構築するために重要な役割を果たす 【問題】対面コミュニケーションは,高いスキルが求められる難しい行為であるにもかかわらず,支援の必要性や支援手段がほとんど検討されてこなかった 【貢献】特に対面での情緒的なコミュニケーションを対象として,互恵的関係性の構

Applications and Performance Analyses of Quantum Machine Learning via Fast Classical Simulation of a Quantum Computer

2022年度研究会推薦博士論文速報 [量子ソフトウェア研究会] 河瀬 良亮 (東京大学情報理工学研究科コンピュータ科学専攻 助教) 邦訳:量子コンピュータの高速古典シミュレーションによる量子機械学習の応用および性能評価 【背景】強力な計算能力を持つ量子コンピュータを活用したい 【問題】指数的に増大する空間に伴う古典シミュレーション時間の増大とデータの取り扱いの困難さ 【貢献】量子機械学習アルゴリズムの開発を加速させる技術の提案  量子コンピュータは,量子力学の性質を利