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ホテル川久 上

⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)


どうも皆さんこんばんは!
フリックフラックの髙橋壱歩です!

いつも僕の記事を
読んでくださっている方々、
本当にありがとうございます。

135記事目になる今回は
和歌山県、南紀白浜にある
「ホテル川久」
というホテルについて
書いていきたいと思います。

と言っても
ホテル自体について書くというよりは
この宿泊施設をめぐる
僕の思い出というか
1つの物語を読んでいただきたいと思い
筆を執った次第でございます。

結構なボリュームになったので
久しぶりに上下に分けました。


ちなみに前回上下に分けた話がこちら
        ↓
        ↓
        ↓

こちらもオススメになっていますので
是非お読みください!


ボリュームがかなり大きくなってしまったので
有料にしようかなとも考えたのですが
少しでも多くの方々に
読んで欲しいと思ったので
悩みに悩んだ挙句
無料にしました!

結構なおすすめ記事になっていますので
どうか最後までお読みください!

それでは
スタートです!!!




うちの家族は
僕が小さい頃から
小学校高学年になる頃まで

お正月と夏休みの時期に年2回、
旅行に行っていた。


メンバーとしては
僕と僕の両親、
父方の祖父母と
父の弟家族(叔父、叔母、いとこ)

10人前後で旅行に行くのが
恒例行事になっていた。


大抵行く場所は決まっていて
関西圏内


有馬や白浜など


何年かに1回
沖縄や東京など
遠出をすることはあったが
基本的には近場に行っていた。



僕が小学校低学年頃のある年、

僕たち家族が向かったのが

今回の記事のタイトルにもなっている

「ホテル川久」

である。


それぞれの家族が車3台を使い、
それぞれの家から所要時間は大体2時間弱

比較的、近所に住んでいたので
時差が生まれないのだ。

僕は父の車に
家族3人で一緒に乗り出発をした。



僕たち家族の旅行の内容は
祖父がほとんどを仕切っていた。

はじめて行くようなホテルは
ほぼ無く、
祖父が気に入ったホテルに
何度も行くことが多かった。


しかし、
『ホテル川久』に行くのは
その時がはじめて


少しワクワクしながら
向かっていた。



ホテルに着き
父が車を駐車場に停めた。



車を降りた瞬間
僕はそのホテルの外観に心を奪われた。


何だこのホテルは!


お城じゃないか


白浜の海をバックに茶色を基調とした
西洋風のようなまた、和風でもあるような
はたまた中華風でもあるような


様々な要素を取り入れ
悠々とした態度でそびえ立つその外観


なんの知識もない小学校低学年の僕でも
素晴らしいホテルだということが
ひと目見てわかった。



中に入る。

外の素晴らしさや迫力はもちろんのこと、
中は中で宮殿のような作りであった。

ちょっと太すぎるとも思える
いくつもの立派な支柱

その後ろに見える
オーシャンビュー


ここやん

僕は思った。


何と比べてとか

何が正解とか

そんなんじゃ無く
ただただ思った。


ここやん


もうここやん

(感覚的な話です)


家族全員で
ホテルに入ると
まず喫茶ルームのようなロビーの部分に座った。

祖父はコーヒーが好きだ。

ここで一旦、
一服する。


各ドライバーの運転の疲れを
少しだけ癒す時間だ。


それが終わると
部屋に向かう。


どういう部屋のシステムだったか
忘れたが

その時泊まった部屋は
3家族がそれぞれ分かれてはいるが
ひとたび、扉一つ開けば
繋がるような

そんな特殊な3連部屋だった。

(3連部屋なんて言葉
実際にあるかはわからないが
勝手に作った。)


部屋に着くと
まずお風呂に行く。


僕たちの家族は
1泊旅行であっても

「絶対に3回は風呂に入りたい」

という謎のこだわりがあるのだ。

風呂についた。


そこまで外装や内装にこだわっているホテルが
大浴場だけ手抜きな訳が無い。


良いに決まっている。

家族の男性陣全員で
ええなあええなあと
言いながら湯船に浸かる。

僕は個人的にここまでの段階で
ずっとこのホテルいいなぁと思っていたが


祖父も父も叔父も

皆思っていたようだ。


その時僕は確信した

「このホテル、絶対来年も来る」

そりゃそうだ。


僕の家族ほど
リピーター気質の人種はなかなかいない。


年中同じ物を着て
年中同じ物を食べ
年中同じ場所に行く


うちの家族の首脳陣が気に入っているのなら
ほぼ確実に来年も行く。


もっと言えば
もしかしたら今年中に行くかもしれない。


そんな確信が僕の中にはあった。

風呂から上がる。


一旦部屋に戻ると
次は夕食だ。

みんなで夕食会場へと向かう。

正直10年以上前の話なので
さすがに食事の内容までは覚えていない。
(出てくる料理も従業員の方々の接客も
素晴らしかったと思います。
書けなくてすいません。)

ここは割愛

そして僕たちはもう一度風呂に向かうのだ。

なぜかって?

1泊であっても
3回は風呂に入りたいからだ。

風呂で元を取りにいく

それが髙橋家スタイル


風呂を上がった後はすぐに寝る。

次の日


朝早く起きると
男性陣はまず風呂に向かう。


なぜかはもうお分かりだろう。

3回は風呂に入りたいからだ。

髙橋家にとって
3回入らないと
それはもはや風呂ではないからだ。


割愛


風呂から上がると
朝食会場に向かった。


朝食会場に入り、
さらなる驚きが僕を襲った。


体育館ほどの広さの敷地内に入ると
天井には前衛的な絵画が描かれており
壁一面には沿うように
たくさんの料理が並べられている。

心躍る朝食バイキング

好き嫌いが多かったその頃の僕にとって
嫌いな物を一切排除し
好きな物を好きなだけ取り
食べることのできる
バイキングというシステムは
最高でしかない。


早速、食べ物を取りに行く。

取りきって席に置いたのも束の間

今度はドリンクを取りに行く。


僕は飲み物を飲む量が人よりも多いのだ。


いくつかのコップに普通のお茶だけでなく

牛乳やオレンジジュースも注ぐ


再び席に着くと
そこからはあっという間だった。

ただ食べて飲むだけ

食事終了

その後は部屋に戻り
支度をしてチェックアウト

この後僕たち家族は
アドベンチャーワールド
行く予定だった。

まあ簡単にいうと
地方にある遊園地というか
テーマパークのような施設だ。

この時期の僕にとって
遊園地はただただ楽しいものでしかないし
好きなものランキングでも
かなり上位にくるはずだが
なぜかホテル川久から離れるのは少し寂しかった。


小学生の幼なすぎる感覚で
遊園地に勝る楽しさを秘めたホテル
川久 恐るべし


車で移動し
アドベンチャーワールドに着いた。


さっそく様々なアトラクションを楽しむ
(すいません、全然覚えてないです)


昼頃になった。


園内で昼ごはんを食べることになる。

入り口を入ってすぐ
左側にある、
巨大な焼肉会場というか
大きめの室内バーベキュー場のようなものに入り
家族みんなで焼肉を食べる。


僕がその時座ったのは
祖父母と同じテーブルだった。


それぞれが肉を焼く。

僕の家族内では

親などがまとめて肉を焼くのではなく

自分で食べる分は自分で焼く

という謎ルールがあるのだ。


ふと、僕が
少し生の状態で肉を食べようとした。


「おい!その状態はまだあかんやろ!」


祖父が言った。


「パイロンとかマダンの肉じゃないんやから」


パイロンとは
僕の母方の祖父母が経営している焼肉屋で
父方の家族も今でも通っている店だ。

マダンは僕の実家から
最も近い距離にある焼肉屋で
父方の家族も常連である。

詳しい情報はこちらの記事で
      ↓
      ↓
      ↓


確かに、身内びいきと言うか
近しい人を持ち上げたい気持ちはわかるが
さすがに言い過ぎかなとは
幼い僕でも思った。


「ここの肉はちゃんと焼かなあかん!」


そんな言う?


とは思ったが
まあ飲み込んで
その時焼いていた肉も
もう少し焼いてから飲み込んだ

昼ごはんを食べ終わった。

そこからは
サファリエリアというか
動物と触れ合えるエリアへと向かった。


叔父の家族、
いとこはかなり小さかったし
大人たちはそこまで興味がないだろうから
完全に僕のために組み込まれたプログラム


はじめて生で見る動物はかなり臭かったが
パンダもいたし
まあそれなりに楽しめた。


その中で最も印象に残ったのが
パンダのうんこの匂いを
嗅げるエリアだ。


全く臭くなかった。


パンダが草食だかららしい。
(こういう情報はなぜか今でも覚えている)


その後も色々回って
疲れ切って駐車場へと戻る。


そこから次にとれとれ市場へと向かった。


南紀白浜にある
観光客向けの市場みたいなものだ。

そこでお土産を買い、すぐに帰路につく。

正直、とれとれ市場もまだ楽しめそうやなぁ
もう少しいたいなぁとは思っていたが

まあどうせまた来るやろ
という謎の自信から何も文句言わず帰った。


人生1度目の
ホテル川久及び南紀白浜
終了




1年後

家で必死に夏休みの宿題をしていた僕に
母が話しかけてきた。

「今年の夏の旅行先が決まったらしいで」

毎年恒例、
またこの時がやってきた。


家族での旅行


「どこ?」


だいたい分かっていたが
一応、手続き的に質問を返した。

「あのー、前行ったとこあるやろ。
ホテルかわき…」

「川久やろ」

僕は食い気味に返した。


年2回の家族旅行


行き先は南紀白浜

泊まるのはもちろんホテル川久

1年前より少し成長していた僕は
その頃、再ブームを迎えた
たまごっちにどハマりしていた。


車で行く途中も
ずっとたまごっちを弄る。


この頃の小学生にとっては
家族での旅行よりも
ゲームの方が重要なのだろう。


ホテル川久に着いた。




部屋に着くと
その頃水泳を習っていた僕への配慮か
夏のせいなのか
まずプールに行くことになった。


僕は1歳半から水泳を習っていた。


泳ぐのは得意だ。


家族とプールに入る。


まあ一緒に入るといっても
一緒に遊ぶとかではなく
他の人間に比べて
圧倒的に僕が泳げてしまうため
ほぼ1人で遊んでいた。
(謎の泳ぎへのトガり)


しばらく泳いでいると
母が少し離れたところから
話しかけてきた。


母の方を見る。


母はプールの横に設置された
小さなジャグジーの浴槽にいた。


目を凝らす

むむ!?


母の周りに
20代前半の水着ギャルが4人ほどいた。


何をしているんだ母は

さらに目を凝らす。


「おいでや!」


母が言った。


どういう状況!?


理解できない。


あの水着ギャルたちは何なんだ

今考えるとおそらく大学生くらい
卒業旅行か何かで来ていたのだろう。


「呼んでるでー!」


母が更に言った。


どうしよう。


処理が追いつかない。


今考えると
おそらくその時、
小学校低学年だった僕は
もう既に性に目覚めていたのだろう
(不快な気分になった読者の皆さんすいません)


変な意地なのか
恥ずかしかったのか


結局僕はそちらをなるべく見ないように
1人で一心不乱に泳ぎ続けた。

しばらく経ってプールから上がる。


母がまた声をかけてきた。


「あんたなんでこうへんかったん?
あの子ら呼んでたのに」


やかましわ!


無理やろあんなん。


今思うと
絶対に行っておいた方が
良かったかもしれないと感じる。


多分今誘われたら迷わずいくだろう。

自分は男だから

いや、俺は漢なのだから




部屋に戻る。


一旦たまごっちをチェック


うんちを掃除したり、
ご飯をあげたり
(ちなみにパンダのウンチは無臭だよ!
さっき言ったばかりだからさすがに覚えてるか! てへ)

そこからは
皆さんお馴染み
髙橋家絶対3回風呂計画第1弾の開始である。


湯船に浸かる。


掌を見つめると
指先がシワシワだった。


水浸かりすぎやわ俺


プールからの風呂である、まあしょうがない。

風呂を出る。


そしたらすかさずたまごっちをチェック


その後の食事、風呂、就寝までの
流れは正直全く覚えていない


次の日


朝食を食べ、
今回の旅行では次にとれとれ市場に向かう。




車を降り、中に入る。

その日の昼食は外でのバーベキューだった。


バーベキューと言っても
本格的なものではなく
とれとれ市場に隣接した
簡易的なロッジのような場所で

とれとれ市場で買った具材で
全ての用具を貸してもらってする手軽なもの


店内に入り、
様々な魚を見るだけでワクワクした。

とは言っても、
魚にはすぐに飽き
僕はとれとれ市場内のお土産コーナーというか
おもちゃがいくつか
置いてある売り場に行った。


地域のストラップや
こういう場所によくある
こんなん正味地域全然関係ないやんグッズ
(プラスチック製の十字架のネックレスや木刀など)
を物色する。



するとある事件が起きた。


ある人の前を僕が通り過ぎた時だった。


「おい!人の前通り過ぎんな!」


腕を胸に当てられ押された。


ん?

何?


見上げる。


僕に声を掛け、
僕を押したのはおっさんだった。


46歳くらいのおっさん


マジ何言うてんねんこいつ

と幼いながらに思ったので
僕はもう一度同じ道を通り過ぎようとした。


「だから!人の前通るなって!」


は?


なんだこいつぅ〜〜!


どういうことやねん。


しかもまた押された。
大の大人にだ。

この頃から僕は気が強かったので
もう一度同じ道を通ろうとした。

「おい!わからんか?
人の前通りすぎんなって!」


これをこのあと
3回ほど繰り返した。


今考えると少しゾッとする。


この人が本当にヤバイ人だったとしたら
今僕はもしかしたら
ここにいないかもしれない。


ではいったい
何がこの状況を打破してくれたのか


意外な展開だった。


「おい!
お前親に習ってないんか?
人の前を通りすぎんなって!
何回言うたらわかんねん!
おい!!!!!」


無表情の僕

おっさんの後ろから僕よりも
更に小さい子供が近づいてきた。

「パパー!!!」


え?


おっさんに抱きつく。


マジか

お前パパやったんかい!


隙を見て逃げた。

今思うと僕は
ありがたい注意を受けていたのかもしれない

最近は他人の子供を叱る親も減った。

もう二度とない貴重な経験だったのかもしれないと
23歳になった僕はしみじみ思うのであった。


バーベキューがはじまる。
(微塵も覚えていない)


昼食を摂った後は
アドベンチャーワールドだ。


車に乗り込む。



この時僕は重大なミスに気がついた。



あれ?


たまごっち無い


常に持ち歩いていたはずの
たまごっちがないのだ。


ヤバイヤバイヤバイ


完全に紛失した
どうすんねんこれ


すぐに家族に報告する。


「そうなんや」


家族の反応は冷たかった。


彼らはことの重大さに気がついていない。


なんでわからないんだ?


どうしよう
たまごっちが無い

どうしよう
ウンチが溜まっているかもしれない。

お腹がペコペコかもしれない。


「あんたホテル出る時は持ってたん?」


母が尋ねてきた。

「ううん」

少し考えて答えた。

「ほな、ホテルやろ」

そうか、ホテルにあるはずだ。


僕たちは予定を変更して
一旦、ホテルに戻ることにした。
(僕の家族たちよ ごめん
この場を借りてお詫びします)


正直、アドベンチャーワールドなんて
その時はどうでも良かった。
(アドベンチャーワールド関係者の皆さん
申し訳ございません、この時だけです。
他の時は普通に楽しみです。)


ホテルについた。


ロビーに行く。


その時、幼い僕にたまごっちを
手渡ししてくれた受付のお姉さんの顔を
僕は忘れることはないだろう。

「ありがとうございます!」


元気よく言った。

よっしゃここからは
アドベンチャーワールドや!!!


たまごっちゲット


テンション爆上がり


その後は帰宅まで
正直あまり覚えていない
(アドワー関係者の皆さん本当にすいません)




1年後

またこの季節がやってきた。

汗で体に張り付いたTシャツ

蝉の声

机の上でカリカリ音を鳴らす鉛筆


「あんたー、今年のりょ」

「川久やろ!」

確信があった。


今まで色々な所に旅行に行き、
様々な場所に泊まったが
川久だけは本当に別格だった。


家族はそこまで
思っていないかもしれないが
確実に気に入ってはいるはずだ。


さあ
行こうではないか

3度目の川久へ


続く


今後もどんどん楽しく面白い記事書けるよう頑張ります! よければサポートお願いします😊