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深夜の病院にて…

⭐️⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)



これは僕が大学1回生の時に実際に体験した話である。



2016年の春、
立命館大学法学部に入学した僕は
サークル見学で出会った先輩に
紹介していただいた居酒屋で
働くことになった。

その時のシフトのペースはだいたい週に3回ほど

サークル活動のない
火、木曜日

大学の授業のない
土、日曜日

夕方頃、バスに乗ってバイト先に向かう。




ある日

その日は店が非常に繁盛しており、
上がる時間が遅くなってしまった。


まかないを食べ店を出る。


その日は終電には間に合ったが
終バスには間に合わなかった。

駅から歩いて帰ろう。

僕の家の最寄り駅から帰るまでは
30分程かかった。


一度も曲がることなく

ずーっと永遠に真っ直ぐ続く一本道

歩いていると
家と駅の中間あたりに
病院がある。

大病院でも小病院でもない
中病院

少し離れた位置からその建物を通り過ぎようとすると
入り口付近でとあるものがうっすらと見えた。


真っ白な服を着た
人のような物体が
揺れているのだ。



うわ

何やあれ

深夜やで?

もしかして
ヤバイもん見てもうた?


京都に引っ越したての僕

真っ暗な夜道でただ1人



僕は
幽霊やお化けなどを割と信じるタイプだ。



京都の病院ってやっぱりなんかあるんかな

京都の建物って
古いのが多いし
やっぱりなんかおったりするんかな。


夜風がピューっと吹き
僕は体をブルッと震わせた。


ちょっと怖いな。


しかし僕は
怖さよりも好奇心が勝ってしまった。

実際に近くで見てみたい。


恐る恐る病院に近づいた。



腕を振って歩を進める僕の脇を
また夜風が通り過ぎた。



嫌な予感がする。

マジもんちゃうんかこれ


見たら呪われるやつ
とかやったらどうしよ


意を決して近づくと
病院の受付の横に
鏡があり
その前に白衣を着た
おそらく医者と思われる人物がいて
揺れている。



何をしているんだ?

この深夜に

もしかして

この病院に勤め、
志半ばで亡くなってしまった医者の霊が
成仏できずにこの世を彷徨っているのだろうか。



考えすぎか?

しかし
「鏡」
と言うのは何か不吉な予感がする。

世の中にまかり通っている
沢山の怪談には鏡というキーワードが出てくる。



これ以上近づいて大丈夫だろうか

僕はこれから4年間この道を
何百回と通らないといけないのだ。



この道で
トラウマを作ってしまって大丈夫だろうか

二度と通れなくなってしまったらどうしよう

色々な葛藤と戦って
僕は見に行くことに決めた。



俺は男だ!

見に行くんだ!

こんなもので怯むな!



自らを鼓舞し
僕は病院に近づくことにした。



完全に視覚に入る位置まできた。



病院の入り口付近
受付の横の鏡の前で
白衣を着た医者が


めちゃくちゃ
シャドーボクシングしていた



何でーーーーーー?

何で深夜に仕事終わりの医者がシャドーボクシングしてんねん!

意味わからんやろ!

何で?

意味わからなすぎるやろ

せめて白衣脱いでやれよ!動きづらいやろ!

誰を敵として想定してんねん



予想に反して全く怖いものではなかった。


まあ、ある意味怖いが



僕はこの道をトラウマとして避けるどころか
もう一度見たすぎて何度も通ることになった。


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