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FM 5-0 第1章 (6)

理解と意思決定 1-17. C2は指揮官が声を上げたり意思決定するための能力を高めることを狙うものである。したがってC2はまず最初に指揮官が作戦環境を理解することを助けなければならない。理解するということは、単に情報や周囲の状況を知ること以上のことを意味する。物事の認識に関する階層構造において、「理解する」こいうことは、ある状況に内在する関係性を理解するために、特定の状況に対して諸情報を合成もしくは判断することである。(図1-2.を参照) 状況に応じた理解 1-18. 状況

    • 図1-2.認識の階層構造

        • FM 5-0 第1章 (5)

          1-13. 図1-1にフルスペクトラムオペレーションズにおける要素の組み合わせの例を示す。フルスペクトラムオペレーションズにおける各要素の影響の度合いは、組織内の階層、時間、場所によって変化する。いずれかの要素が、他に比べて常に優先するということはない。フルスペクトラムオペレーションズにおける成功の鍵となるのは、指揮官が随時、状況変化に対応する際に適用する各要素の組み合わせ方にある。(FM 3-0に、フルスペクトラムオペレーションズにおける各要素の組み合わせについて詳細を論じ

        FM 5-0 第1章 (6)

          FM 5-0 第1章 (4)

          1-12. フルスペクトラムオペレーションズは、作戦区域における、政治、軍事、経済、社会及びその他の諸状況を変えるためにデザインされた、ある期間中に起こり得る、殺傷および非殺傷を伴う諸行動の複合的な要素から成り立っている。フルスペクトラムオペレーションズは、むしろ非武装の対象に対して働きかけるためのものである。戦闘や交戦における勝利は重要な意味を持つが、それが常に決定的な結果をもたらすとはいえない。陸軍は市民に対して働きかけるよう作戦を指向する。これは敵軍を敗北に追い込む過程

          FM 5-0 第1章 (4)

          FM 5-0 第1章 (3)

          フルスペクトラムオペレーションズ 1-11. 陸軍の作戦におけるコンセプトは、フルスペクトラムオペレーションズである。陸軍部隊は攻撃、防御、維持といった軍事行動、もしくは市民支援作戦を、独立した統合軍の一部として同時に行い、主導権を奪取、保持、発揮するとき、慎重に考慮されたリスクを念頭に置いた上で、決定的な結果に至る機会を創り出す。軍は作戦環境におけるすべての不確定要素を徹底的に理解することにより、作戦行動(殺傷、非殺傷の有無を問わない)を同期させ、また情報を展開する。陸

          FM 5-0 第1章 (3)

          FM 5-0 第1章 (2)

          作戦環境1-4.作戦におけるデザインが、自然災害に対する対策のためであろうと、あるいはまた強大な敵を打ち負かすためであろうと、作戦は複雑かつ変化し続け、また不確実な中において指揮される。作戦環境とは、状況、環境あるいは影響による複合の産物であり、それらは、能力の発揮や、指揮官の決断に耐え得る力に影響を与える(JP 3-0)。作戦環境は物理的領域(陸海空及び宇宙空間)及びサイバー空間を含む。それらはまた、作戦に関する敵、敵対勢力、友好勢力、中立勢力と同様に、それらの領域で状況を

          FM 5-0 第1章 (2)

          FM 5-0 第1章 (1)

          第1章 作戦プロセスの基礎 この章では作戦プロセスの概観について取り扱う。まず最初に、作戦に関する全般的な性質について記述する。一般にドクトリンは、指揮及び統制の中に見出すことが出来る。次にこの章では作戦プロセスの諸活動について記述すると共に、指揮官が戦闘指揮を通じて作戦プロセスをどのようにして運用するのかということについて記述する。ここでは、指揮官や幕僚が戦闘機能に同調することを助けると共に、統合プロセス及び継続的な諸活動について記述する。最後に評価の実行について議論する。

          FM 5-0 第1章 (1)

          補足

          いよいよ次回から本論に入ります。 ところで、アートとサイエンスについての補足です。 アート(Art):指揮官個人の俗人的な特性であり、指揮官の行う指揮に該当。暗黙知の傾向 サイエンス(Science):指揮官の意図を具体化するために行う実務であり、幕僚の行う統制に該当。形式知の傾向 参考:「戦術学入門」、木本寛明著、光人社NF文庫、2016年発行

          FM 5-0 序論(2)

           継続中の作戦から得られた教訓、モジュラー部隊への改編、陸軍及び統合ドクトリンにおける最近の主要な改訂は、FM 5-0(2005)に基づいている。更に、陸軍及びその共同体は、指揮官や幕僚その他が複雑な問題を理解するのを助けると共に、それを解決もしくは調整するための幅広いアプローチを発展させてきた。これらのアプローチについては FM 5-0 におてデザイン(Dsigne)というかたちでまとめた。  計画及び計画による成果物の細部を踏襲すると共に、このFM 5-0 に記述するマ

          FM 5-0 序論(2)

          フルスペクトラム作戦(2003)は後に、ユニファイド・ランド作戦(2011)、マルチドメイン作戦(2016)へと概念を拡張、展開しつつありますが、まず我々は、不確実かつ変化し続ける環境において組織がどう戦闘能力を維持し続けるのかという点において学ぶべきと考えました。

          フルスペクトラム作戦(2003)は後に、ユニファイド・ランド作戦(2011)、マルチドメイン作戦(2016)へと概念を拡張、展開しつつありますが、まず我々は、不確実かつ変化し続ける環境において組織がどう戦闘能力を維持し続けるのかという点において学ぶべきと考えました。

          FM 5-0 序論(1)

          序論 陸軍は、複雑、不確実かつ変化し続けることを特徴とする作戦環境において、フルスペクトラムオペレーションを指揮する。作戦中、指揮官は敵について考え、民間人の理解を変化させたり、一つの作戦地域において異なる組織が対立する等の状況に直面する。敵や市民がどう行動し、反応するのか、どのように事象が発展するのか、指揮官が確実に予測することは出来ない。作戦を成功に導くために、リーダーは作戦を通じて構築し、維持し、状況判断から学ぶことが求められる。リーダーは敵方よりも良く予期し、学び、適

          FM 5-0 序論(1)

          FM 5-0 序文

          序文 FM 5-0(作戦プロセス:The Operation Process)は、6つの章と10の付記により構成され、陸軍組織における計画、準備、実行および評価について記述している。FM 6-0(任務指揮:Mission Command / Command and Control of Army forces)とあわせ、ここでは陸軍における共通の言語及び思想としての作戦遂行における指揮および統制について述べている。  このFM 5-0 における解釈は、従来のマニュアルにおい

          FM 5-0 THE OPERATIONS PROCESS (March 2010)

          前書き 我々が作戦を遂行する環境には、不確実性、目まぐるしい変化、たゆまない競争、幅広い分散といった4つの傾向が、明らかな特徴としてみられる。このような傾向において指揮官は、複雑かつ様々な問題に立ち向かう心構えを持たなければならない。多くの場合、それらは無数の相互依存する変数を含むと共に、すべてにおいて人間の性質に起因していると考えられる。  我々のドクトリンを具現化するにあたり導入部となるFM 5-0(作戦プロセス)の編纂において、我々は、従来の計画プロセスを通じて問題の

          FM 5-0 THE OPERATIONS PROCESS (March 2010)

          米国陸軍野外マニュアルの和訳を建築工事に活かしたいのだ!

           建築工事の現場は常に変化し、不確実性が高く、計画通りに物事が進みにくい環境です。今以上に生産性向上を図るためには、従来のPDCAを踏襲する管理方法の延長ではなく、異なるコンセプトの採用に挑戦するべきです。  それはついこの前巷で流行ったOODA理論ではありません。その上位にあたる米陸軍の野外マニュアル(戦闘マニュアル)の本質を理解することが重要であり、それらの有用な知見を現場に適用するには、FM5-0に記載されている「作戦プロセス」、FM6-0に記載されている「任務指揮」

          米国陸軍野外マニュアルの和訳を建築工事に活かしたいのだ!