海外の中小企業が日本の大企業を特許侵害で訴えた事例(均等論に関して)
私が担当した案件では、外国の中小企業が日本の大企業を実用新案権に基づく侵害で訴えた。その特許は健康器具に適用され、被告となった器具は類似の器具だった。このように、特許の「均等論」は、どの国でも極めて重要だ。
実は、被告となった機器には複数の種類があった。主な被告装置は、売上高が最も多く、特許(実用新案)の明確なコピーであったものだ。他の被告装置も類似の機械であったが、特許の範囲を逸脱していた。
日本の裁判所の知的財産権侵害訴訟手続きは、2つの段階から構成される。第一は、侵害が実際に成立しているかどうかを判断する「侵害論議」である。2つ目は、侵害によってどれだけの損害が発生したかを判断する「損害論議」である。今回のように、地裁での「侵害訴訟」で原告(特許権者)が勝たなければ、訴訟手続きはその時点で終了することになる。なお、侵害訴訟の段階では、弁護士ではなく、特許の議論や技術に精通した弁理士が主に担当することになる。
ただし、ここで一つ、日本における「均等論」の問題がある。侵害には2種類あることを認識しておいてほしい。「文字通りの侵害」と「均等論に基づく侵害」だ。「文字どおりの侵害」とは、被疑侵害物が請求項の文言をそのまま満たすこと、いわば「完全な複製」であることを意味する。
もちろん、このような「文字どおりの侵害」のケースは非常に少なく、ほとんどの場合、侵害疑義品は請求項の記載と若干異なっている。このような場合、文字通りの侵害で訴追することはできないので、均等論に基づく訴追を検討する必要がある。
均等論は、日本では1997年の最高裁判決から正式に裁判でも認められるようになった。しかし、地裁、高裁では、まだ、均等論が認められているケースは少ないし、うまく使われているケースも少ない。これは、欧米の同等物主義の状況とは異なる。そのため、日本では、同等物の法理の成立要件が諸外国に比べて非常に厳しいと思われる。このことは、特許に関わる全ての関係者にとって、非常に重要な意味を持つ。
本件では、主被告製品については、文字どおりの侵害と判断することができたが、その他の製品については、文字どおりの侵害を主張することは困難であった。そこで、等価侵害論、すなわち、均等論を用いて訴訟を行った。
地裁では、文字通りの侵害は認められたが、均等論による侵害は認められなかった。個人的には、他の被告製品は特許と同じ機能を持ち、構成もわずかな違いしかないという専門家としての見解を持っていた。私は、他の被告装置が特許と同じ機能を持ち、構成がわずかに異なるだけであるという専門的な見解を持っていたので、均等論侵害に大きな期待を寄せていた。しかし、私たちの主張は、クライアントの躍進にうまく結びつかなかった。
現在、日本では、均等論が認められるのは10件に1件程度だ。特許庁の知的財産保護制度は非常に厳格であり、通常、詳細な審査が行われる。しかし、特許権を行使する裁判の段階では、特許権者に厳しい判決が下される。
このような状況は、いわゆるプロパテント(Pro- Patent)の一般的な方向性に反していると私は考えている。その結果、日本では知的財産権侵害訴訟の件数が減少しているのだが、これはこの問題点を明確に示している。裁判所は、知的財産保護制度の意義を理解し、ここ日本で権利者を保護する使い勝手の良い裁判制度になることを望む。
特に、私たちのクライアントの大半を占める中小企業は、大きなリソースを持つ大企業と戦うこともあり、この変化は競争力を高めることにつながるでしょう。特許の「均等論」は、どの国でも極めて重要だ。