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vol.4 支払いサイクル・入金サイクルの話し

こんにちは、ipartners代表の三浦です。
これからnoteに経理などバックオフィスに関するTIPSなど、私が日々の業務で感じること、実際に経験したことなどを共有していきたいと思います。

第4回目の今回は、支払サイクル・入金サイクルのお話です。 
社内のルール、支払いや入金に関する決まり事...なんとなく決めているというかたが多いのではないでしょうか?また、月次で締めていますか? 

「なんとなく数字は終えているから大丈夫」
「決算は確定申告のタイミングで年に一回!大変だけどね...」

そんな声も聞こえます。ところが、この月次で締めたり、また社内の前提ルールを明確にすることで管理できるようになるものがあります。また対策を打つことだって。
しっかりと会社を成長させる一歩だと思ってトライしてみるときっといい効果が発揮できますよ。

〈インタビュー〉

ここからは支払いサイクル・入金サイクルの話になります。

結局会社ってお金が潤沢にあって、「経費全部払えます」って言ったら売上って...
あまり気にしないですよね(笑)

確かにそうですね。通帳残100億あって毎月経費2万円なら売上なんか気にしないんでしょうね。

結局、支払いサイクルや入金サイクルというのは「資金繰り」が今後どうなっていくのかというのを予測するためにあるんですよ。

この支払サイクルと入金サイクルがうまくいくためには、資金をしっかり読んでおくべきということでしょうか?

資金の読みをするために、支払いサイクルと入金サイクルを確定させるって言うのが正しいです。相手が...というより対お客さんですから、若干ずれることはあるんですが「大枠があっていればいい」という感じですね。

例えば支払いが会社によっては、月末締めの翌末払いとか。あれって入金が月末入金だから、 入金があった後に支払いをしようっていうようなサイクルで、このサイクルで調整しているってわけですよね。

そうですね。入金サイクルは取引先の都合で月末締めー翌月末払等になってることが多いです。 しかし、支払いサイクルは自社の都合なのでしっかりやっておかないと「請求書が来たタイミン グ」が支払いするタイミングとなってしまい「来たら払う」となれば、資金の読みをする事が難しくなり、また支払い処理を都度行う事になります。したがって、社内でこの支払いサイクルを明確にすることによって、資金の読みの安定と作業の安定を生み出すことが可能です。

きちんと1ヶ月に一回締めてやりますって言う前提条件を共有することが大事、ということですね。

ここで結構重要なのは、社内の前提条件の共有と徹底です。例えばお客さんが支払いに関して質問してきたとします、それに対して「社内ルールがこうなので来月の支払いになります」と最初 に伝えることが大切です。最初に原則として「社内ルールで1ヶ月後になります」といっておけば、 1ヶ月後に払ってもトラブルにはなりにくく、社内調整して早く対応できたりしたら喜ばれますからね。

そのためにも社内全体でこの前提条件を共有しておくべきなのですね。作業も安定してできますし。実際、このサイクルがちゃんとできてない企業さんっていうのは多いのでは無いでしょうか。

もちろんやっている企業さんも多いと思いますが、ある程度の小規模な会社さんだと支払い処理をする時にまとめて...という多くみられますね。

代表の方の頭の中でサイクルがああれば「やれる時にやっちゃおう」ってなりますからね...

ただこの形は代表の方の時間も取られますし、やはり効率的では無いです。きちんと共有して現場の経理に毎月1回やって1ヶ月に一回だけ自分が処理する時間を作る、というやり方が圧倒的に生産性は良いですよ。

このような社内の決まり事、サイクルを決めていく話を進めましたが、「決算見込みを作れてますか」という話も、多くの会社さんに聞いて欲しい部分ですね。実際作れていない企業さんも結構多いのでしょうか?

そうですね。経理がしっかりしていない会社は、作れていないというイメージを持っています。もちろん一概には言えませんが。

これは月々で決算をちゃんとやっているか、という話ですかね?

そうですね。まずは月々ちゃんと締めているかということです。「決算」=1年に1回という考えの会社も多いと思います。

年に1回確定申告をするためにするのを決算!と考えているので、なんとなく年に1回のイ メージですね。

そうですよね。ただ、そうなると「じゃあ今いくら利益出てるの?」「今いくら売上いってるの?」って 1年に1回しか分からないパターンが
結構多いんですよ。感覚的に売上とかは分かっていたり するんですけが、ちゃんとした数字を毎月出せていない会社は多いと思います。

ギクっとした人も多いかもしれません...笑

大体経理が一人のところは月次で決算が組めてないですね。1年に1回っていう作業が多いと思います。

月次で決算ができているってなるとやっぱり経理の人員もしっかりいて、システムもしっかり導入 している企業さんが多いですかね?

そうですね。経理の業務の話になってしまうのですが、帳簿など記帳・決算に関わる作業は経理という部署の作業工数のたぶん30%ぐらいだと思います。 残りは請求・入金という債権管理であったり、請求書の発行、代表などから依頼されるその他作業で時間がかかってると思います。なので経理が一人だと、債権管理・請求書作成・その他作業に時間を取られていて、決算業務は税理士に任せているので、数ヶ月に一回試算表をもらうだけというイメージを私は持っています。

こういった企業さんが現状多いという感じでしょうか?

そうですね。10人以下、いや20人以下くらいはこのような実態なのかなと思います。単純に経理の人を1人入れるんだったら、営業を入れたいって多くの企業さんが思っているわけですから仕方がないと言われれば仕方がない...

そうなってくると外注化すべきですよね。

そうですね。難しいことを考えずに、シンプルに外注にする!これは客観的にみても効率がいいです。ただ経理関連を外注する、というアイデアがこれまで浮かんでいなかったというだけで。

外注化して、月次できちんと締めるということをやれば今年の目標に対する進捗具合も一目瞭然ですし...こういった進捗管理も適宜できるようになるわけですからね。

会社の状況がわかるというのはかなり重要で、一度「状況がわかる」状態になった管理体制を費用がかかるからと元の「わからない状態」に戻す会社は聞いた事がありません。「今この状態がこうだから、ここをこうしよう」という未来を考える事につながる大切な事だと思います。

ただ、現状これを確立できていない企業も多いってことは、変化できない、もしくはブラック化していく、そんな企業さんもおのずと増えていってしまう感じですよね。

そうですね。さっき言ってた「営業入れたいじゃん」という話と同じです。「営業入れたいじゃん」で 営業を入れて、今のやり方・今の売り上げは伸びて行くけど、管理体制は何も変わらないみたいな...。

今のやり方としては増えてきますが、効率的にはなっていないですし、進捗をしっかりおえて予 算はどんな感じでってのは全く見えていないままですね。ちょっと話が逸れたので、決算見込の話に。

はい。例えば、今年の利益が1億出るとします。これに対して税金はごくシンプルに20何%かかります。単純に考えれば2千万円程度の納税。したいですか?

したくないですね。
じゃあ経費を増やしたり工夫して下げなければいけないな、と思います。

ですよね。ただ、経費を増やすと言ってもこの数字を知っていなければ出来ないんですよね?決算数値が決まってから試算表もらって「え!こんなに税金払うの?」と気づいた時には、期限が終わっていて払うしかない…

つまり決算月過ぎてから決算締める!ってなっても遅いわけですか。

ものにもよりますが、決算月までに経費となっていないとということをやって納税する金額を下げることはできません。なので決算月過ぎてからじゃ遅いです。基本的には決算月の3〜4ヶ月前には「見込み」を出すくらいのことをしないと間に合いませんね。

「このままいくとこんな感じになりますよ〜」という状態にした上で納税対策をするわけですね。

あくまで見込みなのでずれる所はずれます。とはいえ、目安ぐらいは出しておかないと検討することもできませんからね。

その目安とするためにも、進捗を見れないとだめだよねっていうところですね。

はい。月次でちゃんと締めていくっていうことを行っていないと、「いざ」というときに大変な思いをするわけです。


次回、“vol.5 意外と簡単!電子帳簿保存法に適応した業務手順”
お楽しみに!