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出生前診断を受けた後の2週間の記録

こんばんは、妊娠18週を突破しました、妊婦のいおりです。
今回は賛否両論あって話題になっている出生前診断を受け、結果を待った時の「不安と葛藤と希望が混ざって何とも言えなかった2週間」についての記録を残しておこうと思います。

結論、12週で受けた出生前診断(コンバインド検査)は陰性と出たので「確定検査はしない」と決めました。が、仕事をいつも通りこなしながらも結果を待ったものの、人生で一番長いと感じた2週間と言っても過言ではなかったです、正直に言って。

今も仕事を続けていて、出生前診断を受けようとしている方や、同じようにコンバインド検査や出生前診断を受けた方がいれば、私の記事にきっと辿り着くかもしれません。何か参考になることがあれば幸いです。

コンバインド検査を受けるまでの経緯、状況

まず、妊娠が分かった時点で出生前診断を受けると私たちは決めました。NIPTと悩んだのですが、まだ30歳の初産ですし、エコーで見てずに血液だけで何が分かるんだ?という気持ちがありました。しかもコンバインド検査の方が3万円で受けられて安いということもあり、NIPTはやりませんでした。

赤ちゃんの方は週数相当の大きさに順調に成長していて、心臓もエコーで見たりして、異常の指摘は一度もありませんでした。悪阻も生活に支障が出るようなこともなかったので、私は正直、幸せいっぱいでした。

はい、完全に余裕ぶっこいていました。

検査で雲行きが怪しい…恐怖の2週間の始まり

妊娠12週目、夫と二人で見る初めてのエコーでした。私は何の不安もなく、エコーを初めてみる夫に「アレが心臓で、アレが頭で、隣が手だよ!あ、投げキッスしてる~可愛い〜💖」と初めての経腹エコーを楽しんでいました。

が、楽しかったのは序盤の10分だけ…お医者さんは何度も首の後ろにあるむくみを正しく計測しようとエコー写真を無言で何度も連写しまくっていました。

私は「検査で思ったことは全て包み隠さず話して欲しい」という希望を出していたので嫌な予感がしてきて、お医者さんに「あの〜すごく連写してますけど、何かあったんですか?」と聞くと、これまた深刻そうな声のトーンでこう言われました。

「首のむくみをNTと呼ぶのですが…3㎜あるんですよ。2㎜くらいならと思いましたが、3㎜あるので…ギリギリかもしれません…」

私、凍り付きました。想定外の出来事でパニックにもなり「心臓は大丈夫ですか?鼻はありますか?手足の長さや頭の大きさはどうなんですか?…検診で何にも今まで言われたこと無かったのに?!?!」と慌てふためきしました。

お医者さんは、血色が一瞬で悪くなった私を見て「心臓は問題なさそうで、鼻骨もしっかりあります!週数相当の大きさに育っていることも間違いありません!」とすぐ教えてくださいました。

首のむくみだけでは何も判断できない、そのために血清マーカー(血液検査)でホルモンの数値を見るわけなので、注射器が嫌いな私はいろんな意味で震えながら採血をし、放心状態のまま、割と冷静な夫と帰りました。

帰宅後、ついに泣いてしまう

夫は「結果を待とう、大丈夫。今は考えすぎないようにしよう。」と落ち着いてアドバイスしてくれましたが、私はもう地獄が始まったかのように不安でした。エコー写真に書かれた数値をネットで検索したりして、答え合わせが止まらなくなりました。

少し首の後ろがむくんでいるだけで…うちの子の何が分かるって言うんだ…

そう思う心の真後ろには

もしも思わぬ結果が出てしまったら、どうするの?

と自分に残酷に問う自分もいました。

コンバインド検査は非確定検査なので、次は羊水検査か絨毛検査をしなければなりません。私はお腹に大嫌いな注射針が刺さるシーンよりも、もっと恐ろしい場面を見るのか?と想像するだけで身震いがしました。

誰でも良いから「あなたの子は大丈夫」って言ってくれよ!!!

そう思うたびに仕事中に思い出して涙が出たりしました。それでも待つしかありません。でも無理でした、気持ちが待てません。

私はとことんググりました💻 そして、一個一個、検査時の記憶を頼りに答え合わせをしました。

・心臓の動きの波は異常が無さそうな形に似てる、近いから大丈夫そうだな…健診でも問題ないと言われたもん
・脳みそと頭蓋骨もあるとお医者さんに言われたから、これも大丈夫
・太腿の骨も立派な長さがあるなら大丈夫なはず

などなど、首のむくみ以外は問題なさそうと思ってました。

また、NTが3mmでも異常なしで生まれる確率は本来9割以上あるという、お話にも辿り着きました。

とはいえ、一度安心しても不安の波はおさまりませんでした。
気晴らしに赤ちゃんが生まれた後に必要になる道具やおもちゃなども見に行きました。それでも「検査次第でこれが叶わないかもしれない」と思うと、目の前の景色がモノクロに見えた気もしました。

毎日毎日、次の日が来るのが遅すぎる…親になることを試されているのだろうか?とか、夢でも見ているのか?と思うくらい辛くて、悲しくて、よくこんな時期に私、仕事できたなぁと思いました。言葉で表せないくらい複雑な気持ちをずっとずっと抱えて働くなんて難しすぎると実感しました。

結果発表当日は大学入試より緊張した

結果発表前にはたくさん泣き、何度も赤ちゃんを信じ、病院へ向かいました。が、いざ呼ばれたら急に診察室に猛烈に行きたくなくなり、「もう嫌、あの部屋に行きたくない」と言いながらも、夫に連れられて入室しました。大学入試の合格発表日に自分の番号を探す、あの嫌な緊張感を遥かに上回る重い空気を感じました。

お医者さんは封筒から結果表を出し、1コ1コ説明してくださったのですが…私が過呼吸でも始まったみたいに呼吸が浅くなり、先生の言ってることが全く頭に入らないくらい緊張し、ついに大粒の涙も止まらなくなってしまいました。もう字も色も頭に入ってきませんでした。

お医者さんはそんな私を見て「あの、Negativeって書いてますよ!これは陰性という意味です!!」と結果を言葉で知らせてくださったので、怖かった書面をやっとやっと読めるくらいまで落ち着きました。

結果、NTが3㎜あったとしても、血液検査でホルモン数値が「染色体異常ではなさそう」と証明してくれました。

病院によって診断基準が様々ですが、3㎜以下であれば私の診断数値の場合、490分の1が目安で、カットオフ値の220分の1より分母の数値が少なかった場合は陽性と出る仕組みだったのですが、私は390分の1でした。リスクは0.25%で、カットオフ値よりは分母の数が大きかったので次の検査をするほどでもない、という見解を出しました。たった数%も見逃さない検査か…と思うと、確定検査を一瞬考えましたが「数字だけ見ればさ、390回出産して1人の確率ならさ、大丈夫じゃないかなぁ?」と私も冷静に話せたので検査は一件落着となり、今回の不安は解消されました。

生命の誕生は世界一の奇跡

私はこの検査で不安や葛藤だけでなく、赤ちゃんが大きくなるまでの奇跡や儚さ、生命力の凄さを改めて感じました。

出生前診断は任意検査なので、中には受けない方もいます。ただ、私は実際に検査をして、この検査は子どものことを知る以上の意味があると思いました。

今まで親に甘えて生きてきた、三十路になったばかり私のところにやってきた勇者の命…最初はたったの5mmしか見えなかった身体が当時は10.3cmまで大きくなり、一丁前に心臓もあって堂々とお腹にいました。2頭身になった時は「本当に可愛い」とテンションが上がったのも覚えています。13週くらいになると小魚がお腹の中ではねたような動きを感じたのもはっきり覚えています。

どんな困難があっても、きっと、この子なら突破できる!だって、こんなに立派なハートがあるんだから‼️と逆に胎児に勇気づけられて、私もいっちょやったろう‼️と励みになったことがあります。

みんな違って、みんな良い それなら
みんな強くて、みんな愛おしい だと
素直に思いました。

出生前診断の結果待ちで震えているお母さんたち、お父さんたち、涙と不安の渦中で心も日常も忙しなくなってる人もいるかもしれません。私も実際、落ち着きをなくしてドタバタしてました。

お母さん、お父さん。どうか、世界一の奇跡を感じてください。どんな結果であれ、お母さんとお父さんの元へやってきた愛おしい命を心から抱きしめてあげてください。

結果待ちの時の心得

最後に「出生前診断の結果待ちのときの過ごし方」をお伝えしようと思います。

引き続き、お母さんの心身の健康を最優先してください。そして気になることは気持ちを含めて全部お医者さんに伝えて、納得がいくまで話しまくってください。(お医者さんがいないところでアレコレ悩むのが、私は一番しんどかったです)

不安で誰かに相談に乗ってもらいたいときがあると思いますが、超絶ナイーブな話題なので誰も答えてくれないことが多い
です。遺伝カウンセリングも結果が出ないともしもの話しかできないのでモヤモヤしっぱなしになると思います。ご家族に相談したとしても、こういった診断を受けたか覚えていない方に相談すると、言葉のチョイスが悪くて自分が傷つく可能性もあるので、身内には結果報告だけ連絡する方が良さそうです。

感情論ばかりになってしまいますが、もうこれは自分で自分の気持ちをなだめる、自分のことは一切責めないのが一番の薬です。

どうしてもネットやInstagram、Twitterで調べまくらないと気が済まない場合は気が済むまで検索しても良いのですが、検査結果を見ないと結局おさまらないので敢えてスマホの電源を切っておくと良いです。
ほかにも気がまぎれる他の趣味を楽しむ、気分とノリで左右されにくい仕事から片づける、天気が良い日は散歩しに行く、ひたすら掃除する、とにかく不安の涙を流し切るのも良いと思います。

この待機期間が2週間あったとしたら、2年くらいに感じるくらい不安になる人もいると思います。ただ、いずれ結果は伝えられますので、その時間には必ず終わりがきます。「どんな風に命と向き合い、かけがえのない命と過ごす時を愛し、どう自分たちらしく過ごすのか」など、先のことに目を向けてみてください。


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