鰹日記Lv12:なぜ私たちが安全に暮らすことができるのか。
どうも。インベスター鰹です。
在宅生活が始まってから、毎日散歩をしているのですが、
住宅地を歩いていると、たまにセコムやアルソックのシールを見かけるねん。鰹もなんかセキュリティはいってたかなーと疑問に思って、
自宅に帰ってみると、セコムに入ってたわ。あんまり使ったことないから意識してなかった。
んで、色々セコムについて調べてみると、すごい優良企業ってことがわかったから、今日はセコムグループについて調べたわ。
要点
・欧米のビジネスを日本に輸入して行うタイムマシーン経営から創業
・ブレイクのきっかけは東京オリンピックの受注とメディアへの露出
・労働集約型ビジネスからITビジネスへ変貌、Bo B から B to Cへ事業拡大
・7年間の平均売上高成長率は7.9% 、直近売上高は1兆138億円で業界1位
・過去5年間の株主総利回り(TSR)は42%とアルソック85.6%比較では低い
・明日5月12日の決算発表に注目！
1.歴史
セコムは1962年に創業。海外のビジネスを日本に輸入するタイムマシーン経営から始まる。最初の営業方法は、警備料を3ヶ月前納、前払い、知り合いに頼らないという強気の営業だったので苦戦。前払い課金モデルはキャッシュフローが安定するので非常に良いが、この最高峰がサブスクリプションモデルやな。
わが国初の警備保障会社、日本警備保障（株）を創業した飯田亮と戸田寿一は、創業の前年、ヨーロッパから戻った共通の友人から、「欧米にはセキュリティ会社があり、警備という仕事がある」と聞き、まだ日本にない新しい事業であることから創業を決断しました。
(出所:https://www.secom.co.jp/corporate/vision/history.html)
知名度が上がったきっかけは、ドラマ「ザ・ガードマン」、東京オリンピックの選手村の警備の受注、108号連続射殺魔事件の逮捕に貢献したこと。昔はテレビ媒体でのマーケティング効果は絶大やったんやな。前回も書いけど、マツモトキヨシもCMで知名度が上がった。鰹日記Lv9: 薬局経営。起業で一番大切なことは、エンターテイメントです。
ご契約先が徐々に増え始めた時、東京オリンピックの選手村などの警備を受注し話題になりましたが、人的警備だけでは多くの警備員を擁することになり発展がないと考え、1966（昭和41）年、日本初のオンライン安全システム「SPアラーム」を開発しました。
当初契約は伸び悩みましたが、1969（昭和44）年に「SPアラーム」が108号連続射殺魔事件の犯人逮捕のきっかけとなったのを機に、急成長していた巡回警備を翌年から廃止して「SPアラーム」を拡大。緊急発進拠点の増大、コントロールセンターの拡充、CSS（コンピューター・セキュリティ・システム）化などで、1970年代から普及が進みました。
(出所:https://www.secom.co.jp/corporate/vision/history.html)
1981年、B to BビジネスからB to Cへの拡大。1981年に家庭用安全システム「現セコム・ホームセキュリティ」を開発したことをきっかけに、IT企業へと変貌を遂げ、日本警備保障からブランド名だったセコム(SECOM)に社名を変更し、海外市場への逆輸入も含めビジネスを拡大していった。
2.会社概要とビジネスモデル
2019年3月末時点でのグループ社員数は63,080名で主な事業は7つ。
コア事業はみなさんがよく知っているセキュリティ事業。
日本には、警備業法と言われている法律があって情報を受信してから、25分以内に現場に行く必要があるルールがあることから、全国各地2800カ所に拠点を置いているねんな。
鰹が頻繁に行くセブンイレブンは全国に20,938店舗あるけど、セブン比較しても約10分の1。この莫大な数のネットワークから、様々な情報を入手して、サービスを向上しているのもビジネスの特徴。
次に、それぞれの事業の売上高や特徴を調べていきます。
要点
・事業は7つ。メイン事業はセキュリティーサービス事業
・警備業法で情報を受信してから25分以内に現場に行く必要がある
・全国約2800カ所に拠点をおいて警備を行う
**3.売上高と成長率
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2019年期の売上高が約1兆300億円。ALSOCでお馴染みの綜合警備保障の売上高は約4430億円。セコムは業界で圧倒的な売上高。ちなみに、現段階で日本で売上1兆円を超えている企業は約150社強。その中でも、営業利益ではトップ100位以内に入ります。
次に事業別の売り上げ高をみます。
最も売上が多い事業は売上高比率55%のセキュリティーサービス。
セキュリティーサービスの特徴は、オンラインセキュリティで、機械を会社や家に設置して、セコムコントロールセンターで監視し、なにかあれば警備員が駆けつけてくれるサービスです。だから、全国約2800カ所に事業所を置いてるんやな。一方で、現在はロボットやドローンを使って監視するなど、最新技術のITを活用しているのも特徴的。
セコムは、この機械の研究開発、製造、販売、設置工事、24時間の監視、メンテナンスまで一貫で行うのが特徴。下の図は、契約先の内訳。
(出所:https://www.secom.co.jp/corporate/ir/lib/AR/2019j_full.pdf)
また、次に売上高が大きい火災事業では、業界大手の能美防災とニッタンをセコムグループに取り入れ、ビル、工場、プラント、住宅などに防災システムを提供して売上を上げています。
他の事業でユニークなのは、子会社であるパスコの地理空間サービス事業です。人工衛星、航空機、ドローン、専用車両に搭載したセンサーを活用して収集した国内外の情報を解析して、気候変動などの社会課題の解決に向けた、地理空間情報サービスなども行っています。
詳しくはパスコのホームページをみてください↓。
https://www.pasco.co.jp/products/
要点
・売上高は業界トップで約1兆300億円。日本で売上高1兆円以上は約150社
・主力事業はオンラインセキュリティで売上高比率は約55%
・最近はロボットやドローンなどIT技術を駆使したサービスも開始
・地理空間情報サービスなどのユニークな事業も行う
4.稼ぐ力
次に稼ぐ力を表す指標であるROICとWACCを比較します。
ROIC(投下資本利益率)は投資家や債権者から集めた資本に対してのリターン＝稼ぐ力
WACC (加重平均資本コスト) は銀行や株主から資金を調達するための加重平均コスト
したがって、調達するコストよりも、生み出すリターンが大きくならないとあかんな。つまり、ROIC>WACCが良い。
ROICの式は= 税引き後営業利益(NOPAT) / 投下資本(株主資本＋有利子負債)
同業界で一番ROICが高いのはセントラル警備保障の約11.5%。営業利益は低いですが、総投下資本が圧倒的に低いのでROICが高いです。なぜセントラル警備保障の総投下資本が低いのか、ビジネスモデルを調べてみたら面白いかもな。(だれかわかったら教えてー）
セコムに関しては、ROICをWACCで割ったROIC-WACC比率は1.05と資金調達コストよりも稼ぐ割合の方が高く、良い経営をしていることがわかります。
財務の安全性を図るDEレシオは約6.5%と日経平均225の構成銘柄中央値の約57%と比較しても、低水準にあることから強固なバランスシートをしてるといえます。
要点
・セコムはROIC/WACC比率が1.05であり、投下した資本から生み出されたリターンの方が資金を調達するコストよりも高く良い経営をしている
・現金同等物も約5100億円以上保有しDEレシオ(%表記)が6.5%と強固なバランスシートで返済能力が高い
DEレシオ(負債資本倍率)
企業の借金である有利子負債が返済義務のない自己資本（株主資本）の何倍かを示す。数値が低いほど財務内容が安定している。
DEレシオ＝有利子負債÷自己資本（株主資本）今回は×100の%表記
5.株価と市場からの評価
過去10年間、2010年から現在までセコム株を保有したとすると、株主総利回り(TSR)は約139%の計算結果。現在の配当性向も約39%と高い。(綜合警備保障(アルソック)は約30%)
株主総利回りは配当とキャピタルゲインを合わせた投資家の総合投資利回りで、金融市場では、1年、3年、5年の期間でのTSRがよくみられる。
配当性向（％）は 会社が事業によって得た利益をどのくらい株主に還元しているかを表す指標 ＝ 配当金支払総額 ÷ 当期純利益 × 100
10年間の株価収益率平均は約18.5倍。直近のPERは21.8倍と比較的高水準。
東京オリンピックが延期になったことを受けて、サービス需要が少し落ち込むと予想されるが、コロナによる生活環境の変化から、子供を対象にしたサービスや介護事業への注目が高まるな。
明日5月12日は2020年3月期の通期決算発表が予定されているので、ぜひみんなで結果をみよか。
要点
・10年間の株主総利回りは約139%
・現在のPER21.8倍は過去10年平均18.5倍と比較して少し高水準。
・明日5月12日は決算発表
6.最後に
調べてみて、海外と比較して日本で安全に生活できるのも、セコムやアルックの警備会社のおかげやねんなと思ったわ。
ふと疑問に思って、調べて、いいサービスを提供してる会社があったら、
ぜひビジネスモデルや財務状況も調べてみてやー。
ほな。今日も一日ご安全に！
どうも。インベスター鰹でした。
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