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鰹日記Lv9: 薬局経営。起業で一番大切なことは、エンターテイメントです。

どうも。インベスター鰹です。

日常生活からネタを発掘して、毎日1社について
勉強してる暇人です。

さて、そんな暇人鰹ですが、最近
匠の技シリーズの最高級天然煤竹(すすたけ)耳かきを購入しました。

耳かきが大好きで、色々な物を試しましたが、これが一番やと思いました。
細いけど頑丈なので、耳の奥まで入って、綺麗に掃除してくれます。

この耳かきは、岐阜県の関市で作られてるみたい。関市は鎌倉時代から刃物の町で有名みたいなんやけど、今でも職人さんがいて、匠の技シリーズみたいに技術を活かした商品をつくってるんやって。

そして、この耳かきとの出会いはマツモトキヨシ。

マツモトキヨシは、匠シリーズみたいに、他社から商品を仕入れて販売するだけでなく、プライベートブランドも製造して展開している国内大手の薬局。 

ということで、今日は、マツモトキヨシについて調べます。
3分程度でマツキヨについて学べるので、ぜひ読んでみてや。

1.歴史

1932年に松本清氏が「松本薬舗」を創業。当時、なかなか物が売れなかったので、店舗で猿を飼ったところ、子供にウケて大人の集客もできるようになったみたい。 客寄せパンダならぬ、客寄せ猿やな。おもろい。

1951年に「薬局マツモトキヨシ」に改称。店の名前を自分の名前にすることで、みんなが覚えてくれることや、子供でも読みやすいカタカナにしたみたい。創業者はエンターテイナーやったとことがわかるな。

それから店舗を拡大させ、CMで知名度を上げて、1999年に東証1部へと上場。東証2部を飛び越えて、いきなり1部に上場したことは非常に稀なケース。

2.会社概要

マツモトキヨシホールディングスの主な事業は3つ。
①小売店舗事業
②卸売り事業
③管理サポート事業

①小売店舗ビジネスは、多くの皆さんが知っているように、マツモトキヨシなどのドラッグストア店舗で、医薬品、化粧品、雑貨、食品などを販売。フランチャイズも運営。2019年9月30日時点で1681店舗

(出所:https://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/ir/pdf/anual/an_mid20.pdf)

②卸売り事業は、マツモトキヨシが運営する店舗やフランチャイズ加盟店への商品仕入れ・販売などを行う事業部。

管理サポート事業は、グループの経営管理、プライベートブランドの商品企画、店舗の建設・資産・保険管理等を行う事業部。

-ビジネス-
ドラッグストア業界は、食品なども扱ってスーパーマーケット化していく薄利多売ビジネスと、利益率の高い薬や化粧品等を販売するビジネスの二極化状態。

マツキヨに関してはどちらかというと後者。

今までは、店舗拡大、プライベートブランド販売、M&Aによってビジネスを拡大してきた。例えば、今年の1月にココカラファインと経営統合をすると発表したな。

今後は、ココカラとの共同開発、マーケティングの強化、物流効率の改善に力を入れるという。そして、単なるドラッグストアではなく、「美と健康の分野になくてはならない企業グループ」を目指して、ヘルスケアサービス、デジタルマーケティング、積極的なグローバル展開を行うんだって。


3.売上高と成長

目標は美と健康の事業分野で1兆円企業になること。 

直近2019年3月期の売上は5759億円過去5年間の平均成長率は2.7%。
業界トップレベルの売上高は、ツルハドラッグ(約7820億)やウエルシア(7800億円)。

したがって、ココカラとの経営統合で(売上約4000億円)で、マツキヨは業界最大ドラッグストアになるかもしれない。

今後、PB商品や独自のデジタルマーケティング力などを活かして、
”地域密着型の薬局"や"高齢化社会を捉えた"かかりつけの薬局"などの経営戦略で勝負。

みなさんは、マツキヨで何を購入しますか。鰹は耳かき。

下図は、商品別の売上高構成。売り上げの70%以上は医薬品と化粧品からきてる。薄利多売ではなく高利益率の商品がポイント。

(出所:https://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/ir/pdf/financialbriefing/financialbriefing_2020_03.pdf)

利益率
業界売り上げ2番目のウエルシアの過去5年の営業利益率平均は約3.8%。
マツキヨは6%前後。
銀座とか好立地戦略をとっているのにもかかわらず、利益を出せているのは、繰り返しやけど、プライベート商品などの高利益率の商品販売。また、海外からのインバウンドもしっかりとれているのも理由。

ココカラファインの営業利益率が約3%前後なので、経営統合によって、
マツキヨブランド展開がうまくいくと追い風になるな。


4.稼ぐ力

ROICとWACC。

ROIC(投下資本利益率)は投資家や債権者から集めた資本に対してのリターン(=稼ぐ力) 。
WACC (加重平均資本コスト) は銀行や株主から資金を調達するための加重平均コストやから、調達するコストよりも、生み出すリターンが大きくならないとあかんな。つまり、ROIC>WACCが良い。
ROICの式は= 税引き後営業利益(NOPAT) / 投下資本

投下資本が店舗型の大きいビジネスは、ROICは低くなりがち。マツキヨは他2社と比較して、投下資本額が大きいので、税引き後営業利益が高くても、ROICが低くなりがち。したがって、スギホールディングスやサンドラッグと比較すると、ROIC/WAC比率は低水準。


5.市場からの評価

最後に株価と株の割高・割安の指標を見るで。
直近の株価は3605円。年初来で約-15%下落。

PER(株価収益率)=株価/1株当たりの利益(EPS)
株価= PER × EPS 
金融のプロはこのPERやEPSを予想します。

過去の実績値を見ると、5年平均で約16.5倍ほど。現在は15倍弱なので比較的低水準。また、チャートをみてわかるように同業他社比較でも比較的低水準。

今後は、ココカラファインとの統合、地域を囲い込んだ高価値戦略を考えるともう少し評価されてもええのかなー。

6.まとめ

マツキヨは美と健康の事業分野で1兆円企業を目指す。
薬、化粧品、調剤、プライベートブランドなどの高利益率商品の販売やココカラファインとの経営統合で売り上げと利益を拡大させていく。

また、地域や高齢化社会を捉えた新しい経営戦略、6000万人を超える顧客データを元に、ITを活用した次世代マーケティング、そして海外でのビジネスも拡大させていく巨大、スピーディー、エンターテイメントな会社や。

今後、マツキヨのかかりつけの薬局を見つけたり、めっちゃ良い化粧品、薬、耳かきを見つけたら、それを買うだけじゃなくて、
株も調べてもいてもいいかもな。

また、店舗経営で困ったら、猿を飼うことも大切やな。

ほな、疲れたので、耳かきしてきます。

どうも。インベスター鰹でした。

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