裏鬼門の守護 石清水八幡宮
京都の鬼門を守護するのが比叡山延暦寺であるならば、裏鬼門を守護するのがこの石清水八幡宮。石清水八幡宮の本殿は日本一カッコいいと思っています(国宝)。知っている人は当たり前に知っている物凄く由緒ある神社ですが、知らない人は知らない。最高に最強だから是非とも1度は訪れてみてと言いたい記事です。まずはそのポイントと外観をいくつか。
ここが凄いよ!石清水八幡宮
・徒然草だよ!
・山全体が神域だよ!
・エジソンの電球だよ!
・本殿がかっこよすぎるよ!
・信長、秀吉、家康らも信奉したよ!
・サイクリングにちょうどいい距離だよ!
・周辺も色々楽しめるよ!
お正月の巨大八幡御神矢が最高にエモい
GWにはライトアップも
■石清水八幡宮の位置
外国人観光客アンケートで連覇した伏見稲荷、10円玉であまりにも有名な宇治平等院鳳凰堂も加えた位置関係は下図の通り。
電車だと最寄りは京阪八幡市駅。そこから20分ほどかけて歩いて山頂に行くか、ケーブルカーに乗るかの二択になります。
大阪中心部からは片道約35kmなので観光ついでのサイクリングに出かけるのにもいい距離。淀川沿いのサイクリングロードをひたすら北上すればいいだけのため、迷うこともないし快適に飛ばせます。
また、奈良から約30km、京都は出町柳から約20kmと、いずれもポタリングしながら行ける距離です。
行き帰りでルートを変えて走った一例
■徒然草
仁和寺の法師が「一生に一度は石清水八幡宮へ行きたい」と参詣したが、山麓にある高良社等を参拝しただけでこれを石清水八幡宮だと思い込み、山上には行かずに帰った。「些細な事でも案内が欲しいものだ」という教え。
子供のころに習ったと覚えている人も多いのではないでしょうか?それだけ山麓の施設から既に立派だったんですね(戊辰戦争で焼失)。高良社との関係は下記の西野神社さんの記事に詳しいです。
山麓の頓宮殿でこの立派さ
現在の高良神社は小ぶり
山全体が神域でとても広く、ハイキングコースも3ルートくらいあります。参道を歩くかケーブルカーに乗るのが最もメジャーですが、車や自転車で普通に山上まで上がることも可能。
2014年には表参道を使ってマウンテンバイクレース(レッドブルホーリーライド)が行われており、これは迫力満点です。
自転車で来る人もいました
■最高クラスの由緒正しさ
二十二社の1つで伊勢神宮と並ぶ二所宗廟。さらに宇佐神宮・筥崎宮(もしくは鶴岡八幡宮)とともに日本三大八幡宮として数えられます。また宮中の四方拝で遥拝される神社の1つ。と、由緒正しさを挙げはじめれば枚挙に暇がありません。
そして石清水八幡宮で忘れてはならないのがエジソンの電球。フィラメントに用いる材料として世界中の竹を探し回り、たどり着いたのが男山の八幡竹。その功績をたたえ、エジソン記念碑が境内の隣に建立されています。
男山の竹とエジソン記念碑
由緒正しいから巫女さんもたくさん
■武神としての信仰
元々から石清水八幡宮は武神、弓矢の神として信仰されていました。そしてそれをより一層強くしたのが源氏一門。源氏が氏神として尊崇することで、宇佐-石清水-鶴岡と繋がる八幡宮の勧請は全国各地へと広がります。
なお、鶴岡八幡宮の破魔矢は石清水八幡宮から授かった弓矢にちなむと言われ、鶴岡八幡宮に伝わる国宝の「朱漆弓」・「黒漆矢」・「沃懸地杏葉螺鈿平胡なぐい」は、源頼義が石清水八幡宮から賜った破魔弓と破魔矢を奉納したものと伝えられています。
お正月に八幡御神矢を購入すると、目の前で清祓の神楽舞を奉仕いただけるのでオススメ。
こんな強そうな御神矢は武家が信仰して当然
織田信長、豊臣秀吉、徳川家康といった戦国期大物中の大物も石清水八幡宮を信奉し、寄進をしています。そして、現在の社殿は三代将軍家光の修造によるもの。
この中でも特に織田信長は「黄金の樋」を寄進したことで有名です。長さ21.6m、厚さ3cmに及ぶこの樋は、もし本殿が何らかの理由で消失したときに、黄金によって新しく本殿造営ができるようにと伝えられています。
昇殿時は撮影禁止なので写真はありませんが、昇殿参拝が原則1日2回は設けられていますので、ぜひご自分の目で確認してみてください。昇殿参拝ではお祓い・参拝のあとに神職から社殿の案内をしていただけます。
本殿を囲む耐火性に優れた塀(信長寄進:信長塀)
■石清水灯燎華
はいこれ最高。例年GWに行われる年に1度のライトアップ。ただでさえ美しい朱色が蝋燭に照らされて映える映える。これはもう来て見てくださいとしか言いようがない。めちゃくちゃ綺麗です。
しかもただライトアップするだけではありません。様々な笛を奏でる奉納演奏や神前神楽舞など、その場にいるだけで楽しませてくれます。
正直な話、最高すぎるから多くの人に見てもらいたいと思いつつ、あまり混まないように人気が出すぎても困るという複雑な気持ちです。
点灯前の様子
森田梅泉氏による奉納演奏
神楽舞と和楽器演奏
こんな写真の100倍綺麗です
■男山展望台
ケーブルカーから降りてすぐの階段を上ると展望台。淀川三川合流地点~天気が良ければ京都タワーまで視界が通ります。
■背割堤周辺(淀川三川合流地点)
ここからは石清水八幡宮から少し離れて周辺の紹介を。まずは関西でも有数の桜スポットである背割堤。桜スポットは紅葉スポットでもあるため、春・秋シーズンのどちらも楽しめます。
ここにあるさくら出会い館はサイクリストの集い場でもあり、淀川サイクリングの出発点として活用されています。そしてさくら出会い館のタワーから右側に見える山が天下分け目の決戦場「天王山」。歴史に思いをはせるのも一興です。
桜と紅葉
さくら出会い館から出発するサイクリスト多数
■善法律寺、松花堂
石清水八幡宮から南へ下ると善法律寺や松花堂があります。善法律寺は足利三代将軍義満の生母・良子ゆかりの寺院。境内には良子が寄進したモミジが多数あり、通称「もみじ寺」。紅葉の季節がお勧めです。
善法律寺の秋と春
江戸時代初期・寛永文化の中心となって活躍した松花堂昭乗ゆかりの松花堂庭園。松花堂弁当の発祥の地でもあり、庭園を観ながらお弁当を味わうことができます。松花堂美術館では弁当箱展がやっていたりすることも。
■宇治
八幡から宇治までは約10kmくらい。自転車でここまで来たならふらっと足をのばすのもあり。今回の記事は宇治メインではないため、平等院以外の宇治の魅力をちょろっとだけ貼っておきます。
グッドデザイン賞受賞の京阪宇治駅
宇治川と宇治橋、朝霧橋
宇治神社と宇治上神社
宇治市観光センター
大吉山展望台
大阪から宇治まで片道45kmくらい
■まとめ
冒頭に述べたように石清水八幡宮の本殿は日本一カッコいいんです! 個人的には伏見稲荷や平等院鳳凰堂よりも満足度が高いかもしれないと思っています。この2つは常に激込みでゆったりと行くのはなかなか難しい。それに対し、石清水八幡宮は朝8時くらいだと境内独り占めとかも可能。
大阪・京都に観光に来るなら、是非とも一度は足を延ばしてみてはいかがでしょうか?
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