チセと菊次郎
ふたりと出逢ったのはおととしの9月。わたしは最愛の愛犬ゴマシオーネを見送って3年半くらいが経っていた頃。
友人がアップした黒くてすっとぼけた顔をした雑種の子犬に一目惚れ。(友人撮影)
友人の動物保護団体に保護されたばかりだったので、カメラマンであることをいいことにかわいい雑種の子犬を撮影させてくれる?とお願い。「飼って~」と言われるプレッシャーに弱いので里親さんになれたらなとおもう気持ちは隠しておいて初対面に臨んだ。(結局バレバレだったのだが(笑))
彼とのなれそめを書くとたいそう長くなるのでそれはまたいつかの機会として。私はこの黒い雑種と一緒に住んで、もうかれこれ1年半になる。そして、もう一頭のやさしい茶色の美しい雑種はこの日の写真がきっかけとなって、ご縁つながり友人の愛犬となった。
この当時、茶色の雑種がチセ、黒い雑種は菊次郎という名前の保護犬だった。チーちゃんは茨木か千葉の山の中で半年くらいまで一人で生きていた元野犬。そのせいもあって当時かなりのビビリンボウ。そのうえ日本では10キロを超える中型雑種の成犬は縁がつながりにくい傾向にあり、当時8か月のちーちゃんは預かりボランティアさんのところに長くいた。
菊次郎は生後1~2か月くらいで多摩川の河川敷に段ボールに入れられて兄弟犬4頭で棄てられていた。大変運のいいことにとても良い方に拾われ、その方が3頭の里親さんを探してくださった。しかし菊次郎だけは黒くて雑種っぽくて貰い手が見つからず、今度は川崎の動物愛護センターに放棄されてしまう。そしてすぐに友人の団体に連絡が入り、1週間後くらいにレスキューされた。9月初頭、当時生後2か月ちょい位。引き出した当日の写真を偶然見て、一目惚れ。菊次郎は、預かりボランティアさんの家へ。そこでチーちゃんと出会った。
当時預かりさんちには預かりさんの愛犬二頭と、保護犬が数頭、そして小学生のOちゃん(男の子)がいた。9月の真ん中位にはじめて会って、悩んで悩んで飼うと決めたのが9月のおわり。10月は撮影のとても仕事が忙しくかまう時間があまりない。一日でも早くと思う気持ちより、仔犬のためにはお留守番の多い今の我が家に来るのはいいこととは思えなかったので、仕事の山を一つ越えるまで預かりさんのおうちで社会勉強をさせていただくことにした。生後2か月から4か月までの約二か月、ふたりは一緒に生活。ちーちゃんは菊次郎を半年違いの弟として、かわいがり、教育してくれていたのだと思う。(会った日も傍若無人に兄ちゃんを噛み放題。預かりさんにたしなめられること多々(笑))
11月1日に菊次郎はDanbowになった。段ボールから虹の架け橋を渡って楽しい世界へ!ということで、段ボールとRainbowを組み合わせた造語でDanbow。その後、数か月後に、チセはチータとなった。
チータとなって数か月が過ぎ、新しい生活がおちついてきた頃、ふたりをあわせてみよう!と半年ぶり位に再会させてみた。それはそれは感動的な再会で、ふたりは(というかDanbowが)甘えた声でじゃれてかまって離れず。ずーーーっとくっついて遊んでいて。そんなふたりを見て、飼い主たちは涙腺がゆるゆるだった(笑)
それからは月に一度くらいのペースで、海やドッグランで二人を遊ばせていたのだけど、思いがけないコロナな日々、緊急事態宣言で撮影もレッスンもすべてキャンセルになり自宅作業のみになってしまった私。この界隈は海や公園の駐車場もドッグランも全閉鎖となりDanbowを想いきり走らせる場所にも行けなくなり。三密を避けるため犬友と遊ぶことも出来ず。。。ボーダーコリーと猟犬のDNAがあわさったと思われる荒くれ若犬は体力持て余して荒くれる一方(笑)そうだ!飼い主である友人はお仕事のちーちゃんをあずかろう!とデイケア「犬まるのようちえん」を開園することにしました(笑)
毎日でもいいのだけど、かわいすぎて仕事が全くできないので、自分の休みを登園日という名の犬孝行DAYにすることに。今日は4回目か5回目の登園日でした。
<三密さけてふたりは蜜月♡ な動画(笑) ↓>
ケージinでないと車が苦手だったチーちゃん。車で5分の距離なので頑張ってもらおうと、初日は一人でお迎えに行って助手席にチーちゃんを乗せ、脱糞おもらししなきゃいいなぁと、ガタブルな彼を時速20キロ位で撫でて声かけてなだめつつなだめつつなドライブからスタート。帰り道はDanbowも乗せてチャレンジ。二人で載るとさらにいい感じでした。
そして、本日。家についてトランクをあけたらこの笑顔!
いや~ 愛の力の力は偉大!!能天気弟のオーラの影響はすんばらしい!!!
今やドア開けると元気よく飛び乗り、ちょっとふたりで乗っててもらっても全然平気♡ いつも思うけど、人間が介入するよりも犬同士で教え合う力っていい意味でも悪い意味でも偉大!(笑)
初代、二代目、三代目の犬達は、3か月くらいでブリーダーさんから迎え、人間との関りだけで育ててきて、私が大変未熟だったので犬たちにとっても苦労をさせたと申し訳なく思っているのだけど。はじめて保護犬を迎え、我が家に来る前も来てからも仕事やプライベートでたくさんの犬達との時間を持つようにして、たくさんのことを彼自身や犬同士の判断にゆだねていたら、本当に思いがけないほどいい犬になってくれたDanbow。これもひとえに、三つ子の魂百までもで、幼少期にちーちゃんや預かりさんが犬の基本を教え込んでくれたおかげ。
先日、犬まるのようちえんの写真を預かりさんに送ったら。「ちっちゃいころは、ちーちゃんがさびしかったDanbowを救って、いまはDanbowの明るさがチーちゃんの心を救ってる。すばらしい!」とお返事が来て。またも泣きそうになってしまった私。
犬たちは、その存在そのものが本当に素晴らしい生き物。人間は犬を犬として尊重して、家族や友人として共存していけたら最高だな~と。今日もまた犬たちをリスペクトした一日となりました。
ちーちゃん、Danbow、二人に関わってくださった犬や人間のみなさまに、心から感謝!
ありがとう。