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箱男
2024年4月13日 20:57
中上健次に『十九歳の地図』という小説がある。主人公は19歳の予備校生だが、とっくに大学進学をあきらめており、ほとんど予備校にも通っていない。主人公は新聞少年でもあり、新聞を走って配って生計を立てている。配達員の寮で暮らしており、日中そとの光の入らない週刊誌や食べかすの散らかった部屋で、寝汗と精液で湿気たふとんで眠っている。少年は物理のノートに配達地区の地図を描いて、贅沢な家で温かいふとん