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☆★2020年度 柴デミー賞(2020 Shibademy Awards)★☆

2020年公開および配信された映画で、75本鑑賞して最もグッと来た俳優、監督、挿入曲シーンを選出する、柴デミー賞の発表となります!
(ついでにワースト映画3本も発表)
それでは、さっそく発表の方にまいりましょう!

★最優秀主演女優賞(Best Actress)
パク・ジフ (Park Ji-hoo)
『はちどり(House of Hummingbird)』

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【選定コメント】
本作が初の主演作となる、2021年2月現在17歳の女優、パク・ジフ。「はちどり」ではこの少女ウニを演じるパク・ジフの、撮影時14歳のフォトジェニックが全編スクリーンいっぱいに炸裂しているところが大きな魅力でした。
端的に言うと、眼福!眼福!!眼福!!!
どこのシーンを切り取ってもウニちゅわんがきゃわゆいのであります。
フォトジェニックにもホドがあります。
もう2020年ぶっちぎりヒロインでしょう。
悩んで怒って恋して笑って、あらゆるカットが目に焼き付いたことが受賞に繋がりました。


★最優秀主演男優賞(Best Actor)
北村匠海 (Takumi Kitamura)
『とんかつDJアゲ太郎 (Tonkatsu DJ Agetarou)』

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【選定コメント】
ダンスロックバンド、DISH//のボーカルを務めながらも、2020年の邦画界に置いてもスターの輝きと存在感を放っていた北村クン。
本作の主演でコメディに初挑戦とのこと!
ャベツを切る包丁さばき、ターンテーブルを回す所作、激しいダンスなど主役としてしっかりと見せ場を作って原作のアゲ太郎を血肉の通ったキャラクターとして見事に演じ切っていました!

また同年公開の『アンダードッグ』では、身体を絞ってストイックなボクサー役を演じるなど、役柄の振れ幅も大きく、今後さらに、様々な邦画でその顔を観ることになっていくことでしょう。


★最優秀助演女優賞(Best Supporting Actress)
ベッキー (Becky)
『初恋 (First Love)』

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【選定コメント】
三池監督久々のバイオレンス作品で、すべてのキャストの中で、その存在感を最も表していて作品の荒唐無稽さに拍車をかけた立役者。
もともとバラエティタレントとして活躍していた彼女。
恋人を殺された復讐の鬼女にスリリングに変貌していく様を、本人が「何回もゾーンに入った」と語るほど狂い咲く特攻な演技で見せる。
その佇まいとアクションは、その濃い顔立ちと相まって、女優としてスクリーンを完全に掌握し、強いインパクトを与えました。
作品を大いに盛り上げた、文句無しの最優秀助演!!


★最優秀助演男優賞(Best Supporting Actor)
宇野祥平 (Shohei Uno)
『恋するけだもの (A Beast in Love)』

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【選定コメント】
本作を面白くしている最大の要素と言ってもいい、一番の強烈なインパクトを放っていたのが、“江野祥平”こと宇野祥平。
ここ最近、バイプレイヤーとして、その演技がいよいよ評価され始めている中で、筆者は本作の宇野クンを断固推します!
傍から見れば、新世界のピンク映画館に出没して相手を物色してそうな関西弁のヒゲ面の女装オヤジですが、スコップ捌きで銃弾を跳ね返すし、格闘になってもやたら強いし、自分の意中の相手(男性のみ)じゃなかったら問答無用で殺すし、絶対に絡まれたくない人物を演じていました!最強!


★最優秀監督賞(Best Director)
二宮健 (Ken Ninomiya)
『とんかつDJアゲ太郎(Tonkatsu DJ Agetarou)』

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【選定コメント】
監督の作品はこれまで観た事が無かったのですが、DJととんかつがテーマの漫画原作を、「DJが鳴らす音楽のヴァイヴス」と、「とんかつのしずる感溢れる描写」を練られた構成やカット割りを駆使して、軽快にテンポよくエンターテインメントとして両立させた手腕はホントに凄かったです。
漫画の実写版の成功例がまたひとつ増えたと言っても間違いありません。

キャスト2人の逮捕などで作品のクオリティとは一切関係ないバッシングを受け、興行的には厳しい事になってしまいましたが、のちのち青春音楽ドラマの傑作として語れ継がれていくような仕事を監督は務め上げました!
ありがとう!これからも観ます!


★最優秀挿入曲シーン賞(Best Insert Song Scene)
「當年情」/レスリー・チャン
『エクストリーム・ジョブ』(EXTREME JOB)

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【選定コメント】
クライマックスの大乱闘が終わり、現場には応援の警察たちが駆けつける中で、チーム全員が現場でソファに座るシーン、ここがなんと、筆者が中学生の頃から好きで今でも観続けているフェイバリット作品の香港映画「男たちの挽歌2」のラストシーンのオマージュ!(上の掲載画像)
しかもかかる曲が、「男たちの挽歌1」のラストでエモーショナルにかかって観客の涙腺を刺激させまくるレスリー・チャンによる名曲「當年情」。
このシーンを初めて観た時、一瞬、唖然としながらも涙を出しながら思わず足もとジタバタさせるほど大爆笑するほどの2020年最高の挿入曲シーン!
まさか韓国映画で聴けるとは思わなかったのでかなりの不意打ち!!

★ワースト映画賞(Worst SHiT Movies)
『デッド・ドント・ダイ (Dead Don't Die)』
『キャッツ (CATS)』
『スタートアップ! (Start-Up)』

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【選定コメント】
『デッド・ドント・ダイ』
コ口ナ禍により休館となっていた映画館が営業を再開した直後に観た作品。ジム・ジャームッシュ監督にはゾンビ愛を感じられません。ゾンビ映画の色々なお約束を分かったつもりで撮っているのでしょうが、すべてが中途半端。ぜんぜん面白くありません。このジャンルの作品としては、ゾンビ映画のお約束に基づいた仕掛けや捻りも無さ過ぎて後味悪すぎました。すべてを「ゆる~く」とかで済ませちゃいけない事もあるんだなというのを、本作のようなゾンビ愛を感じられない凡作を観終わって思いました。

『キャッツ』
起承転結が無い!登場キャラ多過ぎる!一ミリも感情移入できない!とにかく映画の体を成していない!!「全世界で興行的に大コケ」とか「ラジー賞最多6冠獲得」とか既に世界的な低評価も定まった印象ですが、やはりこれは挙げざるを得ない。珍妙で奇怪な映像を観たい人などポスターのキャッチコピー通りの「一生に一度の体験」になるので、怖いもの観たさで観るというのもアリです。二度目は絶対に無いという意味でも。ネコ人間だけでなく、ネズミ人間やゴキブリ人間も登場します!

『スタートアップ!』
2019年度ワーストに選出した『守護教師』に続いて、再び登場!韓国を代表するスーパースター、マ・ドンソク兄貴主演作。メインビジュアルでインパクト大な長髪のドンソク兄貴の珍奇な見た目の出オチで本作は終わっていました。ギャグとシリアス入り組んだドラマがどちらにも振り切れずに中途半端に空回りしてグダグダと消化不良で終わったガッカリ感と残尿感を覚えて劇場を出た事も記憶に新しいです。さりとて、2020年度はドンソク兄貴は『悪人伝』という傑作があったから良し!


以上、2020年度柴デミー賞の発表でした。
次はいよいよベスト映画総括の発表です!

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