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面白く小説を読む方法

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なぜこの小説は面白いのか?その解説をまとめています。
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森見登美彦 著「きつねのはなし」考察その6 物語後半

森見登美彦 著「きつねのはなし」考察その6 物語後半

前回で物語4話について書こうと思っていたのですが、思いのほか長くなってしまったので前後半に分けました。文量が多いのは文章力がない証拠と言われそうです。スミマセン

注意:これより下には小説「きつねのはなし」のネタバレがあります。

3.魔こちらについては歴史の時間で全体の流れは書きましたが、疑問点がいくつかあります。

1.ケモノはどこから来たのか
2.最後どうなった?

1.については、樋口家か

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町田康『夫婦茶碗』を深く読んだら意外な作家にたどり着いた

町田康『夫婦茶碗』を深く読んだら意外な作家にたどり着いた

町田康ほど、つかみどころのない作家は、珍しいのではないでしょうか。「面白い!」というのは読んだ瞬間にわかるものの、なぜ面白いのかは全く見当がつかない。だから、友だちに勧めるときも、「読めばわかるから」としか言いようがない。

今回は、そんな「感想の言いにくい作家」である町田康の『夫婦茶碗』について、解説をしていきたいと思います。

<あらすじ>※ネタバレなし『夫婦茶碗』は、無職の主人公が仕事を探す

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小説の読み方がわからない人におすすめの本がある

小説の読み方がわからない人におすすめの本がある

数ある小説の読み方系の本で、何度も読み返しているものがある。
そのうちの一つが、この『批評理論入門』だ。

【どんな内容か?】小説を面白く書くテクニック、小説を読みこむテクニック、
その両方を分かりやすく書いたのが『批評理論入門』である。

「小説が好き!でもどこが面白いのか説明するのは難しい…」という人なら買って絶対に損はない一冊だ。

「でも入門ってことは、あまり大したことは書いてないよね?」

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話題の『独学大全』にどんな本も面白く読める方法があったので紹介する

話題の『独学大全』にどんな本も面白く読める方法があったので紹介する

読書は面白い「だけどもっと面白くなったらなあ!」

そんな贅沢なことを考える人は強欲です。だって読書がそんなに面白くなったら、一人でやれる、おうちでやれる、他の面白いことよりも安い(新書はだいたい新品で約1000円以下。Switchは新品で約40000円)とまさに最強の面白いとなってしまいます。

けれども人間の欲望は果てしないもの。もしあなたも、読書への期待を捨てきれないのであれば、ぜひ最後まで

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