学歴厨医師による私立医学部紹介①

私立医学部は全国に32校あります。
難易度を国公立と単純比較するのは野暮だと思うので、今回は私立医学部に絞って分析をしていこうと思います。
今回は特殊な医学部を紹介。

私立医学部一覧(文部科学省所管外大学校含)

岩手医科大学、東北医科薬科大学、国際医療福祉大学、自治医科大学、獨協医科大学、埼玉医科大学、北里大学、杏林大学、慶應義塾大学、順天堂大学、昭和大学、帝京大学、東海大学、東京医科大学、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大学、東邦大学、日本大学、日本医科大学、聖マリアンナ医科大学、金沢医科大学、愛知医科大学、藤田医科大学、大阪医科薬科大学、関西医科大学、近畿大学、兵庫医科大学、川崎医科大学、久留米大学、福岡大学、産業医科大学、防衛医科大学校


・自治医科大学

栃木にある大学。
僻地医療と地域医療の充実を目的に設立された大学。
各都道府県から2,3名だけ合格するという特殊な入試方式。
国試の合格率は凄くいい。
卒業後9年間出身県の地域医療に勤めると学費が免除となる。
都道府県によってはとんでもない地方に飛ばされる可能性がある。
偏差値という物差しで測りにくいが優秀な人は多い印象。
義務年限を終えて、希望科に進む人もいるが、金を払って脱北する人もいる。
ちなみに学費を払うとなると、
自治医科大学医学部の学費は、1年次が5,000,000円、2~6年次が3,600,000円となっており、6年間合計で23,000,000円と普通に私立医学部の学費に変わる。
このように卒業生は卒業した瞬間散り散りバラバラになるため、大学病院に卒業生は残らない。学歴差別がない。
大学の周りは何もない。
2022年度の倍率は17.7倍。
定員123
志願者2,179
受験者2,093
合格者123

・産業医科大学

福岡県の北九州にある大学。
1978年設立。
産業医学、産業保健分野の人材育成と産業医学の振興を目的にした大学。
6年間の学費は3000万円程度だが、卒業後9~11年間指定された機関で勤務すれば、産業医学助成費補助金から学費の一部が貸与され、6年間の実質負担額は約1100万円。私立医学部にしては安い学費となる。
産業医大の特徴として、その名の通り産業医の育成に力を入れており、卒業した瞬間に産業医の資格が取れる。
普通の医者が産業医資格を取るためには、10万近くの金額を払い1週間缶詰めで産業医大などで講習を受けるか、チマチマと競争倍率の高い講習を受けて単位を集めることになり、結構だるい。
産業医大を卒業すれば産業医として生きていくことができるので、そのようなコネクションも強く、そういったことを希望する人(あまり臨床医学をやりいたくない人)にはおすすめ。ただその判断を受験生の時点でするのは中々難しい。
大学の周りは何もない。
中々九州から遠い人が受けるのは勇気がいるのかも。
2022年の倍率は12.8倍。
定員80 
志願者1,265 
受験者1,056 
合格者99
ちなみに、僕が受験やり直すなら産業医大は絶対に受けます。

・東京女子医科大学

東京都の新宿区にある医学部唯一の女子大。通称女子医大、TWMU。
1900年創立と歴史は古い。私立旧医専の一つ。
女子大なので当然女子しか受験できないし、入学できない。
都会で遊びたい女子の医学部志望にはピッタリ。
ただし、最近学費が上がり、6年間での学費は46,214,000円と川崎医大についでの学費の高さとなっている。
近年では、大学の不祥事や金遣いに関してマスコミに取り上げられ、あまり評判は良くない状態となっている。逆に言えば何がなんでも医学部に行きたい人にとっては狙い目とも言えるかもしれない。
キラキラした良いとこ育ちの子が多い。
大学病院は男性も入れるので、地方から東京に出て働きたい人にとっては学歴差別がない。
2022年の倍率は5.4倍
定員67
志願者681
受験者651
合格者125

・防衛医科大学校

埼玉県所沢市にある学校。
航空公園というよくわからない駅が最寄り。その名の通り飛行機がある。
1973年設置。通称防医、防衛医大。
正確には大学ではなく、省庁大学校であるが大学卒業と同等の資格となる。
卒業後は幹部自衛官となり、9年間は自衛隊勤めとなる。
学費は大学が負担してくれる上に、給料が毎月117,000円貰え、年2回の賞与もある。
ただし、卒業後9年以内に自衛隊を退職する場合は、卒業までの経費(最高4,305万円)を払う必要があるらしい。
受験資格が21歳未満であることが条件であるため、多浪は物理的に入れない。多浪差別の祖である。
試験が10月にあるため、行く気はないけどお試しで受験する人が結構いるため難易度は高め。
学生生活はwikipediaによるとこんな感じ。
学生の日課は以下のようになっている。

”06:30 起床・日朝点呼
08:00 朝礼・国旗掲揚
08:30 午前課業開始・授業開始
11:45 午前課業終了・昼休み
13:00 午後課業開始・授業開始
17:00 午後課業終了
17:15 国旗降下
20:50 日夕点呼
24:00 消灯
平日(月~木)の外出は許可制であり、17:00~20:00まで認められる。病院実習が始まると、この通りにはできないため、この日課は原則1~4年生にのみ適用される。平日の外出も許可が不要となる。防衛医科大学校30期以降は新カリキュラムの影響で4年生の12月頃から第2大隊に準じた生活となる。
一年の夏休み明けより、基本的に金曜の午後5時から日曜の夜10時30分までの外出ができる。”

生半可な気持ちで入るのはお勧めできない。
僕はここしか受からなくても入りません。逃げ出した人も知っています。

倍率16.3倍
定員85
受験者5,391
合格者330

今日は特殊な大学の私立大学医学部に絞って紹介しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?