見出し画像

【社会起業家取材レポ #02】 ⼦どもが未来にワクワク燃える社会。

SIACの学生が東北で活動する社会起業家の想い・取り組みを取材する「社会起業家取材レポ。今回は、SIA2020卒業生の細川浩直さんにお話しを伺いました!


皆さんは、将来に"ワクワク"していますか?

細川さんは、『学生に"ワクワク"してほしい』という想いを持って活動していらっしゃいます。こんな1文では伝えられないほど、細川さんの想いは非常に熱いです。事業、vision、今までの努力や、今後の展望など細川さんの全てを詰め込んだ記事となっておりますので、ぜひ最後まで読んでください♫

スクリーンショット 2021-12-16 11.42.52

はじめに、細川さんが解決したい社会課題と事業に関してご紹介します。


1.社会課題と事業について


● 
Visionについて

細川さんは、『子供が未来にワクワク燃える社会。』をVisionに掲げ、活動していらっしゃいます。SIAプログラムへの参加前は少しVisionが違い、『子供の貧困を解決すること』を目標としていたといいます。

「当初は、子供の貧困を解決するための仕組みを考えようとしていました。しかし、SIAでの講義やメンタリング、同期の仲間たちとの会話などを通じて、子供たちの"ワクワク"に目を付け今のVisionを掲げました。」


ここで、細川さんが取り組もうとされている事業内容について簡単にご説明します。事業名は「みらいテラス」です。

「みらいテラス」には、ワクワクパートナーと呼ばれる、生き生きしている様々な大人についての動画やレポートが蓄積されています。モヤモヤを抱えた高校生は、様々な大人の生き方に触れることで、未来に対する不安が軽減され、その後の努力や歩みの起点になるのがこの場所です。自分や未来と向き合うことができ、学校や家以外のThird Placeとしての価値、斜めの関係の大人がいることも「みらいテラス」の価値です。「みらいテラス」を通じて地域の大人が、その地域の高校生のロールモデルとなる仕組みを作ります。そして、高校生と大人が一緒になって地域や未来について語り、最終的には何か行動を起こせる場所を目指しています。

素晴らしい仕組みだと思いませんか?
この事業を構想した細川さんの考える社会課題に対する気持ちや事業の詳細もお伺いしましたので、引き続きお楽しみください。


● 解決したい社会課題とは

『なんとなく進路を決める人を減らしたい。』

「大人が、「仕事は楽しくない」と子供に伝え、傷つかない道に導き、子供たちはなんとなく進路を決める。そして、やりたいことが特になく、モヤモヤを抱いたまま仕事に就く。このような子供たちのモヤモヤを晴らしてあげたい、と考えるようになりました。」


● 都市と地方、子供を取り巻く課題

「地方の子供達は皆似た経済環境なので、自分と都会の子に明らかなチャンスの差があることに気づかないことが課題です。最近はSNSなどの浸透によって、都会で輝いている人を見ることで、自分がチャンスを失っていることに気が付き、心の中でモヤモヤを抱くことがあると感じています。一方、都会の子供達にも、はっきりとした貧富の差があり、より一層貧しい子たちが劣等感を抱くことが課題です。」


● 社会課題について考えるようになったきっかけ

「大学時代の経験がきっかけです。私は、教師を目指して教育学部に入学しました。ただ興味が沸いたのは子供の貧困という社会課題でした。実際にボランティアや勉強を進めるうちに、学校の一員ではなく社会の一員として、解決したいという思いが日に日に強くなり、気づいたら就職活動をしていました。」


● 社会課題を意識し始めたことによる考え方の変化

「そうですね。生い立ちによって課題が違い、解決方法も変わってくるので、人の生い立ちが気になるようになったことだと思います。」


● 社会課題解決のために活動していて楽しいと感じるとき

「子供たちの成長が目に見えて分かるときです。「これ楽しい!これなんか良い!」と思った時の子供たちの顔ってすぐわかるしとっても素敵な顔をするんです。これを見れた時に、本当に楽しいと感じます。」


● "ワクワク"していない学生と話すときに大事にしていること

「自分自身が"ワクワク"しているということです。大学生や社会人が、「大学や仕事が楽しい!」と伝えることで、子供たちも「大学で勉強するって楽しそう!」「大人になるって楽しそう!」と"ワクワク"出来るようになると思います。」


● 子供たちに自発的に細川さんの活動に参加してもらうための工夫

「「勉強しない子にどうすれば、勉強しますか?」という問いに似ていると思います。子供に歩み寄り、内発的な動機に向き合える近しい距離の大人や他者(先生、兄弟など)がいるかどうかが重要です。「みらいテラス」でも取り入れたいと考えていますが、進路を考える意識の高い場所にすると身構えてしまうので、どうすれば身構えず来てくれるか考え中です。」


ここまでは、細川さんの事業について詳しくご紹介しました。子供たちだけでなく、子供をサポートする側である細川さん自身も、一緒になって"ワクワク"できる方法で、課題の解決に取り組む姿勢が素晴らしいと思いました。話を聞いていて、私にも細川さんの"ワクワク"が伝わってきました。

iOS の画像

次に、"ワクワク"について細川さんが、どのような考えをお持ちなのかご紹介します!


2.細川さんの考える"ワクワク"とは


● "ワクワク"が重要なわけ

「"ワクワク"がないから、閉鎖的な環境の中で親の指示に従うだけであったり、自信を持って自分がやりたいことを言える中高生が少ないと感じています。"ワクワク"をベースにして動いている人は前向きであり、辛いことも乗り越えられます。一方、"ワクワク"していない人は、仕事に対してのモチベーションがなく、乗り越えるのが難しいです。"ワクワク"していれば、社会も明るくなると思います。」


● "ワクワク"するには

「自己決定の回数が鍵になると思います。子供の自己決定の回数を増やすことが重要です。また、子供が自己決定に後悔しないよう、大人がどう支えていくかということも大切です。子供が自己決定できるような環境を整え、大人が子供の決定を支えていく。これが"ワクワク"を生むための土台になると考えています。」


"ワクワク"に対する細川さんの熱い想いが皆さんに伝わったでしょうか?
細川さんは、周りの人も"ワクワク"させる力があると思いました。常に笑顔で、暗い話の後には必ず最後は笑いに変えて下さりました。また、取材中は、私たちの話を熱心に聞いてくださり、時には質問もしてくださったので、とても話しやすく、楽しい取材でした。

iOS の画像 (1)

では、最後に細川さんご自身についてご紹介していきます。


3.細川さんご自身について

● 過去にやっておきたかったこと

「語学留学はしましたが、学術留学はしなかったので、海外の公共政策や教育方法などを勉強するために、学術留学をしたかったです。海外で学んだことは、日本でも効果的だと思うので、挑戦すれば良かったと思っていますし、機会があればこれからでもチャレンジできればと考えています。」


● 語学留学をしたことで今に生かされていること

「違う人種の人が、違う価値観で違う言葉を話すという環境って、同じ人種の人が同じ価値観で同じ言葉を話す日本と全然違いますよね。留学の中でたくさんの外国人と話す中で、自分と異なる価値観を面白がる姿勢が身についたように思います。」


● SIAで学んだこと

「言葉の解像度(曖昧な言葉を具体的にする、定義すること)を上げることを学びました。解像度を上げることで振り返りのレベルが上がり、 事業が前に進みやすくなると感じています。」


● 大切だと思うこと

「スタンス(当たり前の基準)がどれだけ高いかです。どんな学校・職場でも当たり前の基準がどれだけ高いかというのがそのまま、パフォーマンスに影響すると思います。自分のスタンスをいつも見直しています。」


● 今の目標

「20代のうちに海外で働くことです。自分が見ている教育観では、思考とチャレンジが行き詰っていると感じます。日本をよくするため、自分の価値をあげるため、海外に行って教育をどう改善するか考えたいです。」

iOS の画像 (2)


4.編集後記

この取材は、嶋田海音が行いました。
最後に、取材を終えてわたしが感じたことや気づきを書いていきます。

SIAが終了しても、考えた事業を進めるだけではなく、事業内容をさらに自分でブラッシュアップするものだと知りました。細川さんは社会課題を解決するために、新たな挑戦を考えていらっしゃいます。日本では就職すると退職まで同じ企業で働き続ける傾向がありますが、就職後も挑戦し続ける細川さんは素晴らしいと思いました。今後の挑戦について聞いて、ご自身も”ワクワク”して将来を考えていると感じました。SIAの講座でVisionを決めるときに、メンターさんが「自分が楽しいことが大切」と何度も仰っていたのを思い出しました。1年経ってもそれを忘れずに活動していることに感嘆しました。私も細川さんのように、自分の”ワクワク”を大切にしたいと思いました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
マガジンはSIACプログラムに参加する大学生が執筆しています!
SIACプログラムの詳細は下記の記事をご覧ください!