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笑顔とおもてなしが魅力。観光客からも、地元からも愛される老舗「宮古ホテル 沢田屋 」取材記録


《企業紹介》

 100年の歴史を誇る老舗「宮古ホテル 沢田屋」は、宮古駅から徒歩8分の市内中心部に立地しています。地上7階建てに客室は30室以上。大浴場とサウナを完備し、旅の疲れを存分に癒すことができます。大人数で利用可能な宴会場は、会議や同窓会など多岐に渡り活用され、観光客のみならず多くの宮古市民からも長年親しまれています。従業員は20代から70代まで幅広い世代で、経歴もさまざま。それでも皆家族のように仲が良く、互いに助け合いながら働いている様子が印象的でした。

ホテル正面玄関

《経営者に聞きました》

「宮古をメジャーな観光地にしていきたい」

宮古名物・瓶ドンに擬態(?)した澤田専務

澤田亮さん(専務取締役)
 澤田さんはホテル沢田屋の5代目にして、現在は専務取締役と観光協会の会長を兼任されています。ホテルにおいては、従業員一人一人「働く理由は人それぞれ」であることを理解した上で、より良い職場となるよう、日々尽力しているそうです。また、観光客の誘致においても、精力的に情報発信やイベントを実施。より多くの人に宮古を知り、来てもらえるような“仕掛け”を作っています。昨今、宿泊・観光業を取り巻く環境は厳しく課題は少なくないと話す澤田さん。しかし進んで色々なものを取り入れることで、宮古への集客にプラスとなるよう、先頭に立ち、舵を切られています。

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《従業員に聞きました》

「地元のことって知ってそうで知らない」

松橋さんはホテルの宴会・サービス担当。
団体利用での会場セッティングから、宿泊のお客様の食事の提供まで、幅広く働かれています。

松橋貴紀さん(宴会・サービス担当)
 松橋さんは宮古出身で、高校を卒業後して間もなく、沢田屋に新卒として入社しました。接客未経験でのスタートでしたが、今ではお客様からかけられる感謝の言葉が何よりのやりがいとなるそう。また、観光業に携わることで、知らなかった地元の魅力にも気付けたとのこと。今後も「1人でも多くのお客様に、宮古の魅力を知ってもらいたい」と語っていました。

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「仕事も、育児も、プライベートも充実させて」

澤田さんはホテルのフロント・総務担当。
お客様のチェックイン/アウトに加え、ホテルの運営に関わる仕事を数多く担当されています。

澤田澄子さん(フロント 総務)
 澤田さんは盛岡の旅行会社で勤務したのち、結婚を機に宮古へ移住。子育てをする中で、「自分の人生において、働く楽しさを持つ意味も大きい」ことに気づき、育児との両立を決意。3人のお子さんを育てながら、業者とのやり取りや備品の発注などホテルの維持に欠かせない仕事を数多くこなされています。また昨年に、ヨガインストラクターの資格を取得するなど、プライベートでも様々なことにチャレンジされている聡明な方でした。

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「何でも興味を持ってやる人がいい」

中澤さんは調理担当。ホテル滞在の魅力である夕食を日々作られています。

中澤四勞さん(調理)
 中澤さんは今年76歳。とても元気な現役社員です。大使館やホテル、航空会社などを経て、5年前から沢田屋で勤務を開始。様々な職場での経験談や「考えひとつで、行動に移せば何でもできる」と、人生のアドバイスもいただきました。ご自身では「宮古の良さは、人の良さ」と語られていましたが、まさにそれを体現しているようなお人柄でした。

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《インターン生が感じた魅力》

 私は、3日間沢田屋を取材し、専務をはじめ、部門ごとに働かれている方からお話を伺いました。従業員のワークスタイルやキャリアは、本当に人それぞれで、同じものは何ひとつありません。また、ホテルは幅広い時間帯でお客様と接するため、異なる部門同士の連携が不可欠であると実感しました。澤田専務に「この仕事に向いている人とは?」とお聞きしたところ、「特にない」と仰っていました。一般的にサービス業で連想しがちなコミュニケーション能力などよりも、協力し合う意識が大切だと言います。「ホテル業においてもお客様の前に立つ仕事は全体の半分ですが、全てが上手く連携しないと、お客様へのサービスに影響が出ます。こういった『皆で協同し、成し遂げよう』という思いで働ける人を、ホテル業では必要としています。」と同専務。

夕方~夜には、宴会場のセッティングや、お食事・飲み物をお出しします。
朝~昼には、清掃スタッフが客室を整え、次のお客様をおもてなしする準備をします

「ホテルのお仕事の魅力」

 このお仕事の魅力は「お客様の反応がダイレクトに伝わる」ことだと思います。従業員の皆さんは口々に「ホテルにたくさんお客様が来てくださった時」や「感謝の言葉をいただいた時」にやりがいを感じると仰っていました。お客様に自分の仕事ぶりを評価してもらえるのは、この仕事の大きな魅力と言えます。また個人的に気になっていた「土日が休みにならない」ことについて直球でお伺いしたところ「確かにそうだが、平日休みだとどこも空いていて、遊びやすいのがメリット」と専務は笑顔で答えてくださいました。

「宮古で働く、ということ」

 もうひとつ、宮古へのUターン・Iターンをどう促進していくかについて考えました。就職先として宮古を選ぶことにどのような意味があるのか。ひとつはよそで経験を積んでから、再び(あるいは初めて)宮古に来る場合。自分のスキルを活かした働きで貢献できるのではないでしょうか。それは一般的な社会人としての電話応対や、基本的なことでも。また観光業の場合「その土地について詳しくなれる」ことも魅力ではないかと思いました。サービス部門で働かれている方は、生まれ育った宮古に就職されましたが、観光の仕事を選んだことで、この街について新たに知る機会もあったといいます。沢田屋の方々の仕事に対する想いを知り、若い読者の皆さんが将来のキャリアについて考えるきっかけとなれば幸いです。


取材・記事執筆:大塚美羽
2023年9月1日

《企業概要》

施設名:宮古ホテル沢田屋
企業名:合資会社 沢田屋
所在地:岩手県宮古市新町4-1
創業(設立):1900年
資本金:1000万円
従業員数:計23人(正社員10 人、パート13 人)、男女比9:14
Webサイト:http://www.hotel-sawadaya.com/


ホテル正面、ロビー
フロント、お土産コーナー
宴会場
大浴場、サウナを完備
客室(和室)
客室(洋室)

《関連記事》

  • 澤田亮さん(専務取締役)インタビュー

  • 松橋貴紀さん(サービス)インタビュー

  • 澤田澄子さん(総務)インタビュー

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