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「子育てを始めたことで、働く楽しさにも気づいた」澤田澄子さんインタビュー記事(宮古ホテル沢田屋)

宮古ホテル沢田屋
澤田澄子さん

職種(所属):総務部

宮古駅から徒歩8分の市内中心部に立地する「宮古ホテル 沢田屋」。そこで働く方にお話を聞きました。澤田澄子さんは総務部として、接客やホテルの総務のお仕事をされています。

澤田さんにお聞きしました!

――一日のお仕事の流れについて教えてください。
現在は子育てとの兼ね合いで、朝10時から16時まで働いています。仕事内容としては電話応対全般と、フロントと事務所での業務を担っていて、フロントでは日中にいらっしゃる宿泊予定のお客様から荷物をお預かりしたり、事務所では集金や配達関係のやり取りも行っています。他にも日中に会議での利用があれば飲み物をお出ししたり、清掃スタッフが不足している時は掃除をしたり、内容は多岐に渡ります。

――沢田屋で働かれて何年ほど経ちますか?
入社したのは15年前ですが、その間に出産・育児を経験しています。私自身は盛岡市の出身で、以前は旅行会社で勤務していましたが、結婚を機に辞めて宮古へやってきました。

――初めからお仕事と育児は両立させるつもりだったのですか?
初めは育児に専念するつもりでした。でも子育てって本当に難しくて、大変で。その時、私は働く事が向いている、ということに初めて気づいたんですね。逆に子どもを預けて働く方が、離れている時に、自分の頭もすっきりするので。仕事は楽しいし、色々な人とお話ができる。もちろん子育ても楽しいです。ただ私の場合は「仕事が楽しい」の比重も大きかったので、両立していこうと思いました。

――これは大変だったという仕事はありますか?
経験があったこともあり、仕事内容が特に難しいと感じたことは正直なかったです。それこそ震災だったり、自分よりももっと大変な思いをしている人を見ているので、仕事についてあれこれ大変に思うことはないです。ただお客様のアメニティや備品の発注を忘れない、というように、ホテルの維持に関わることには気を遣いますね。

――澤田さんの場合、一日の中でされているお仕事が多岐に渡るので、これらを並行してこなすのが大変そうです。
そうですね。業者の方とやり取りしていても、途中で電話が鳴ることもありますし、スタッフが手薄の時は事務所に一人の時もあって、そんな時に電話が2本鳴ってしまうと、片方を保留にして…など色々やりくりしています。

――すごいワンオペレーションですね。
そうですね、それでも「やるしかない」です。

チェックイン前のお客様の荷物をお預かりすることも

――澤田さんは別の会社での経験もおありですが、その時のスキルで活かせたものはありますか?
以前も接客の仕事だったので、緊張せずにお客様と接することができることですかね。あとは電話応対なども一通り経験済みだったので沢田屋の業務はすぐにできました。ただ一つ苦労したことがあって、パソコンの操作です。私は普通高校、大学出身でかつ、そもそも世代的にまだパソコンが浸透していなかったんですね。就職時に高卒の同期社員と一緒に研修を受けた事があったのですが、彼らはパソコン操作が上手で。勉強するジャンルが違うとこんなにもスキルが違う、と衝撃を受けました。今は会計事務所に出す帳簿関係の作業をやっているんですけど、慣れない用語との戦いです。会計ソフトに入力するんですけど、まず“売掛金”とかそういう言葉から何?!という状態だったので。でもこういう仕事も楽しいと思えていますし、今でも伸びしろたっぷりでやらせてもらっています(笑)

――職場の雰囲気はどうですか?
従業員同士が話しやすく、家族のような関係だと思います。小さな組織ですが、お互いの顔色を見て、具合が悪そうだったら休ませてあげるなど、皆それぞれが互いを思いやって、連携が取れる雰囲気です。他人とは言えない繋がりというか。あとは近くを歩いていると、昔ここで働いていたという方に声を掛けられて「○○さん元気ですか?」といった会話をすることもあって、地域の方々からも長く支えられている場所だなと感じます。

――澤田さんから見た沢田屋の魅力は何でしょう?
アクセスの良さだと思います。市内中心部にあるので会議にも使えますし、ほかにも夜に宴会や懇親会をやって、その後の二次会にも行きやすくて便利だ、とお客様からは好評です。駅から徒歩圏内で、宴会場があって、二次会にも行きやすい、というホテルは市内でもうちだけです。なので同窓会などで来られる地元の方からも「沢田屋は使いやすい」という声をいただきますね。

――お客様にはどんな体験をしてもらいたいですか?
それはたくさんあります。例えば、今は盛岡から宮古にたった1時間半で来られるんですよ。なので“意外に遠くなかったな”と感じて欲しいと同時に、時間短縮で秘境っぽさは薄れてしまったとはいえ、 “せっかく行った感”も感じて欲しいです。それから地元に帰った時に、他の人にも「良いところだった」と勧めてもらえたら嬉しいです。

――就職に結婚、出産など様々なことを経験されていますが、他にも人生の転機はありましたか?
東日本大震災ですね。私自身は人生に大きく影響するほどの被害は受けていないのですが、周りには多くのものを失った人がいて、それでも生きていこうとする姿を目の当たりにしました。挫けなければ、元気な体があれば、ゼロからやり直せると。口で言うのは簡単ですが、それを実際に、前々から知っている人たちが実行しているのを見て、心が動かされましたね。何より大事なのは財産や地位とかではなく“人間力”がものを言うんだな、と実感します。当時、子どもが4月に保育園の入園を控えていたのですが、その道具も物資不足で揃えることが難しくて、そういった時も知人が伝手で色々な物を集めてくれたんです。宅急便も不定期だったので、支援に来る会社伝いに沢田屋まで届けてもらったりして。色々な人に助けられました。

――澤田さんご自身の、今後の目標を教えてください
個人的に昨年ヨガインストラクターの資格を取りまして、これからは仕事も育児もしつつ、自分の趣味も楽しむ。三本柱でやっていきたいなと思っています。

――最後に、宮古に就職を考える大学生や若者に一言いただけますか?
私は岩手の内陸で育って、後から宮古に来たのですが、盛岡と比べても宮古は雪が少ないということと、夏も涼しくて1年の寒暖差が少ないので、東北の中でも暮らしやすい場所だと思います。あとは海の幸、山の幸が本当に安くておいしい。良いところがたくさんあるので、ぜひ知っていただきたいです。

ありがとうございました。

取材:大塚美羽
取材日:2023年8月29日

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