「今後は新しい仕掛けも取り入れて、宮古をメジャーな観光地にしていきたい」澤田亮さんインタビュー記事(宮古ホテル沢田屋)
宮古ホテル沢田屋
澤田亮さん
職種(所属):専務取締役
宮古観光文化交流協会 会長
宮古駅から徒歩8分の市内中心部に立地する「宮古ホテル 沢田屋」。そこで働く方にお話を聞きました。澤田亮さんはホテル沢田屋の5代目にして、現在は専務取締役と観光協会の会長を兼任されています。
澤田専務にお聞きしました!
――まずはじめにこれまでのキャリアについて教えてください。
埼玉の大学に通い、26歳頃まで東京のホテルでアルバイトをしていました。それから3年間、花巻市の温泉旅館で修行を積んだのち、29歳で宮古に戻ってきました。出身も宮古ですし、宮古ホテル 沢田屋は代々継いでいるもので、私で5代目になります。
――ずっと宿泊業に携わられていたんですね、他の仕事や職種に就こうとは思いませんでしたか?
家業を継ぐ、という気持ちは昔から、漠然とありました。サラリーマンとか、他の業種に就くという選択肢はあまり考えなかったです。接客もずっと続けていましたし、子どもの頃から裏方で手伝っていたこともあり、ホテルの仕事には慣れていました。
――現在、澤田専務がされているお仕事について教えてください。
ホテルの経営全般と、営業を担っています。あとは電話対応など事務的な仕事や、銀行との財務的なやり取りも行っています。社長は別にいて、部屋割りなどは常務が担当しています。
――仕事をする上で大変なことはありますか?
今は人に関することですかね。自分は現場で働くというよりもその環境を整える立場なので、従業員からの様々な意見を受け止めてどう改善していくかが課題になっています。人それぞれ働く目的や意識も違いますし、そういったことも理解した上でより良い環境を提供していきたいです。
――この仕事でやりがいを感じるのはどんな時ですか?
お客様に喜んでもらえて、その言葉を頂けた時ですかね。チェックアウトの時に声を掛けてもらえることもあれば、ネットの口コミなどでも。サービス業は良くも悪くもお客様の反応をダイレクトに見られるのが特徴ですし、それが一番のやりがいにもなります。
――休日はどんな過ごし方をされていますか?
決まったものはないですが、付き合いでゴルフに行くこともありますし、遠方へ出張ついでに観光することもあります。北海道や沖縄などにも行きました。あとは娘がいるので、習い事への送り迎えなども。前々から計画する、というよりはふと思い立って家族とさんさ踊りを観に行く、みたいに過ごすことが多いです。
――澤田さんは観光協会の会長も兼任されていますが、そちらではどのようなことをされていますか?
Webサイトでの情報発信や、イベントを通じた観客の呼び込みですね。最近は宮古の文化・歴史を使っての誘客も行っています。180社以上が加盟しているので、やり方は様々ですが、イベントなども元々宮古には多いので、それを引き継いだり、形を変えたりして開催しています。コロナ禍で中止にしたものもありますが、その中でもやり方を模索して、実現させたこともありました。
――それこそコロナ禍は宿泊業にとっては打撃になったと思いますが。
仰る通りです。売上も半減し、ひどい時には3分の1にまで落ち込みました。まだ回復途中といいますか、今年の5月に入ってから通常運転に戻った感じです。地元の宴会利用も売上の3~4割を占めていたので、それが自粛でできなかったのも痛手でした。ただこれからは個人個人でコロナと付き合っていくことになりそうですし、緊急事態宣言が急に出るということもないでしょう。去年の冬に観光協会で開催したイベントなんかは、意外と集まりが良かったんですよね。やっぱり反動というか…集まれる時に集まらないと、次いつ会えるかわからない、という思いがあるのかもしれませんね。
――これから宮古に来る方向けに、沢田屋のおすすめを教えてください。
まず、出張で利用されるお客様ですと、当館には大浴場やサウナがあるので、そういった点で選んでいただいているのだと思います。なのでしっかり休みたいという方にはおすすめですね。あとは駅からも歩いて来られますし、周囲には飲食店も豊富にあるので、アクティブな方や街歩きを楽しみたい方には是非おすすめです。
――宮古で働きたいと思う若者に向けて何かアドバイスをお願いします。
個人的には、色々な経験を積んでから宮古に戻って就職するのは良い気がします。外で得た知識やスキルを活用できるのが理想的ですね。あとはIターンの場合、地方で暮らして、働くことのメリットとデメリットをきちんと理解していた方がミスマッチの防止になる。正直言って賃金格差は存在しますし、物価だって必ずしも安いわけではありません。もちろん格差が当たり前と考えてはいませんし、埋めなければならないんですが、これらのギャップを他の点でどう補うかも大事だと思います。例えば慌ただしい東京と違ってゆるやかな時間の中で暮らせるのは、田舎ならではの良さだと思います。夏にはウニ、秋にはサンマなど、食で季節を感じられるのも。これらを理解した上で、宮古で働くことを決めてくれたら嬉しいです。
――今後の展望について教えてください。
まずは宮古をよりメジャーな観光地にしていきたいです。そして海外の方をはじめ、より色々なお客様に来ていただきたいですね。コロナ禍を経て社会もがらりと変わりましたが、それが元のスタイルに戻るのではなく、価値観も変わったじゃないですか。そうなると出張の機会も減って、当館にビジネスで来るお客様は少なくなる、というように少し怖いことでもあります。ただ観光協会の仕事にも通じることですが、今後は従来とは違う仕掛けでアプローチしていくのも大事かなと。すぐに良い案がピンポイントで降ってくるわけではありませんが、色々なものを取り入れて徐々に変わっていけたらなと思います。
ありがとうございました。
取材:大塚美羽
取材日:8月28日
関連記事
「宮古ホテル 沢田屋」取材記録
松橋貴紀さん(サービス)インタビュー
澤田澄子さん(総務)インタビュー
中澤四勞さん(調理)インタビュー
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?