ジャーマントレーナーが白ばっかりな理由。
街や雑誌でおしゃれな人が履いているイメージのジャーマントレーナー。
皆さんも一度は見たことがあるはず。愛用されている人も少なくないでしょう。
そんなジャーマントレーナーですが、よく考えると…
「白ばっかりじゃない?!」
人気のジャーマントレーナーですから、赤に青に緑…色々とカラーバリエーションがあっても良さそうですが、街で見かけるジャーマントレーナーは揃いもそろって、なぜか白じゃありませんか!?
そこで、今回は「ジャーマントレーナーはなぜ白ばっかりなのか?」の真実に迫っていきます。
0.そもそもジャーマントレーナーって何?
ジャーマントレーナーはその名のとおり、ドイツ(ジャーマニー)発のシューズです。
1970〜80年代に旧西ドイツ軍が訓練用に使用していたものであり、デザインしたのは「アディダス」や「プーマ」といった説が流布されていますが、その真偽は定かではありません。
ちなみにプーマは公式に否定しています。
写真からも確認いただけるかと思いますが、軍用にルーツがあることから無駄なディテールがなく、非常に洗練された印象を受けます。
素材が切り替えられている箇所もデザインというよりは耐久性を考えてのディテールでしょう。
1.ジャーマントレーナーはなぜ白が異様に多いのか?
白ばっかりのジャーマントレーナーですが、前述のとおりドイツで軍用に使われていました。
この“軍用”という点にジャーマントレーナーが白ばかりになった所以があるのです。
実はジャーマントレーナーの特徴的な“色は当時軍の中で着用していた人の役職を表すものだった”のです。
最もポピュラーなカラーリングとしてあげられる白色は「訓練生」が着用していました。一方、訓練生を鍛え、監督する「教官」は黒色を着用していました。
では、なぜ白のジャーマントレーナーがやたら多いのか…。
もうおわかりでしょう。
軍の中では「訓練生」が圧倒的多数を占めているため、ジャーマントレーナーの一般的なイメージや古着市場に数多く出回る色が白なのです!
「訓練生(白)」に対して、数が少ない「教官」が着用していた黒色のジャーマントレーナーは当然、それに応じて数が少なくなります。
そのため、教官用の黒の生産数は相当少なかったようで…古着で見つけたらラッキー!街中で履いている人を見かけたら、敬礼してみましょう。
2.ネイビーのジャーマントレーナーは何用?
確かにジャーマントレーナーは白と黒がほとんどですが、その他にもいくつかのカラーバリエーションが存在します。
例えば、ネイビーカラーは歴史的にどのような使われ方をされていたのでしょうか。
実は、ネイビーは「室外用訓練靴」とされています。
少し話がそれますが、ジャーマントレーナーはソールが「ガムソール」と呼ばれています。「ガムソール=gum sole」であり「ゴム」を意味しています。いわれてみれば、見た目も触り心地もゴムそのもの。
なぜゴムがソールに使われているかというと、ジャーマントレーナーが室内の訓練用に着用されるために設計されたものだったからです。室内では滑りやすいため、グリップ力が強い素材としてゴムが採用されています。この「室内で使うことを前提に作られたジャーマントレーナー」に対して同じようなデザインだけど、室外訓練で使う用として区別するためにネイビーのジャーマントレーナーが存在します。
室外用の靴はグリップ力よりもスパイク力が重視されるため、ゴムソールではなく凹凸のあるソールが一般的でした。しかし、近年、様々なブランドから発売されるネイビーのジャーマントレーナーのほとんどがガムソールで作られています。それだけジャーマントレーナーらしい代表的なディテールということなのでしょう。
というわけで、今回はジャーマントレーナーが白ばっかりな理由とその周辺知識についてまとめてみました。
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