創業2期目 新規事業に魅了された私とハッシン会議のいまとこれから
2020年広報PR領域で「ハッシン会議」の事業を法人化し、本格始動させてからちょうど一年が経つ。今の心境としては、やりたいこと・挑戦したいことへの想いが溢れていてワクワクしていると同時に、先行きが見通せない中でのスリリングな人生を相変わらず自ら選択していることに、20代から変わらないな、と言う思いもある。
法人化してからの1年で、お陰様でさまざまなプロジェクトにお声がけいただき、ハッシン会議がどのような領域で貢献出来るのか、少しずつクリアになってきたと感じている。今日は2期目に入る一つの節目として、ハッシン会議1期目の報告と仕事感と2期目の挑戦について書いておきたい。
新規事業を「創る」過程に魅了された原点は産後の大学院学び直し
「井上さんは、なんでスタートアップ・ベンチャーの広報PR伴走をしようと思ったんですか」という質問をここ最近受けることがあった。改めて考えてみたところ、私の原点は産後に通った慶應義塾大学大学院(KMD)の2年間だった。
そこでは、実際に新規事業を創り出し、社会実験の中で仮説検証を何度も繰り返していく体験をみっちりしていていった。ゼロから事業を創る大変さも難しさも面白さも葛藤も…初めて向き合う場面の連続にとにかくのめり込んでいた。
20代の学生たちに囲まれて日々のディスカッションをしている中で、「どうやってその事業の価値を世の中に伝えていくのか」を考え、実際に届ける過程を伴走することが私自身の一つの強みなのかもしれない。そう感じたことが、新規事業の発信活動と向き合う始まりだったように思う。
そこから在学中に広報PR領域で事業を立ち上げ(当時は個人事業主として)、今に至る。会社を作ってからこの一年で3つのトピックを経て、私の中で「新規事業を広報PRで伴走する」という想いがより強固になりつつある。
トピック3つについても、順番に触れていきたい。
【トピックその1】PRコミュニティが広報PRの中長期伴走プラットホームに
スタートアップベンチャー・中小企業の広報担当者の広報PR活動の悩みとして「複数業務を掛け持ちしているためにPR活動を継続できない」ことが大きな課題であることをこれまでの相談から感じとってきた。
その課題感から立ち上げたのがPRコミュニティ。広報担当者を中長期伴走するためのプラットホームにしたい、という思いがあった
今年で4年目を迎え、会員50人のアットホームなコミュニティでPR活動伴走の確かな手応えを感じている。
メンバー間で広報PRの事例シェアをしたり、井上の個別コンサルを月に一度受けたりと、活用方法は皆それぞれ。共通して大切にしていることが「広報活動の歩みを止めないこと」だ。
最近は、メディア掲載の連鎖だったり、事業成長だったり、クラウドファンディングの大成功だったり、とにかくメンバーの変化が著しい。ここでは、私は「教える」立場ではなく、一緒に「学ぶ」広報PRパーソンの仲間の1人と言うスタンスでやっている。
このPRコミュニティを全国のベンチャースタートアップ企業の広報担当者に向けた最強伴走プラットホームに育てていきたい。
【トピックその2】インキュベーション拠点CLUE の広報メンターに就任
コロナ禍でオンラインでのイベント、勉強会が加速し、「距離・移動」という制約が無くなったことで、私にとっても、全国のコワーキングスペース、インキュベーション拠点との出会いが加速した。
例えば香川県のco-ba高松と瀬戸内海放送・山下記者と開催した地方局のニュース報道を学ぶ勉強会。
https://note.com/cobatakamatsu/n/n976f791e5f2a
愛知県豊橋市のInnovation Lab CLUE(運営元:武蔵精密工業)と昨年2回に渡り共催したスタートアップベンチャー企業向けの広報PR勉強会。
これらを通して、ハッシン会議が力になれる領域がよりクリアになったように感じている。
ありがたいことに、2020年秋からCLUEの広報メンターに就任させていただき、CLUEに関わるスタートアップベンチャーや新規事業の伴走を広報PR領域で関わる機会がさらに広がり始めている。
【トピックその3】新規事業創出の組織づくりを伴走するビジネスデザインファーム「bridge」との出会い
bridgeの広報メンバーにジョインさせてもらったことも、私の中では2020年の大きな出来事の一つになった。
代表の大長さんは、とてもユニークでハートフルな方でbridge創業の背景はぜひnoteを読んで欲しい。
bridgeに入って間もない頃、大長さんが「bridgeの強みは全員がリスクを背負って事業を立ち上げた経験があること。それがあるとないとでは新規事業を伴走する上でも全く違う視点が持てる」と話していて、私の中でとてもしっくりきた。bridgeで働くメンバーは全員が副業で関わり、自身で起業したり、社内で新規事業を立ち上げたりしている。
それが、新規事業を創る「伴走者」として大きな強みになることを大長さんが教えてくれた。そしてそれは、私自身の広報PR活動の中でも新規事業伴走の強みにもなることに気づかせてもらった。
2期目に入ったハッシン会議のいまとこれから
私が働く上で大切にしていることの一つに、短期で関わるよりも、相手との信頼関係を少しずつ築いていきながら、その信頼関係を元に大きなアウトプットでお返ししたいし、中長期で伴走したい、という想いがある。
立ち上げから広報として入らせてもらっているMentor Forも4年目、メディアの立ち上げから事業のプロデューサーとして入らせてもらっているアウトドアメディア「ハピキャン」(前職のテレビ局メ〜テレが運営元)も3年目、私の大切な活動の1つだ。
同時にこの半年は、ありがたいことにさまざまなプロジェクトの広報PR伴走でハッシン会議がお声がけいただくようになってきた。とはいえ、まだ事業2期目。会社のミッションもようやくクリアになってきた段階で、数々のプロジェクトを目の前に、ハッシン会議という別人格が勝手に歩き出しているような感覚にも正直陥ることがある。
そこで、ふと立ち止まって考えた今時点の答えがある。
それは、今までの私の生き方からしたら少し意外な答えでもあるのだけれど「いまある目の前の大切な人たちとの関係を精一杯紡いでいく」という答えだ。
積極的に新しいことにチャレンジすることは、私の本能としてはずっと続けていきたい。でも今は、新しいことへの挑戦は、ハッシン会議や井上千絵を必要と考えて仕事を任せてくれた既存の大切な人たち、大切なチームとと共にしていこうと思う。(PRコミュニティは引き続きメンバーを大募集中だけれど)
ここに至った理由としては、スタートアップベンチャーで命懸けで事業を立ち上げた経営者との出会いの中で、創業期から広報PR活動に予算も人も割いてくれる勇気ある決断を私は絶対裏切りたくない、という思いを強めたからだ。
社会で絶対に必要なサービスだけれど、まだほとんどの人が知らない事業を広報PR領域で伴走していく過程は、まるで宝の原石の存在をこっそりと私にだけ教えてくれたような、そんな感覚に近い。たまらなくワクワクするし、信頼し、任せてくれた相手に私は仕事で報いるしかないと考えている。
もう一つ、当面は既存のプロジェクトに集中しよう、と考える理由がある。
5歳になった娘の存在だ。
「母親」という存在をこんなにも求めてくれる、今しかないこの時期に、子どもとの時間に全力で向き合いたい。
20代の私は、仕事で成果を出すためには、とにかく誰よりも働いて、長時間仕事と向き合うことが成果につながると思い込んでいた(そういうケースが今でも時と場合によってあるとも思っている)。
でも、私は子どもや家族との時間も、仕事の時間も、どちらも比べられないほどに尊くて大切でかけがえのない時間だ。だからこそ、どちらを削ってどちらを優先する、という選択をしたくない。
そして、社会に対しても「限られた時間しか働けないので、これくらいのアウトプットしか出せません」というコミュニケシーションは絶対にしたくない。逆にいうと、遅い時間まで働くことができなかったり、週末に働けないから戦力にならないと思われるのもいやだし、その価値観が今でも存在しているとしたら、そんな社会を変えていきたい。
限られた時間だからこそ、今まで以上に勝負をする。限られた時間だからこそ、今まで以上のアウトプットを出していきたい。その過程で、子どもと過ごす時間は決してマイナスになっていないと私は信じて日々子育ても仕事も全力だ。
とはいえ、現状維持でいい、とも到底思っていない。具体的に言うと、ハッシン会議がもっともっとプロフェッショナルなチームとして成長していく必要があると感じている。
既に業務委託でたくさんのメンバーに関わってもらい、ハッシン会議は日々の活動を全力で回している。2021年は、さらにクリエイティブな広報PR領域との掛け算をチームで挑戦していきたいと考えている。
ここまでの長文をお付き合いいただいた方に心から感謝です。後編では、これまでの働き方を大きく変える決断をした2021年の最新エピソードについて詳しく書きたい。(2021年1月31日更新予定)
>>後編に続く
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