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ギリシャ旅行記1


出発前夜


日本時代に知り合ったカナダ在住の友人が夏の間アテネに滞在するのと、彼と共通の友人の一人もスペインからやってくるという知らせが、夏の旅行先を決めあぐねていた私たちの背中を押して、2021年9月にパートナーと共にギリシャへ3週間の旅へ出た。

私の中でのギリシャのイメージといえば、青い空とエーゲ海、青と白の家々、それから古代遺跡といったところでごく一般的で典型的なものだった。そもそも人生で初めてギリシャ料理を食べたのも、実はドイツだった。ドイツ移住前、パートナーにも会うずっと前、ベルリンの友人を訪ねた際に、彼女が近所のギリシャ料理の店に連れて行ってくれた。確かどでかいラムのステーキとフェタチーズが入ったサラダをシェアして、店員に無限に勧められる変わった味の酒を飲んだ。それから数年後、ドイツに引っ越してきてギリシャ料理を食べる機会が増え、その酒はウゾという名前のギリシャのアニス酒で必ず毎回食後に「ウゾはいかがですか」と聞かれるということを学んだのだった。

ギリシャに行くからにはエーゲ海の島に行ってみたい。私たちが好きな、リュック・ベッソンのダイビング映画「グラン・ブルー」の冒頭に出てくるのは確かエーゲ海の島だったよなと思い調べてみると映画が撮影されたのはアモルゴス/Amorgosという島だということがわかった。ただハイシーズンのギリシャ、予算に合う宿泊先を見つけたが海から離れているのが難で、一旦他の島を探してみようということになった。実はこのアモルゴス島とドイツの関わりが後になって知ることになる。

映画「グラン・ブルー」の冒頭の一幕



こうして私はエーゲ海の中でアクセスが悪くなく観光客が少なめな島を探す任務に取り掛かった。まず、Google Mapsでエーゲ海上をパトロール(?)していくつかの島を見繕い、それぞれの島について軽く調べてみた。日本を含むアジア圏での人気さや有名さと欧米圏でのそれとは必ずしも一致しないので独英でも検索をかける。そして候補のうちの一つとして上がってきたのがエーゲ海の南、かの有名なサントリーニ島の東に位置するとても小さな島、アナフィ/Anafi。

宿泊施設の数が限られているので夏のハイシーズンでも人口は200人ほどで、島には村が一つあるだけだという。ビーチ、港、村をつなぐバスが一日に何本か出ているし、歩いてもいけるという。スーパーマーケットも病院もない。時間はかかるがアテネからフェリーも週に2回ほど出ているので、タイミングを合わせれば問題なさそうだ、ということで全会一致で行き先決定。


多すぎず少なすぎず

個人的に旅の下調べは多すぎても少なすぎても良くない。何事にも適量があるように。予算を抑えるにはある程度下調べをして計画を立てた方が良いし、見どころを逃さずに済む。ただ調べすぎると旅は本当につまらなくなると思う。(あくまでも個人の見解)私は大抵、最初数日の宿泊先と早めに取らないといけない移動のチケットの確保や絶対に行きたい美術館や博物館などの営業日の確認をする。最初の宿泊先以外は直前でも問題なさそうなら前もって購入したり予約したりすることは少ない。臨機応変に融通がきいた方が旅は楽しいからだ。もう一つ必ず調べるのはどんな美味しいものがあるか。これはもう絶対に外せない旅の醍醐味だから。その土地で食べられている物と文化と歴史は常に密接に繋がっているから、美味しいもの調査から自然と文化と歴史へ派生してちょっとだけ勉強していくことが多い。今回の旅ではそれ以外に情勢的な理由にも準備が必要だった。


  • 全日程での宿泊先の予約。ハイシーズン・観光地ということで節約するために前もって手配。

  • アテネとアナフィのフェリー往復チケット。

  • アテネの地下鉄のシステム。お得なチケットがあるかなどをチェック。

  • まだ新型コロナの規制があったので事前に書類を準備して提出。

  • 切り替え期間で私のドイツの滞在許可証が通称仮ビザと呼ばれるものだったので、そもそも旅行ができるのかを確認。

  • 美味しいもの調査と良さげな食堂をGoogle Mapsにピンを打って保存


安全第一

パートナーと出会う前は一人旅が多かったので最低限の安全に関する情報をチェックすることも出発前のルーティーンになっている。心配しすぎと言ってくるパートナーに関しては、身長150センチのアジア人女性という立場の弱さを理解できていないだけであるので何も聞かなかったことにする。

  • 空港から宿泊先までの移動手段。深夜着の場合は移動または空港泊が可能かとその危険性について

  • 一般的な治安に関する注意事項。公共交通機関や市内で巻き込まれやすい犯罪、近づかない方がいいエリアなど

  • 一般的な注意事項。宗教などによる服装や行動の制限の有無など







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