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最近読んだデザイン関連の本


肌感ですが、世間的にグラフィックよりWEBデザイナーを志す方の方が多いんですかね??


時代もあるかもしれませんが、グラフィックもグラフィックでおもしろいですよ〜!なんて


私の発信だとどうしてもグラフィック寄りになってはしまいますが、なるべくWEB志望の方にもヒントになるものがあればいいなと思って頑張ります!


さて今回はデザイン関連の本の読書感想文的な回です〜




◎デザインのデザイン


『デザインのデザイン』
原 研哉 著
岩波書店


有名な一冊ですね。こちらは「マル秘展 めったに見られないデザイナー達の原画」に足を運んだ際に感銘を受けて即購入したのですが、今更ながら拝読しました。


デザインについて実例をもとに論じるというよりももっと壮大で、デザインするという行為自体、もしくはデザイナーの役割やこれからの立ち位置について客観的に考察されたような内容という印象です。


もちろん著書の中で原さんの携わられた案件の紹介なども盛り込まれていて非常に読み応えのある一冊でした。


グラフィックデザイナーとは元来紙や印刷物のデザインを行う職業をイメージされることが多いと思います。ただ様々なテクノロジーが発達し、メディアも多様化している今、グラフィックデザイナーとしての職能範囲は紙や印刷物に留まらない無限の可能性を秘めていると気付かされました。


そもそもデザイナーという職業自体、華やかなものやアート的なものをイメージされることが多いですが、表現することが目的ではなく、課題の解決のために手段としてデザインの力を使っているようなものだと思います。


グラフィック、ウェブ、DTP、空間その他諸々職種を問わずデザイナーはそういう意味において、コミュニケーションを体現する役割を持っているのかなと最近思います。


自分のことを表現するなら自分が一番わかりますが、第三者の価値をさらに第三者に誰にでもわかるように伝えるのはすごく難しいことですよね。
すごい持ち上げて言うようですが、デザイナーはまさに価値を通訳する重要な役割だと思いました。


そのためには相手を知り、相手も気付いていない内側に秘めた価値を引き出す、そしてそれを一番最高のステージで輝かせるというような感じでしょうか。


私はまだまだグラフィックデザイナーの端くれではありますが、原さんの著書を拝読して、この仕事の無限の可能性とまだ見ぬ未知なる希望にワクワクしました。




◎ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス

『ロゴをデザインするということ。成功と失敗から伝える、君へのアドバイス ロゴデザイン・ラブ![改訂第2版]』
David Airey 著    郷司陽子 訳
BNN


私たちは朝起きてから1日生活する間に数え切れないほどのロゴを目にしています。
また何かブランドをイメージする時に真っ先に浮かぶのは商品そのものよりロゴだったりしますよね。


企業の「顔」とも言えるロゴに求められる基本要素、制作の流れ、マインドマップ、デザイン仕様書、お金のこと、デザイナーのスタンスなど、ロゴのお仕事の世界を覗くことができる一冊です!


筆者の経験だけでなく、誰もが目にしたことのあるグローバル企業の事例も多数でてきます。


著者の中で、時代を越えて通用し、記憶に残りやすく、応用が効く優れたロゴの要件として以下の要素が述べられています。

・シンプルに抑える
・テーマに沿う
・伝統あるモチーフを取り入れる
・目に留まるよう工夫する
・強く印象付ける
・極小サイズでの再現性を考える
・ポイントを1つに絞る


ただ、これら全てを意識するのもなかなか難しいものです。そして同時にこの要素を忠実に守ることだけが正しいとも限らないとも語られています。

法則は破るために作られる


これも実は重要なことですよね。


色よりも形状が重要であるとのお話で、紙とペンを使って白黒でも成り立つものを目指すのが良いというのを知りました。


たしかに今まで見たアートや展示のデザイナーの方々も手書きでラフを描いたり、日頃からからアイデアノートなるものにペンでイメージを書き留めたりしていたのを思い出しました。


あとデザイナーになるまでは、デザインの世界やデザイナーの方々って派手で華やかなイメージを持っていたのですが、デザイナーの人ほどシンプルなものを好むような気もしています。


原点回帰的な感じなんですかね。


この本を読んで、普遍的で目に留まりやすいデザインとは、誰もがイメージできて、言葉で簡単に言い表せるシンプルなものなのだとわかりました。


文字のちょっとした傾き、色、あしらい等全てに意味があって、絶妙に企業の味を表しているんだなと改めてその奥深さを知ることができました。


それにしても一目見て印象に残るロゴってデザイナーの手腕が物凄く試されますよね。


でも言語が要らないシンボルだからこそ時代や国を越えて愛されるものにもなりえますし、何より企業の顔となるロゴデザインってすごくかっこいいなと思いました!


あとはクライアントとのコミュニケーションがある以上、デザイナーってエディターにも営業マンにもなる必要があるのだなと痛感しました。




◎英文サインのデザイン

『英文サインのデザイン』
小林 章・田代 眞理 著
BNN新社


インバウンド需要が高まり訪日外国人も増えていくであろうこれからも踏まえ、見やすい英文のサイン(看板・標識など)について学べる一冊です。


私たちが当たり前に使っている英語表記や記号も、日本独自のものであったり、そもそも英語しかわからない人にとって日本にあるサインの多くは不親切なものであったりと改めて普段意識していなかったことに気付かされます。


欧文書体の設計で有名なデザイナーの小林章さんと実務翻訳家の田代眞理さんが手がける著者。


実際に海外の優れたサインの実例も交えて説明されているので、とても面白かったです。


天候や見る角度、距離、言語の違いに関わらず認識しやすいサインは、特に海外からその地に初めて足を運んだ人にとって、大きな安心に繋がります。


最近はピクトグラムなどヴィジュアルで訴える表示も多いですが、その辺も著者では触れられています。


個人的にデザイナーとしても勉強になったのが、日本語書体のフォントに入っているアルファベットは英文を読むのに適さないということでした。


読むのにリズムが求められる欧文は、それを考慮した欧文フォントを使用する方が、普段英語に慣れ親しんだ方にとっては読みやすいそうです。


識別性の高いフォントの紹介もあったので、フォント選びにいつも苦戦する私にとってありがたい内容でした。


またスペースの使い方、記号だけでも日本語の概念とは全く異なりますし、気をつけようと思いました。


もともとこの本は雑誌の『デザインノート』を読んだ時に知ったのですが、仕事でサインを扱うデザイナーの方はもちろん、それ以外の方でも知っておいて損にはならない内容かと思います!





◎おわりに



2つ目に紹介した著書の中に書いてあったのですが、デザイナーとクライアントの関係性は医者と患者のようなもので、そうなることが理想でもあるのだと思いました。


デザインの世界を牽引する方々の経験や思考から学ぶことは本当に大きいですね!


世間的にすごいと言われる方々でさえも日々学び続けてると思うと、デザイナーの端くれの私はその分学ばないとと思います、、、


でもデザインの仕事自体、それを通して色んな業界のことやモノコトを知る機会でもありますよね!


一つとして同じ仕事がなくて本当にワクワクできる環境だなとありがたく思いました。


長くなりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございます!


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