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2021年9月の記事一覧
勝手に虚像を仕立て上げ使い捨てる大衆の姿は今も変わらない~代島治彦著『きみが死んだあとで』~
2020年に拙稿『「あのころ、早稲田で」中野翠の闘争』で、中野翠著『あのころ、早稲田で』(文春文庫、2020年)を引用しながら、著者が早稲田大学在学時の1960年代後半の学生運動を考えた。
その後、『あのころ、早稲田で』で中野翠も言及している、1967年10月8日の「第一次羽田闘争」で亡くなった山崎博昭さんについてのドキュメンタリー映画『きみが死んだあとで』(代島治彦監督、2021年)が公開され、
ドキュメンタリーとカメラ
以前、『14歳の栞』というドキュメンタリー映画について、「3学期の日常」と書いたが、厳密に言えばそれは正しくない。
その理由は、佐々木敦著『これは小説ではない』(新潮社、2020年)から、引用すると、こういうことになる。
「それは観る側も了承していることであり、それ込みで『日常というお約束』」とドキュメンタリーを捉えることはできるし、事実、佐々木も指摘しているとおり、その「お約束」なしでドキュ
映画『ショック・ドゥ・フューチャー』
素敵だ(うっとり)…
もちろん主人公のアナを演じるアルマ・ホドロフスキーは、素敵な女性だ。
しかし私にとっては美しい女性より、スクリーンいっぱいに映し出される機械の方が素敵に見えたのだ。
映画『ショック・ドゥ・フューチャー(原題 LE CHOC DU FUTUR)』(マーク・コリン監督、フランス 2019年公開、日本公開 2021年。以下、本作)は、テクノ音楽と女性音楽家が活躍する時代の起源を