マガジンのカバー画像

観劇

151
観劇の感想など
運営しているクリエイター

記事一覧

『TSURUBE BANASHI(鶴瓶噺) 2024』

「何で、こんなことが起こるんやろ?」 笑福亭鶴瓶師匠は、首を傾げながら、自虐的な呟きを繰…

アンマchan
2週間前
1

史実に基づいた"IF"の物語の先~音楽劇『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』~

♪兎追いし彼の山 恐らく、日本で生まれ育った人ならこの続きが歌えるのではないか。 1914(大…

アンマchan
3週間前
2

ワインで反戦を訴える~舞台『ワインガールズ』~

華やかな香りとフレッシュな舌触りに心地良さを感じた後、しかし、腹にガツンときて、それが持…

アンマchan
3週間前
1

「帰れない男」は誰だ?~舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』~

舞台『帰れない男~慰留と斡旋の攻防~』(倉持裕作・演出。以下、本作)。 一体、誰が『帰れな…

アンマchan
1か月前
18

「時間」を否定する~坂本龍一+高谷史郎『TIME』~

時間は常に進み、戻ることはできない。時間は常に進むが、かといって飛び越すこともできない。…

アンマchan
1か月前

芝居を演ること、芝居を観ること~舞台『あのよこのよ』~

演劇の魅力・面白さは「見立て」にある。 劇作家・演出家・俳優の野田秀樹氏は、そういったこ…

アンマchan
1か月前
8

舞台『骨と軽蔑』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

自身の劇団などで作・演出したケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)の過去作を別の演出家で上演する企画「KERA CROSS」シリーズのラストを、KERA自身が新作書き下ろしで飾る……しかも、女性キャストだけで演ると聞いて、あの、舞台『すべての犬は天国へ行く』(2001年)の救いのない物語を想って、ゾクゾクした。 そうして上演された舞台『骨と軽蔑』(以下、本作)は、もちろん『全ての犬~』とは全く違うが、やっぱり終始ゾクゾクしっぱなしだった。 舞台は『東西に分かれて内戦

舞台『東京輪舞』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『東京輪舞』(アルトゥル・シュニッツラー原作、山本卓卓作、杉原邦生演出。以下、本作)を…

アンマchan
2か月前
5

舞台『緑に満ちる夜は長く』

舞台『緑に満ちる夜は長く』(田村孝裕作・演出。以下、本作)の公式サイトで「あらすじ」を読ん…

アンマchan
2か月前
4

夜を往く者たち~舞台『ボイラーマン』~

夜は人を狂わせる。 自己陶酔だけの素人小説の書き出しみたいだが、実際「夜」というのは、そ…

アンマchan
2か月前
2

喪の仕事~舞台『う蝕』~

舞台『う蝕』(横山拓也・作、瀬戸山美咲・演出。以下、本作)の感想を書こうと思って、本稿のタ…

アンマchan
3か月前
1

高谷史郎(ダムタイプ) 『Tangent(タンジェント)』

テクノロジーの劇的な進化によって、「VR」或いは「AR」といった「電脳仮想世界」ばかりが注目…

アンマchan
3か月前

鎮魂の物語~舞台『最高の家出』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『最高の家出』(三浦直之作・演出。以下、本作)を観た。 53歳の私は主演の高城れにが所属…

アンマchan
3か月前
4

作品名なので堪忍してください~舞台『死ねばいいのに』~

舞台『死ねばいいのに』(京極夏彦原作、シライケイタ脚本・演出。以下、本作)を観て、同名の原作小説(講談社文庫、2012年)は読んでいないが、「エンターテインメント小説とはこういうものなんだ」と思った。 原作は2010年に刊行されているが、それ以前に文芸誌に各人物の話として短篇連載されていたようだ。終演後のトークゲストとして登壇した原作者・京極氏本人によると、各短篇の主人公は各登場人物で、渡来はその主人公たちの前に現れる謎の男だということだ。 最終的に、渡来によって各短篇は一