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守りたいからこそ変えていく / 沖縄県那覇市を冒険して(あいこす太郎) #Season4

こんにちは、あいこす太郎です!ついにinnovationGO Season4がスタートしました!U-18は、「やってみたいかも?」をみつけるために全5地域を冒険し、未来をつくるアイデアを考えることに挑みます。

記念すべき第1回目の冒険先は沖縄県の那覇。今回のテーマは「紅型(びんがた)」です。

このnoteでは、冒険で出会ったひと・もの・ことや、ワークショップでU-18が考えたアイデアを、わたしの気づきと一緒にまとめてご紹介!



1.どんな地域に行ったのか?

今回訪れたのは沖縄県那覇市

古くから港が整備されるなど、海外との交流拠点として、「琉球王国」文化が華ひらいた街です。沖縄と言えば透明度の高い海や世界遺産など、観光リゾート地としての魅力あふれる街です。

しかし今回は、観光地から少し離れた住宅街の一角が舞台です。

どんな冒険が待っているのでしょうか。


2.どんな人に出会ったのか?

今回の冒険地域を案内してくれるローカル・ナビゲーターは、地域のミライをつくるために若者と企業を繋いでいる株式会社リンクファクトリーの上間祥吾さん。なんとこの上間さん、実はSeason2のときにもお世話になっています。地域で出会ったプレイヤーは、加治工紅型工房の加治工摂さんです。

(左が上間さん、右が加治工さん)

そもそもみなさんは紅型って知っていますか?

紅型とは、琉球王朝時代に王族や士族の礼装として使われていたもので、中国から伝わった独自の染色技術による染物です。

加治工さんが初めて紅型と出会ったのは、子どものころに授業で紅型体験をしたとき。しかしその頃は紅型の職人になるとは全く思いもしなかったそうです。

時が過ぎて、将来を考えたとき、絵を描くことが好きだった加治工さんはそれを仕事にしたいと思いました。そんなとき美術展にて紅型と再会します。その色合いやデザインに改めて衝撃を受けたそうです。

当時は県外や海外など「外」への憧れが強かったという加治工さん。しかし紅型と再会したときに地元の素晴らしさを再確認し、紅型職人への道を歩み始めます。

現在は、和装の帯やタペストリー、インテリアなどとして紅型を商品化しているそうです。画面越しにも伝わる色鮮やかで素敵なビジュアルに魅了されました。

実際に、加治工さんが紅型の制作を行っている工房を見せてもらいました!住宅街に突然現れる紅型工房は細長い形の建物。なぜかというと着物を染めるために13mの奥行が必要だからだそうです。

(紅型工房内の様子)

作業はなんとすべて手作業!そのため思い通りにいかないときもあるそうですが、そこをうまくいくように工夫することがやりがいになっているとか。顔料を一色一色入れる際にはやり直しがきかない一発勝負。手作業の大変さと、手作業だからこそ生まれる美しさを感じます。

紅型において古くから有名な知念家で11年学んだ後に独立した加治工さん。つまり家業としてではなく、自分からバトンを取りにいったわけです。

そんな加治工さんが考える、伝統工芸品を後世にも伝えていくために必要なことはどんなことでしょうか?

加治工さんは、伝承と伝統の違いについて、「伝承とは変えてはいけないものを守っていくということ、伝統とは時代に合わせて変えていくもの」とおっしゃっていました。先人たちの美意識に、自分をはじめとする現代人の感覚を加えていくことで、長く続く紅型を守っていくことができるのです。

古くから多くの人を魅了してきた紅型。その紅型の可能性を信じる加治工さんは、世界中の人の美意識に刺さるものを作りたいと語ってくれました。

(工房に並ぶ色鮮やかな紅型の数々!)


3.U-18が考えた未来をつくるアイデア!

お二人から伺った地域のことや行っている活動のことを踏まえて、U-18は未来をつくるアイデアを考えるワークショップを行いました。

U-18はなににワクワクし、やってみたいかも?と感じたのでしょうか。

初回の冒険ということで、初めてのワークショップです。きっとU-18のみんなはドキドキしてたんじゃないかなと思います。

今回は2グループに分かれましたが、どちらのグループも生活の中に紅型が取り入れられるといいなという観点からのアイデア。なんとアイデア名は「沖縄の日常に紅型を」「あなたの日常に紅型を」。似ているようでちょっと違う2つのアイデアが出来上がりました。

「沖縄の日常に紅型を」は、沖縄のバスや電車の吊り革やシートに紅型を使用するというアイデア。一方、「あなたの日常に紅型を」は紅型を使ったスマホケースやイヤホンケースを作るというアイデア。

どちらのアイデアも、若い人を中心に紅型が広まり、今後も残っていく未来を目指したものですが、沖縄に来てくれた人なのか、全国各地の人に向けてなのか、対象に違いが出ているのでアイデアの形も変わっています。

作りたい未来が同じでも、人それぞれのアイデアが出てくることがイノベーションをみんなで考える面白さだなと実感しました。

(みんなで記念にいいねポーズ!)


4.わたしが冒険で感じたこと。

今回は琉球紅型をテーマに、沖縄県那覇市を冒険しました。

伝統と伝承。変えずに続けることだけが伝統なのか、見つめ直すきっかけになりました。

今まで続いてきたものをこれからも伝えていきたいと思うからこそ、時代に合わせて変化させることが必要なんだと実感しました。

また、絵を描くことが好きというところから今の仕事につなげた加治工さん。自分の好きを仕事にできるってとても素敵だなと思いました。

U-18のみんなにも好きワクワクを見つけて、自分のやってみたいかもにつなげることができたらいいなと思います。


あいこす太郎


<この記事を書いた人>
あいこす。青森県中泊町出身。埼玉大学教養学部所属。大学ではヨーロッパ文化を専攻。インターンを通してイノベーションについて学習中。楽器演奏が趣味。最近は専らジャズトランペットに熱中。

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