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庵野秀明のようなもの

庵野秀明のようなもの

「プロフェッショナル 仕事の流儀」庵野秀明スペシャルをみた。
このノートは、その感想ともいっていい。とても個人的感想で、客観的な正しさなどを主張するつもりは全くない。ドキュメンタリーという作品に対する、僕の感情をここにとどめておく、僕の視点を提示する、そしてできればそれについて話し合える人(非難、批判を含めて)がいるといいな、くらいの思いで書いている。
 プロフェッショナル、という番組の、庵野さん

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「私」と「他者」

 崎山多美という作家をご存知だろうか。沖縄県西表島出身の作家である崎山は、1979年に「街の日に」で新沖縄文学賞佳作からデビュー、「シマ籠める」で1990年芥川賞を受賞した。
 崎山氏については、講演会や論文集などから接しただけなので多くのことを語ることをできないが、崎山氏の作品のもっともわかりやすい特徴は、作品の中に、ウチナーンチュ、つまり沖縄語を自然に使うということだ。
 例えば、こういった感

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「わかる」「わからない」

 ”ところで最近、いろいろな場面で「分かる」「分からない」という言葉を耳にする。『ナヌムの家』の上映やそれにともなう討論のなかでも、そんな言葉がよく交わされた。はたしてわれわれに「従軍慰安婦」であることを強いられたハルモニたちの「痛み」がわかるだろうか、というコンテキストにおいてだ。もちろん、「被害者」に安易に感情移入して──あるいは感情移入できた気になって──彼女たちの代弁者として語ってしまうこ

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卑怯者

”問題はむしろ広汎に存在する反ユダヤ主義を見せかけだけ否定することに、ユダヤ人ブルジョワジーが自己欺瞞のためのあらゆる舞台装置を用いて現実から逃避していることにあった。こうした逃避は、カフカやそのほかのひとびとにとってユダヤ人、いわゆる東方ユダヤ人(東ヨーロッパのユダヤ人)からのしばしば敵意に満ちた、そして常に傲慢な分離を意味していたひとびとは、より正しい知識をもっている場合でもなお反ユダヤ主義を

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